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現場ノウハウ
2024/11/28
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評価
更新日:2024/11/06
ADLとは日常生活動作、IADLとは手段的日常生活動作ですが、どちらも日常生活動作を示す用語のため違いがわからない方も多いのではないでしょうか? ADLとIADLの具体的な項目の違い、アセスメント・評価方法・評価スケール(FIM・BIなど)、訓練内容についてそれぞれの違いをご紹介します。医療・介護スタッフの基礎知識として言葉の違いを理解していきましょう。
この記事の目次
まず、ADLとIADLの定義の違いを理解しておきましょう。
医療・介護業界で当たり前のように使われる言葉の1つである「ADL」と「IADL」ですが、その違いについて詳しく説明することはできますか?
ADLは「日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作」と定義されています。ADL(日常生活動作)とは、Activities of Daily Livingの頭文字を略した言葉で、ADLのAはアクティビティー(動作)、Dはデイリー(日常)、Lはリビング(生活)の意味を持ちます。
主なADL項目には、食事やトイレ、入浴や整容、着替え、移動などがあります。私たちが日常生活を送るために必要な基本的な動作、日常的・習慣的にしている行動と理解してもよいでしょう。
IADLとは、Instrumental Activity of Daily Livingの略で、日本では「手段的日常生活動作」と呼ばれ、ADLより高度なものです。
主なIADL項目には、買い物や洗濯、家事全般、金銭管理、服薬管理、交通機関の利用といった動作・行動があります。
定義上、ADLは日常生活を送るために必要な「基本的な動作」に対して、IADLは日常生活動作の中でも「複雑で高度な日常生活動作」ということがご理解いただけたと思います。
つまり、能力低下はまずIADLから起こり、次にADLに起こることになります。
具体的にADLとIADLにはどのような内容があるのでしょうか?
ADLとIADLの項目の違いをご紹介します。
厚生労働省では以下の8項目をIADLの尺度の指標としています。
続いては、ADLとIADLのアセスメントについてご紹介します。
医療や介護現場では、利用者様がこれらの日常生活動作をどれくらい自分でできるのかを把握してサービス計画(支援する内容)を検討します。
実際の現場では、計画に沿ったケアを行い、その結果どうだったかのアセスメントを考察するために必要であり、共通言語として活用することも多い指標です。
■FIM
FIMは、実際にどれくらいの介助量が必要なのか本人が「しているADL」を評価します。運動項目と認知項目の2つに分類され、126点満点で採点します。この点数が高いほどADLが高い(=介護の必要性が低い)という結果になります。
ADLの介助量を評価するための方法(FIM)についてて知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。
▶︎FIMとは|FIMの評価方法と点数付けで知っておきたい基礎知識【総論】
■BI
BI(バーセルインデックス)は、FIMとは異なり本人が「できるADL」を評価します。BIの評価項目は全10項目で、各項目が自立度(自立・部分介助・全介助など)に応じて0~15点(2~4段階)で評価され、100点満点で採点します。
バーセルインデックスについては以下の記事で詳しく紹介していますので、こちらをご一読ください。
▶バーセルインデックス(BI)の評価基準|自宅内・事業所内のどちらで評価?
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■Lawtonの手段的日常生活動作(IADL)尺度
IADLを評価するLawtonのIADL評価尺度では、8つの評価項目を3~5段階の選択肢の中から選び、その動作が「できる:1点」か「できない:0点」で採点します。
■老研式活動能力指標
IADLを評価する老研式活動能力指標は、地域に住む高齢者の生活能力を測定することを目的にしています。主に「手段的自立」「知的能動性」「社会的役割」の項目について質問形式で「はい」「いいえ」を回答してもらう、合計13点満点の評価です。退職後の高齢者を想定していることから「仕事・生産活動」の項目はありません。
■Frenchay Activities Index(FAI)
IADLを評価するFAIは、日常生活の中でも応用動作や社会生活における活動の全15項目を評価します。面接調査で、3か月間または6か月間の行動を評価するものです。対象者は、住み慣れた地域で生活できているご高齢者のIADLを評価するために用いられます。
では、具体的にADLとIADLの訓練内容の違いについてご紹介します。
まず、こちらはADL訓練です。
ADLの訓練内容は、食事やトイレ、入浴や整容、着替え、移動など日常生活を送るために必要な基本的な動作の獲得を目的とした訓練を実施します。
その中でもこちらの訓練は、「着替え」の模倣訓練です。着替えを行うためには、ズボンの上げ下げや靴下の着脱がスムーズにできなければなりません。特に、脳梗塞後遺症で片麻痺がある人や股関節・脊椎疾患などで可動域制限がある人への下衣着脱訓練として実施されています。
続いては、IADL訓練をご紹介します。
IADLの訓練内容は、ADLより高度で複雑な買い物や洗濯、家事全般、金銭管理、服薬管理、交通機関の利用などの獲得を目的とした訓練を実施します。
その中でもこちらの訓練は、家事動作に必要な「台拭き」の模倣訓練です。台拭きは、掃除動作などのIADLの獲得として非常に重要な動作です。特に、脳梗塞後遺症で片麻痺がある人や肩関節周囲炎などで肩が動かしにくい人への家事動作訓練として実施されています。
ADLとIADLの違いはご理解いただけましたか。
ADL、IADLは、どちらも複雑な動作が組み合わさっていますが、ADL訓練に比べ、IADL訓練はより複雑な動作のため、目的の動作を細分化して訓練していく必要があります。
医療・介護スタッフの基礎知識としてADLとIADLの違いを明確にしておきましょう。
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