ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
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更新日:2024/08/01
ホスピタリティとは「思いやり」や「心からのおもてなし」の意味を表す言葉です。挨拶や食事のときの作法など、形や行動の良し悪しがある程度定まっていることは「マナー」といい最低限のルールです。ホスピタリティが高い・ホスピタリティに溢れる接客について、飲食店・レストラン、介護施設・病院、ディズニーなどでの事例を交えてご紹介します。
この記事の目次
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ホスピタリティとは、「思いやり」や「心からのおもてなし」の意味を表す言葉です。英語では、hospitalityというスペルです。
ホテルなどのサービス業でよく取り上げられる言葉ですが、最近では医療現場や介護現場などでも頻繁にホスピタリティという言葉が使われるようになりました。
ホスピタリティ産業という言葉も新たにできていて、宿泊業、運輸業、旅行業、ブライダル、テーマパーク、空港など、特に人に接客するサービスを提供する業種のことを指します。近年は、教育、医療、福祉もサービス業として認知が進み、ホスピタリティ産業としての認識が拡大しています。これらの業種だとホスピタリティを活かせる仕事と言われてはいますが、その他、飲食業などその他の仕事でも、相手への思いやりやおもてなしは仕事の中で発揮できます。
ホスピタリティの類語であり、語源にも関連する「ホスピス(hospes)」には、「客人等の保護」という意味がありますが、医療用語としても使われています。医療業界でのホスピスとは、癌などの疾病の末期患者を受け入れて、その人らしさを保ちつつ、苦痛を少しでも和らげていくため、チームを組んでケアするという緩和ケアの概念です。
病院や介護の分野でホスピタリティを考えるとき、ホスピスの概念を用いながら考えると具体例を考えやすいかもしれません。
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ホスピタリティと似た言葉に「マナー」という言葉があります。
挨拶や食事のときの作法など、形や行動の良し悪しがある程度定まっていることは「マナー」といい、相手に不快感を与えないために作られた最低限のルールです。
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しかし、マナーという暗黙のルールはTPO(時と所と場合)に応じて形式が決まっているのに対し、ホスピタリティは自分と相手の「心」の要素が加わります。
マナーを守って周囲に合わせることに加えて、相手の心の状態に合わせて、自分にできる個別的な配慮で、相手に心地良さや安心感をもたらし、感動的な対応として好印象を残していただくことがホスピタリティです。
ホスピタリティという言葉はサービス業の会社だけでなく、病院や介護施設でも使われることが増えてきて、接遇マナーやホスピタリティ研修という内容も身近になってきました。
ホテルや介護施設などのキャッチコピーとしても「ホスピタリティの高いサービスで皆様をおもてなしいたします」や「ホスピタリティ溢れる介護サービスを提供します」などよく耳にするようになりました。
しかし、ホスピタリティの意味は「思いやり」「心からのおもてなし」だとわかっても、実際にどんなことをすればホスピタリティが高い、ホスピタリティが足りないと言われるのがわからないと人も多いと思います。日本ではディズニーランドやホテルなどのディズニーリゾートのホスピタリティの高さが有名ですよね。
ホスピタリティとは、どのような接客態度のことなのか、どのようなコンセプトでのサービスなのか具体的な事例を挙げてご紹介していきます。
ディズニーランドはホスピタリティが高く、魔法にかかったかのようにみんなが満足できるということで有名です。
ディズニーリゾートで話題になったホスピタリティの高さを感じる事例としては、ディズニーランドでお昼寝している子供を抱いて座っているお母さんがいたとき、ディズニーキャラクターがその子の周りで「シー」のポーズをして配慮したという話があります。キャラクターが居るとみんなキャーキャー楽しくなりますが、その楽しさは壊さずに、眠っているこどもやお母さんにも嫌な気持ちをさせずに配慮した演技をした心遣いは素晴らしいですよね。
広い意味でのホスピタリティの例になりますが、実はディズニーランドには、みんなが不快に感じてしまう「蚊」がいないということを知っていますか?誰もが夢の魔法にかかって楽しめるように、木や水を工夫することで、蚊がいない場所にしているというのです。
レストランや飲食店などでの食事では、食事を提供する側でもマナーが最低限のルールになります。例えば、衛生的なお盆や食器で運んでくることや、和食だったら味噌汁が右側でご飯が左、お箸の置き方は右が持つ側になるように…などです。
飲食店に行く目的は、主に美味しいご飯を食べること、一緒にいる人と快適な時間を過ごすことなので、食器が不衛生だったり、違和感のある食器の配置だったりすると不快であり、飲食店のマナーの欠如を感じてしまいます。
ホスピタリティという概念では、飲食の提供のサービスにプラスして、相手の気持ちや目的にあった思いやりや心遣いを提供します。
例えば、飲食店に来ていただいたお客さんがデートで来ている場合、ちょっといい感じのお席にお通しする、お料理を女性が大きな口を開けて食べずに済むように食べやすいサイズにカットする、男性がおどおどしていても女性に心配を感じさせないような態度で接客をする、苦手なものはないか確認するなどが具体的なホスピタリティある態度かもしれません。
おばあちゃんの誕生日で3世代で来ている場合の例だと、お孫さんの椅子や寝る布団、小分けの取り皿などを多めに用意して差し上げるなど、個別にその方の快適や安心につながるようなおもてなしを考えて行うということがホスピタリティ精神です。
飲食店の店員の立場で、他人のプライベートに深入りしすぎるのもホスピタリティに反す部分はありますが、相手の目的や立場、雰囲気に合わせて柔軟に対応できるとお客様に感動をお届けすることができます。
病院や介護施設などでは、接遇マナーという言葉がホスピタリティと合わせて使われています。病院での医療の提供や介護施設などでの介護サービスの提供は、計画に沿ってチームで行われます。医療や介護を必要とする患者や利用者は、身体的にも精神的も立場が弱くなりやすく、この業界では患者やご利用者に対して負い目や不快感などを与えずに、その人らしく発言や希望を言いやすいように接遇マナーに力を入れています。
疾病の末期の患者に行われる緩和ケア・ホスピスを例にすると、ベッドメイクや衛生保持など、リラックスできる心地よい環境を整えることに加え、その方の細やかな希望にできる範囲でお答えしたり、暖かくお話を聞いて寂しさや不安を減らせる思いやりや、見た目が気になる処置や症状で周囲からの目を気にしていることを感じたときに、相手の気持ちになってそっと声をかけてお聞きして位置を移動したりといったことなどがあります。
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具体例は挙げましたが、ホスピタリティは相手への思いやりとおもてなしですが、いいことをしようと思って相手の気持ちを勝手に想像しすぎてしまい、本人に無断で望まないサービスや行き過ぎた配慮をするかもしれないという課題があります。また、業界全体でホスピタリティに溢れるサービス提供をしていると、業界のサービス水準が高まりますが、行き過ぎたサービスが当たり前になり、期待のハードルがどんどん上がってしまうという可能性も課題として認識する必要があります。
ここで紹介したホスピタリティの例が当てはまるケースもありますし、不快な気持ちにさせてしまうこともあります。ホスピタリティの事例やホスピタリティばかりを全面に押し出すと、本来の価値である思いやりやご配慮から離れて
ホスピタリティとはどんなことか、そしてホスピタリティの具体事例を紹介してみました。ホスピタリティはひとりひとりへの気持ちを込めたおもてなしです。いろいろな引き出しを用意しておき、活かせるときに活かせることがホスピタリティ精神として大切なことです。
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