ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
現場ノウハウ
レクリエーション
更新日:2024/10/17
本記事では片麻痺の高齢者向けに簡単に行えるレクリエーションを10種類紹介します。身体機能の維持・向上、社会的なつながりの維持、自己効力感の向上など、多くのメリットが期待できるレクリエーションの特徴と重要性を解説します。利用者や施設職員の視点から、具体的なシチュエーションに応じた活動を提案しますので、日常生活に取り入れやすいレクリエーションをお探しの方に役立つ内容になっています。
この記事の目次
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片麻痺を抱える高齢者は、身体機能や認知機能の低下、日常生活の困難さから、自己効力感の低下や生活の質(QOL)の低下といった様々な問題に直面します。こうした課題に対して、レクリエーション活動を通じて心身機能の向上や社会的な交流を図ることが重要です。
【片麻痺の高齢者におけるレクリエーションのメリット】
レクリエーションに参加することで、身体機能の維持や向上が期待できます。残存する身体機能を活かして活動に参加することで筋力や柔軟性を維持し、麻痺側を可能な範囲で動かすことでリハビリの効果が得られ、運動機能の向上につながるでしょう。また、レクリエーションにより脳の機能を使うことで、認知機能の活性化が図られ、計算能力や集中力、記憶力の維持にも役立ちます。
さらに、レクリエーションはストレスの軽減や精神的な健康維持にも有効です。片麻痺の高齢者は、体が思うように動かないことからストレスを抱えやすく、抑うつ状態に陥るリスクも高いですが、楽しみや喜びを感じる活動を通じて精神的な健康を保つことができます。また、成功体験や達成感を得ることで、自己効力感が高まり、リハビリや日常生活におけるモチベーション向上につながります。さらに、他の利用者や施設従事者とのコミュニケーションが増えることで、社会的な孤独感が軽減され、QOLの向上が期待されます。
【支援者におけるレクリエーションのメリット】
施設職員にとっても、レクリエーションは多くの利点をもたらします。
レクリエーションの内容をリハビリや機能訓練に活かすことで、利用者の意欲を引き出しやすくなるでしょう。また、心身機能の維持を通じて日常生活の能力を長く保つことができれば、介護負担の軽減にもつながります。
さらに、レクリエーションを通して利用者に楽しさや喜びを提供することで介護サービスへの信頼感が高まり、生活にメリハリを与えることができるでしょう。
【レクリエーションが有効なシチュエーション】
レクリエーションは片麻痺の高齢者にとって、さまざまな場面で活躍します。たとえば、利用者の好みや興味を把握したい時に役立つでしょう。
また、リハビリのバリエーションを増やしたい時、運動や訓練に対して消極的な利用者のための代替プランとしても有効です。
片麻痺の高齢者において、レクリエーションは心身機能や精神的な健康状態を保つための重要な役割を担います。
【片麻痺高齢者の特徴】
片麻痺の高齢者では、以下のような状態を引き起こしやすくなります。
片麻痺の高齢者では、身体機能や精神機能が低下しやすく、活動しなければ機能は徐々に悪化してしまいます。心身機能の低下が進行すると、日常生活が困難となり、QOLの低下や寝たきりなどにつながる可能性があります。
そのため、機能訓練やリハビリ、レクリエーションなどによって心身機能の向上や活動量の向上を図ることが重要です。
【レクリエーションの重要性】
片麻痺高齢者のレクリエーションは、以下の効果が期待できます。
片麻痺の高齢者に対するレクリエーションは、心身機能や精神面において多くの効果があります。
また、リハビリや機能訓練に対して消極的な利用者では、レクリエーションから導入すると効果的なケースもあるでしょう。
利用者の好みや状態に合わせて、レクリエーションを取り入れ、自発的な動作を引き出せるリハビリを検討することが大切です。
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ここでは、片麻痺の方に向けたレクリエーションを10種類紹介します。
①机にお手玉を山のように積み上げて、そのてっぺんに割りばしを立てます。
②参加者は順番に、割りばしを倒さないようにお手玉を1つずつ取ります。1度に取れるお手玉の数を決めても良いでしょう。
③順番にお手玉を取り続け、割りばしが倒れたらその時点でゲーム終了とします。お手玉をたくさん持っていた人が勝ちとします。
④ゲームの難易度を調整するために、お手玉の配置を工夫したり、参加者のスキルに応じてルールを変更します。
⑤チームに分かれて競争する場合、交互にお手玉を取り合い、最終的にどちらのチームが多くのお手玉を取れたかを確認します。
お手玉の山に立っている割りばしを倒さないようにお手玉を取るレクリエーションです。お手玉が取りやすいように、置く位置を調整することが重要です。片手でも問題なく参加できるゲームであり、どんな方でも積極的に参加しやすいでしょう。
①テーブルの上に、ボールを入れた箱と空の箱の2つを参加者の前に置きます。
②ルールを説明し、スタッフの合図で参加者は洗濯バサミでボールを挟み、空の箱に移動させます。
③参加者が10個のボールを全て移動させるまでの時間を計測します。
④全てのボールが移動したら、スタッフが結果を発表します。
⑤複数の参加者がいる場合は、競争形式で行い、最も早くボールを移動させた人が勝者となります。
洗濯バサミでボールを掴んで移動させるレクリエーションです。ボールが落ちた際は、転倒の危険がないようにスタッフが拾い、参加者が安全に続けられるようにサポートすると良いでしょう。また、片手で行うため、片麻痺の方でも参加しやすく、グループに分かれて競争するなどバリエーションを変えて楽しむこともできます。
足や体幹の筋力を鍛える運動になります。
①ペットボトルをボウリングのピンのように三角形に並べます。
②ペットボトルから1〜2m離れた位置に椅子を置き、参加者は、その椅子に座ります。
③スタッフはルールを説明し、参加者の足元にゴムボールを置きます。参加者はそのボールを蹴り、ペットボトルを倒します。
④倒れたペットボトルの数を得点としてカウントします。
⑤複数回行い、合計得点を競います。参加者の中で最も得点が高い人を勝者とします。
このレクリエーションは、ボールを蹴る動作を通じて足や体幹の筋力を鍛えることができます。椅子とペットボトルとの距離が遠いと難易度が高くなってしまうため、参加者の状態に合わせて調整しましょう。バランスが悪い参加者が蹴る際には、転倒を防ぐため、スタッフがサポートできる位置に控えることも大切になります。
①参加者は机を挟んで向かい合って座ります。
②紙コップを逆さにして机に並べ、進行役か1人の参加者がピンポン玉を紙コップの中に隠します。隠す際に他の参加者は目を閉じるか、目隠しをするようにします。
③ピンポン玉を隠し終わったら、別の参加者が紙コップを1つずつ返しながら、ピンポン玉を探します。ピンポン玉を見つけるまでの時間を計測し、競います。
④ピンポン玉を発見した後は、開けた紙コップを再び逆さに戻して、再度ピンポン玉を隠す作業を行います。そして、次の探索を続けます。
⑤複数回行い、合計得点を競います。参加者の中で最も得点が高い人を勝者とします。
このレクリエーションは、腕や体幹の筋力だけでなく、記憶力と集中力を活用します。紙コップの数や隠し方を調整するなどして、参加者に合わせた難易度に設定することが大切になるでしょう。
①参加者は机を挟んで座り、それぞれに棒とかごを渡します。
②スタッフが紙コップを横向きにして、バラバラに机の上に並べます。
③スタッフはルールを説明し、ゲーム開始の合図をします。参加者は棒だけを使って紙コップをすくい、自分のかごに入れます。
④取れた紙コップの数がそのまま得点となり、最も多くの紙コップを取った参加者が勝ちとなります。
このゲームは、手先の器用さと集中力を養うレクリエーションです。片麻痺患者に限らず、参加者同士で競い合いながら楽しむことができ、すくう物や点数設定によってゲームの難易度を調整できるのが特徴です。チームに分かれて競争するルールを取り入れるのも良いでしょう。
①参加者に新聞紙で作った棒を1本ずつ配り、円形になるように椅子に座ります。
②スタッフはルールを説明し、1人の参加者の棒の先に紙コップを置きます。
③参加者は棒だけを使い、紙コップを隣の参加者に渡します。このとき、紙コップが落ちないように注意しながら行います。
④紙コップを棒で隣へ渡し、全員が1周できたら成功です。
紙コップが落ちた場合は、スタッフが拾い、落ちたところから再開します。参加者の中には腕や体を動かすことが難しい方もいるため、必要に応じてスタッフが介助を行いましょう。ゲームに慣れてきたら、チームごとに1周する時間を計測して競争するルールを導入すると、より楽しめます。
①参加者は輪になるように背もたれのある椅子に座ります。
②スタッフはルールを説明し、風船を参加者に渡し、ゲーム開始の合図をします。
③参加者は風船を手でたたき、風船が床に落ちないようにラリーを続けます。
このゲームでは、風船を落とさないように注意しながらラリーを続けることが目的です。ゲームに熱中しすぎると転倒の危険があるため、スタッフがしっかりと見守り、必要に応じてサポートを行います。風船が落ちた場合は、スタッフが拾い、再び風船をラリーに戻しましょう。
①棒の端とリボンの端をテープで固定します。
②進行役はルールを説明し、参加者に1本ずつ棒とリボンを渡し、棒を片手で持つように指示します。
③参加者は片手だけを使って、できるだけ早くリボンを棒に巻き付けます。
④リボンがすべて棒に巻き付けられるまでの時間を計測し、その結果を記録します。
⑤速かった人の名前や記録時間をホワイトボードに書いて表彰します。
このゲームは、腕の筋力を楽しみながら鍛えることができます。棒を動かす際に、他の参加者とぶつからないように、周囲に十分なスペースを確保し、スタッフがしっかりと見守りましょう。
①新聞紙を半分に切って、2等分にします(1回のゲームで半分ずつ使用します)。
②進行役はルールを説明し、参加者は片手で新聞紙の端を持ちます。
③スタッフの合図で、参加者は片手だけを使って新聞紙を丸めます。
④新聞紙が片手に収まるまで、小さく丸めていきます。
⑤丸める時間を測り、最も早く丸められた人を勝者とします。
参加者がうまく新聞紙を丸められない場合は、机の上に新聞紙を置くと丸めやすくなるため、状況に応じて対応しましょう。また、新聞紙のインクが手につくのが気になる方には、手袋の使用をおすすめします。
①参加者は輪になって椅子に座ります。
②音楽を流しながら、腕を振って足踏み運動を始めます。
③足踏みに慣れてきたら、音楽に合わせて歌いながら足踏みを続けます。
片麻痺のある高齢者の場合、麻痺側の手足も可能な範囲で動かすようにスタッフが声をかけましょう。テンポが速い曲では足踏みも速くなりやすいため、選曲も重要です。座り姿勢のバランスが悪い方は、転倒のリスクがあるため、スタッフが近くでサポートしましょう。
片麻痺の高齢者に向けたレクリエーションについて、メリットや重要性、具体的なプログラムについて紹介しました。
片麻痺の高齢者は身体機能や認知機能が低下する可能性があり、それと同時に日常生活の障害やQOLも低下しやすくなります。また、思うように体が動かせないことで自己肯定感が低下してしまうなど、精神的な健康を損なう可能性もあるでしょう。
そのため、片麻痺の高齢者ではレクリエーションを通して、心身機能の向上や精神的な健康を保つことも重要な関わり方の1つになります。
レクリエーションの種類は、紹介した内容以外にも数多くあるため、麻痺の重症度や残っている心身機能に合わせたプログラムを選択し、実践しましょう。
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