個別機能訓練計画書|効率的な作成方法・おさえるべきポイントとは
介護保険法
2024/11/06
介護保険法
個別機能訓練加算
更新日:2024/09/10
介護施設にて利用者一人ひとりに応じた機能訓練の計画・実施・評価を行う職種を「機能訓練指導員」といいます。介護保険法により介護施設への配置が定められています。本記事では、機能訓練指導員に必要な資格や仕事内容、加算による配置基準を紹介します。
この記事の目次
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厚生労働省の定義によると、機能訓練指導員とは「日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者」のことを指します。
「訓練を行う能力を有する者」とは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師またはあん摩マッサージ指圧などの資格を保持する人物のことです。
令和3年の介護報酬改定では、高齢者の自立支援や重度化防止の取り組みに大きく舵を切り、機能訓練指導員の存在意義が高まっています。
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機能訓練指導員として働くには、厚生労働省が定める8つの資格のうちいずれかを持っていることが条件になります。これらの資格を持っていない者は機能訓練指導員として勤務できません。
また、介護福祉士の資格のみでは機能訓練指導員として条件に該当しないため、機能訓練指導員として配置はできません。さらに加算も算定できないので注意しましょう。
機能訓練指導員は資格ではなく、職種を指します。よく「機能訓練士」と表記されることがありますが、これは誤表記です。正しくは「機能訓練指導員」であり、機能訓練士という名称の資格は存在しません。
機能訓練指導員が従業者として在籍している施設や、仕事内容の違いは以下の通りです。
機能訓練指導員の配置は、運営基準上、厚生労働省により下記のように定義されています。
『機能訓練指導員は、日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者とし、当該指定通所介護事業所の他の職務に従事することができるものとする。』
これを踏まえて、通所介護を例に、機能訓練指導員の仕事内容をご紹介すると以下のような内容になります。
個別機能訓練加算には(Ⅰ)と(Ⅱ)があります。令和3年度の介護報酬改定で新しく個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロとなり、令和6年度の介護報酬改定では(Ⅰ)ロの人員基準が緩和され単位数が減りました。また、個別機能訓練加算(Ⅱ)はLIFEを活用してデータ提出することが求められるほか、個別機能訓練加算(Ⅰ)を満たしている必要があります。
▶個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロの算定要件【2021年介護報酬改定】
▶個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件・単位数とLIFEへの提出方法
個別機能訓練加算を算定しない場合でも、リハビリやレクリエーションなどを通じて機能訓練を行うことは可能です。その際は、事業所の生活相談員または介護職員が兼務しても差し支えありません。
機能訓練指導員になるには、以下のいずれかの国家資格を保有している必要があります。機能訓練指導員としての仕事内容に違いはありませんが、それぞれの資格には特徴があるので把握しておきましょう。職種の特徴を理解すれば、求人公募のときにも役立ちます。この章ではそれぞれの資格の特徴をご紹介していきます。
機能訓練指導員としての理学療法士は、医学的リハビリテーションに基づき、運動療法や物理療法(電気や温熱)を活用して、歩く・座る・立つなどの基本動作能力を回復させたり、症状を軽減させたりすることができるのが特徴です。また、疾患の知識も豊富で生活習慣病や病気の予防などの機能訓練を提供することも得意としています。
理学療法士は、まず国家資格を取得することが必要です。国家資格とは、国が法律で定め、国や地方自治体などが認定する資格のことをいいます。
機能訓練指導員としての作業療法士は、医学的リハビリテーションに基づき、入浴やトイレなど日常生活の動作や手工芸、園芸及びレクリエーションなど様々な活動を通して、身体と心のケアをすることができるのが特徴です。また、自宅の環境に即した福祉用具の選定や家族のケアなども得意としています。
機能訓練指導員としての言語聴覚士は、医学的リハビリテーションに基づき、嚥下や口腔機能や誤嚥性肺炎の予防、口腔ケアなどの機能訓練とその評価を行うことができるのが特徴です。また、言語障害や高次脳機能障害などの機能訓練も得意としています。
機能訓練指導員としての看護職員は、ご利用者様のケアや健康状態を見極めるバイタルチェック、疾患別のリスク管理を行うことができるのが特徴です。
デイサービスでは、看護師兼機能訓練指導員として兼務するケースも多くあります。ただし、学生時代に運動などの知識を学ぶことは少ないため、機能訓練やリハビリの経験が少なく、現場で勉強されている方が多いのが現状です。
機能訓練指導員としての柔道整復師は、骨折・脱臼・捻挫・打撲・肉ばなれなどの各種損傷に対しての治療や運動などの機能訓練を行うことができるのが特徴です。柔道整復師は、開業している場合も多く高齢者特有の疾患なども得意としています。
機能訓練指導員としてのあん摩マッサージ指圧師は、日常生活やトレーニングにともなう疲労感や筋肉のコリ、硬さを軽減することができるのが特徴です。
マシントレーニングなどリハビリ特化型デイサービスよりもストレッチやマッサージを主体とした事業所で勤務されることが多い印象です。あん摩マッサージ指圧師は、学生時代のカリキュラムに運動や日常生活訓練などの技術を学ぶことがなく、機能訓練指導員として勤務するようになり、現場で勉強されている方が多くいらっしゃいます。
令和3年の介護報酬改定では、機能訓練指導員の資格要件を緩和を行い、一定の実務経験を有する「鍼灸師(はり師・きゅう師)」でも担えるようになりました。
これは、短期入所生活介護(ショートステイ) や認知症対応型通所介護(認知症デイサービス) 、特定施設などの機能訓練指導員も同じ扱いになります。
ただし、サービスの質を担保する観点から、現行の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員(准看護師)、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などの機能訓練指導員が配置されている事業所において、半年以上の実務経験を積むことを前提とされます。
デイサービスや特別養護老人ホーム、ショートステイなど、厚生労働大臣が定める所定の基準要件を満たし、機能訓練指導員が利用者に応じた機能訓練を行った場合に機能訓練指導員の配置加算や個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定できます。
この章では事業所ごとに機能訓練指導員が必要となる加算算定についてご紹介していきましょう。
個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロそれぞれの機能訓練指導員の配置は以下のように決められています。イとロの最大の違いはこの機能訓練指導員の人員配置ですので、算定前によく確認し、場合によっては人員配置を整備しておく必要があります。
特別養護老人ホーム(特養)が算定できるのは個別機能訓練加算(Ⅰ)のみです。機能訓練指導員を1名以上配置し、入所者に応じた個別機能訓練計画書の作成から実施、評価を行っていることが算定要件となっています。
有料老人ホーム(特定施設)が算定できるのは、特別養護老人ホーム(特養)と同様に個別機能訓練加算(Ⅰ)のみです。機能訓練指導員を1名以上配置し、入所者に応じた個別機能訓練計画書の作成から実施、評価を行っていることが算定要件となっています。
ケアハウスが算定できるのは、上記の施設と同様に個別機能訓練加算(Ⅰ)のみです。
ショートステイが算定できるのは「機能訓練指導員の配置加算」と「個別機能訓練加算(Ⅰ)」です。
令和3年度の介護報酬改定で示された通り、これからの介護業界では高齢者の自立や重度化防止が重要視されていきます。
介護保険制度が変化していく中でも、自立支援や重度化防止に欠かせないのが機能訓練指導員です。
これからも利用者さんの自立に向けて大きな役割を担うことは間違いないでしょう。
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