【介護施設向け】おたより例文集!季節の挨拶から近況報告まで

現場ノウハウ

お役立ち情報

更新日:2025/03/11

この記事では介護施設のおたよりに使える挨拶文と例文集を紹介します。季節ごとの挨拶文例、イベント報告、近況報告など、様々な場面で役立つ例文を豊富にご用意しました。書き方のポイントやテンプレートも紹介しているので、おたより作成にお役立てください。

介護施設のおたよりの重要性

おたよりは、入居者の生活を家族に伝え、施設への信頼を深める大切な役割を担います。単なる報告ではなく、家族とのつながりを強め、利用者の意欲向上や安心感の提供にもつながる重要なツールです。

家族と施設をつなぐ大切なコミュニケーションツール

介護施設のおたよりは、入居者と家族をつなぐ重要な手段です。特に、面会が難しい家族にとって、施設での生活の様子を知る貴重な情報源となります。

感染症対策や遠方に住んでいるなどの事情で、なかなか直接面会できない場合、おたよりを通じて「安心した」「普段の様子がわかる」と感じていただくことが大切になるでしょう。また、写真やエピソードを添えることで入居者の笑顔や活動の様子が伝わりやすくなり、家族にとって話題作りのきっかけにもなります。

利用者の生活を豊かにする効果

おたよりは家族だけでなく、利用者自身にとっても大きな意味を持ちます。自分の活動が紹介されることで家族に自らのことが伝わる喜びを感じたり、次の活動への意欲につながったりすることもあります。

また「おたよりに載っていたお花見、どうだった?」等の会話が生まれやすくなり、家族とのつながりも実感しやすくなるでしょう。このようなやりとりは、入居者の精神面にも良い影響を与えます。

事業所の考えや方針を伝える手段

おたよりは、利用者の近況報告だけでなく、介護事業所の運営方針を伝える役割も果たします。

たとえば、感染症対策や行事の実施意図を説明することで、家族の理解が深まり「安心して任せられる」と感じてもらいやすくなります。ケア等の方針を明確に示すことで、不安が軽減され、信頼が高まるでしょう。

季節の挨拶文例集

1年を通じて、季節ごとの行事や気候に応じた挨拶をすることで、相手への気遣いや思いやりが伝わります。

各月の特徴に合わせた挨拶の文例をご紹介しますので、ご参考にしてください。

1月:新年の挨拶、健康を願う言葉

  • 新年明けましておめでとうございます。本年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。
  • 寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛ください。本年も素晴らしい一年となりますようお祈り申し上げます。

2月:節分の話題、寒さ対策、春の兆し

  • 節分を迎え、春の足音が少しずつ近づいてまいりました。寒さも続きますので、どうぞ温かくしてお過ごしください。
  • 寒さの厳しい日が続いておりますが、梅のつぼみも膨らみ始め、春の兆しを感じる季節となりました。くれぐれもご自愛ください。

3月:ひな祭りの話題、卒業、春の訪れ

  • 3月に入り、少しずつ春の訪れを感じる季節となりました。桃の節句には、健やかな成長と幸せを願います。
  • 卒業シーズンを迎え、新たな門出の季節となりました。希望に満ちた未来が皆様に訪れますように。

4月:入学、新生活、桜の開花

  • 桜の花が咲き誇り、新たな出発の季節となりました。新生活を迎えた皆様が素晴らしいスタートを切れますようお祈り申し上げます。
  • 暖かな春の日差しが心地よい季節となりました。新たな環境でのご活躍をお祈り申し上げます。

5月:こどもの日、ゴールデンウィーク、新緑

  • 新緑の美しい季節となりました。ゴールデンウィークには、心身ともにリフレッシュする時間をお過ごしください。
  • こどもの日を迎え、お子様の健やかな成長を願う季節となりました。どうぞ素敵な時間をお過ごしください。

6月:梅雨の時期、アジサイ、雨の日の過ごし方

  • 梅雨入りし、しっとりとした季節となりました。アジサイが色鮮やかに咲くこの時期、雨の日ならではの楽しみを見つけてみてはいかがでしょうか。
  • 蒸し暑い日が増えてまいりましたが、どうぞお体を大切にお過ごしください。

7月:七夕、夏の暑さ対策、夏バテ防止

  • 七夕の季節となりました。夜空を見上げながら、願いを込める時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
  • 暑さが厳しくなってまいりました。水分補給をしっかりとし、夏バテにはくれぐれもお気をつけください。

8月:お盆、夏のイベント、暑中見舞い

  • お盆を迎え、ご家族と穏やかなひとときを過ごされることと思います。ご先祖様への感謝の気持ちを忘れず、大切な時間をお過ごしください。
  • 厳しい暑さが続いておりますが、どうぞご自愛ください。涼しくお過ごしいただける工夫をしながら、楽しい夏を満喫されますように。

9月:敬老の日、秋の訪れ、過ごしやすい気候

  • 朝晩の涼しさに秋の訪れを感じるようになりました。実りの季節、どうぞ健やかにお過ごしください。
  • 敬老の日を迎え、長年のご尽力に感謝の気持ちを込めて、心温まる時間をお過ごしください。

10月:ハロウィン、秋の深まり、紅葉

  • 秋が深まり、木々の色づきが美しい季節となりました。行楽の秋を楽しみながら、どうぞ充実した日々をお過ごしください。
  • ハロウィンの季節となりました。秋の実りとともに、楽しいひとときをお過ごしください。

11月:七五三、秋の収穫、冬支度

  • 七五三を迎え、お子様の健やかな成長を願う季節となりました。ご家族で温かい時間をお過ごしください。
  • 秋も深まり、朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりました。冬支度を進めながら、どうぞ温かくしてお過ごしください。

12月:クリスマス、年末年始、雪景色

  • 街中がイルミネーションに包まれ、心躍る季節となりました。どうぞ素敵なクリスマスをお過ごしください。
  • 本年も残すところわずかとなりました。1年の締めくくりにふさわしい充実した時間をお過ごしください。

イベント報告やお礼の例文

おたよりを通じてイベントの様子を伝え、参加者への感謝の気持ちを伝えることは、介護事業所の雰囲気を知ってもらう貴重な機会になります。

以下で、イベントごとの報告例とお礼の文例を紹介しますのでご参考ください。

夏祭りの開催報告とお礼の例文

先日は当施設の夏祭りにご参加いただき、誠にありがとうございました。皆様のご協力のおかげで、今年も無事に開催できました。

当日は、盆踊りやヨーヨー釣り、屋台での食事など、盛りだくさんの内容で楽しんでいただけたようで、職員一同嬉しく思っております。特に◯◯様の太鼓演奏の際には、会場が一体となり、大変盛り上がりました。

また、ご家族の皆様にもご来場いただき、笑顔あふれる一日となりました。当日の様子は写真に収め、施設内掲示板やおたよりに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。来年もより楽しいイベントを企画してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

敬老会の開催報告とお礼の例文

去る◯月◯日、当施設にて敬老会を開催いたしました。今年も多くの利用者様やご家族の皆様にご参加いただき、心温まる時間を過ごすことができました。

当日は、職員による◯◯の演奏や、地域のボランティア団体による◯◯の披露があり、皆様の笑顔が溢れていました。特に◯◯様が代表としてご挨拶された場面では、多くの方が感動されていたようです。

また、日頃の感謝を込めて、ささやかながらお祝いの品をお渡しさせていただきました。これからも皆様の健康を願い、楽しい毎日をお届けできるよう努めてまいります。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

イベント報告のポイント

単に「楽しい会でした」のような記載のみでなく、どんな催しがあったのか、どのような雰囲気だったのか等を詳しく記載すると伝わりやすくなります。

以下のポイントを押さえて内容を伝えるようにすると良いでしょう。

  • イベントの具体的な内容を伝える
  • 参加者への感謝の言葉を必ず入れる
  • 写真やイラストを活用する
  • 今後のイベントについても軽く触れる

入居者の近況報告の例文

近況報告は、個別的な内容を含む内容と、事業所全体の様子を伝える内容の大きく2つに分けられます。適切な形で報告を行うことが重要です。

個別的に利用者の生活リズムや健康状態、日々の活動などを伝えることで、安心感を持ってもらうことができます。ただし、プライバシーへの配慮が必要なため、個人名や詳細すぎる情報を避ける工夫が求められる点には注意しましょう。

個別的な近況報告の例文

個別の近況報告では、利用者一人ひとりの変化や活動を具体的に伝えることが大切です。名前を直接出さず、表現を工夫してプライバシーに配慮しましょう。

例文①:健康状態や生活の様子

朝晩の冷え込みが強まる季節となりましたが、〇〇様は変わらず元気に過ごされています。最近は食欲も安定し、昼食後のティータイムを楽しみにされるご様子です。また、歩行訓練では歩行距離が少しずつ伸び、ご本人も「もっと頑張りたい」と意欲を見せていらっしゃいます。

例文②:レクリエーションの参加状況

先日の折り紙レクリエーションでは、〇〇様が素敵な作品を披露してくださいました。器用な手さばきに、スタッフや他の利用者様も驚かれていました。「また作ってみたい」と笑顔でお話しされていました。

全体的な近況報告の例文

施設全体の様子をお伝えする場合、複数の入居者が共通して関わる出来事や、季節ごとのイベントに関する内容を記載するとよいでしょう。

例文①:事業所全体の様子

寒暖差が激しい時期ですが、皆様体調に気をつけながら穏やかに過ごされています。春の食材を使った特別メニューも好評で「美味しいね」と喜ばれる声が多く聞かれました。

例文②:レクリエーションやイベントの報告

3月のレクリエーションでは「ひな祭りお茶会」を開催し、甘酒や桜餅を楽しんでいただきました。「久しぶりに甘酒を飲んで懐かしくなった」と話される方も多く、春の訪れを感じる時間となりました。

例文③:夏祭りの報告

先日は当施設の夏祭りにご参加いただき、ありがとうございました。盆踊りやヨーヨー釣り、屋台の食事などを楽しんでいただき、職員一同嬉しく思っております。特に〇〇様の太鼓演奏では会場が一体となり、大変盛り上がりました。当日の写真は施設内掲示板やおたよりに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。来年も楽しいイベントを企画してまいります。

近況報告を作成する際のポイント

入居者の近況報告は、ご家族が安心できる内容にすることが大切です。以下の点に注意しましょう。

プライバシーに配慮する 利用者の名前は「〇〇様」「ご利用者様」とし、病状や介護内容は詳細に書きすぎず、生活の様子を中心に伝える。
ポジティブな表現を心がける 「元気に過ごされています」「笑顔を見せてくださいました」など、前向きな表現を使う。
季節感を取り入れる 「桜が満開になりました」「クリスマス会を開催しました」など、季節の話題を盛り込むと、より親しみやすい。

介護施設からのお願いの例文

介護事業所からご家族や来訪者の皆様に協力をお願いする場面は少なくありません。特に、面会ルールの変更や感染症対策、持ち物に関する注意点などは、おたよりを通じて事前に伝えておくことでトラブルを防げます。

ここでは、具体的な例文をご紹介します。施設の状況に応じて適宜変更し、活用してください。

例文 面会に関するお願い

感染症対策や施設の運営状況により、面会ルールを変更する場合があります。ご家族の皆様にもご理解とご協力をお願いすることが大切です。

例文:面会ルール変更のお知らせ

拝啓 〇〇の候、ご家族の皆様におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。

さて、現在の感染症対策に伴い、面会ルールを一部変更させていただくこととなりました。

変更内容

  • 面会可能日:〇〇曜日~〇〇曜日(〇〇時~〇〇時)
  • 面会時間:お一人様〇〇分まで
  • 事前予約制(〇日前までにお電話でご予約をお願いします)
  • 発熱や風邪症状のある方の面会はご遠慮ください

引き続き、入居者様の健康を守るため、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

敬具

〇〇施設 施設長〇〇

例文:持ち物に関するお願い

拝啓 〇〇の候、ご家族の皆様には日頃より当施設の運営にご協力をいただき、心より感謝申し上げます。

この度、施設内への持ち込み物品に関するルールを改めてお知らせいたします。

持ち込み可能なもの

  • 衣類(洗濯が可能なもの・お名前の記入をお願いします)
  • 本や写真(危険物が含まれていないもの)
  • 最低限の日用品(歯ブラシ、タオルなど)

持ち込みを控えていただきたいもの

  • 生もの、賞味期限の短い食品
  • 医薬品(施設で管理が必要なため、持ち込み前にご相談ください)
  • 貴重品(盗難・紛失防止のため)

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

敬具

〇〇施設 施設長◯◯

例文:冬場の感染症対策

拝啓 〇〇の候、ご家族の皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。

寒さが厳しくなるこの時期、施設内でも感染症予防を徹底しております。

感染症対策へのご協力のお願い

  • 面会時のマスク着用、手指消毒の徹底
  • 発熱・咳などの症状がある場合の面会自粛
  • 感染症流行時の面会制限へのご理解

利用者様の健康管理のため、体調に異変が見られる場合にはご連絡させていただきます。

皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

敬具

〇〇施設 施設長〇〇

おたより作成のポイント

介護施設のおたよりは、入居者やご家族に施設の様子を伝える大切な役割を持ちます。内容が伝わりやすく、温かみのあるものになるよう工夫しましょう。

伝わりやすい言葉を使い専門用語を避ける

介護に関する情報を伝える際、専門用語をそのまま使用すると、入居者やご家族が理解しにくい場合があります。例えば、「ADL(日常生活動作)」や「QOL(生活の質)」などの言葉は説明がないと伝わりづらいです。

代わりに「日常生活でできる動作」「暮らしの快適さ」など、誰にでも分かりやすい表現を使いましょう。特におたよりでは、読みやすさを優先し、難しい表現は避けることが重要です。

【避けるべき表現と伝わりやすい言い換え例】

伝わりにくい言葉 伝わりやすい言葉
バイタルチェック 血圧や体温の測定
嚥下機能 食べ物を飲み込む力
認知症ケア もの忘れのある方のサポート

温かみのある言葉遣いを意識する

おたよりは、施設とご家族をつなぐ大切なコミュニケーションツールです。事務的な報告にならないよう、心が伝わる表現を意識しましょう。

たとえば「〇〇さんは、最近お花に興味を持たれ、毎日お庭を眺めながらお話しされています」と書くと、入居者の様子がより伝わります。一方「〇〇さんは、庭を見て過ごされることが多いです」では、事務的な印象になってしまいます。

また、ご家族への感謝の言葉を添えることも大切です。「ご家族の皆さまの支えがあり、利用者の皆さまは安心してお過ごしいただいています」など、感謝の気持ちを表現すると、受け取る側も温かい気持ちになります。

写真やイラストを効果的に活用する

おたよりに利用者の名前や写真を掲載する際は、ご本人やご家族の同意を得ることが必要です。個人が特定される情報を記載しないよう注意しましょう。

個人情報を保護する必要がある場合は、特に以下の3つに注意しましょう。

  • 氏名はイニシャルや「〇〇様」と表記する
  • 具体的な住所や個人が特定できる情報は記載しない
  • 写真を使用する際は、事前に許可を取る

また、職員の名前を掲載する場合も、本人の了承を得ることが必要です。事業所内の出来事を共有することは大切ですが、個人のプライバシーを守る配慮も欠かせません。

おたよりで安心を届けよう

おたよりは、利用者のご家族に安心を届ける大切な役割を持っています。季節の挨拶やイベント報告、近況報告など、内容を充実させることで介護事業所とご家族のつながりが深まります。

本記事では、月ごとの挨拶文例やイベント報告のテンプレートなど、すぐに活用できる例文を紹介しました。温かみのある文章の書き方や写真・イラストの活用法のみでなく、適切な言葉遣いやプライバシー配慮を意識しながら、心のこもったおたよりを作成してみてください。

施設の日常や入居者の様子が伝わるおたよりを作成することで、利用者のみでなく、ご家族にも安心感を届けられるでしょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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