誰でもわかる通所介護(デイサービス)の入浴介助加算【2024年改定対応】

介護保険法

入浴介助加算

更新日:2024/09/25

【令和6年報酬改定対応】入浴介助加算は、通所介護(デイサービス)で、ご利用者様の観察を含む介助を行った場合に算定することができる加算です。本記事では、入浴介助加算(Ⅰ)(Ⅱ)の単位数や算定要件、計画書の作成方法や注意事項についてご紹介します。

この記事の目次

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入浴介助加算とは

入浴介助加算とは、入浴中の利用者の観察を含む介助を行った場合に、算定できる加算です。ここでいう観察とは、利用者が自身の力で入浴できるように見守りや声かけ、必要に応じた介助を行うことを指します。身体に直接触れなくとも加算の対象になりますが、利用者側の事情で入浴をしなかった場合は算定ができません。

令和3年度の介護報酬改定にて、入浴介助加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)の2種類に分類されるようになりました。

旧来の入浴介助加算は(Ⅰ)となり、新しく新設されたのが(Ⅱ)です。

入浴介助の目的

入浴介助の目的は、利用者の身体的な清潔を保つことにあります。入浴を通じて皮膚表面の汗や皮脂、汚れを取り除き、感染予防や皮膚トラブルの防止を図ることで、健康な皮膚状態を維持します。また、温かい湯に浸かることで筋肉がほぐれ、血行が促進され、精神的なリラックス効果も期待できます。

さらに、可能な範囲で利用者自身の力を活用して入浴を行うことを促し、日常生活動作の維持や向上を目指すことも重要です。これにより、利用者の自立度を高め、生活の質を向上させることができます。

加えて、入浴中は転倒や溺水などの事故が発生するリスクがあるため、安全に配慮する必要があります。入浴前には利用者の体調を確認し、入浴中の温度管理や適切な介助方法を選定することで、事故の防止に繋げることができます。

入浴介助加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い

入浴介助加算(Ⅰ)は令和6年度の介護報酬改定でも、利用者の入浴介助を行った際に算定が可能です。

入浴介助加算(Ⅱ)は、(Ⅰ)の要件に加えて以下の実施が求められます。

  1. 利用者宅に訪問し、浴室の環境を評価する
  2. 浴室環境を評価した上で、利用者ごとの入浴計画を作成する

通所介護の場合、入浴介助加算(Ⅰ)は40単位ですが、(Ⅱ)はそれよりも多い55単位で算定できます。

対象サービス

入浴介助加算の対象サービスには通所介護、通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護があります。それぞれの単位数と算定要件は以下の通りです。

  • 通所リハビリテーション 
    入浴介助加算(Ⅰ)40単位/日
    入浴介助加算(Ⅱ)60単位/日

利用者の入浴計画の作成は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が医師との連携の下で行います。

  • 地域密着型通所介護 
    入浴介助加算(Ⅰ)40単位/日
    入浴介助加算(Ⅱ)55単位/日

利用者の入浴計画の作成は、看護師や理学療法士などの機能訓練指導員が医師との連携の下で行います。

  • 認知症対応型通所介護 
    入浴介助加算(Ⅰ)40単位/日
    入浴介助加算(Ⅱ)55単位/日

認知症対応型通所介護も地域密着型と同様に、機能訓練指導員によって入浴計画を作成します。

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入浴介助加算の単位数と算定要件

ここからは、入浴介助加算の単位数と算定要件についてご紹介します。

入浴介助加算(Ⅰ)の単位数と算定要件

入浴介助加算は、(Ⅰ)と(Ⅱ)の両方を同時に算定できません。そのため、入浴介助加算を算定するときはどちらか一方となります。

 入浴介助加算(Ⅰ)
単位数40単位/日
対象者要介護1〜5
算定要件 ・入浴中の利用者の観察(※)を含む介助を行う場合
・厚生労働省の入浴の施設基準(入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有している)を満たしていること
・通所介護計画に基づき、入浴介助を行うこと
・身体に直接接触する介助を行わなくても加算の対象となるため「見守り」でも加算対象となる
・入浴介助に必要な技術の更なる向上を図る観点から、入浴介助に関わる職員に対し、入浴介助に関する研修等を行うこと(令和6年度介護報酬改定で追加)

※この場合の「観察」とは、自立生活支援のための見守り的援助のことであり、利用者の自立支援や日常生活動作能力などの向上のために、極力利用者自身の力で入浴し、必要に応じて介助、転倒予防のための声かけ、気分の確認などを行うことにより、結果として、身体に直接接触する介助を行わなかった場合についても、 加算の対象となるものであること。

入浴介助加算(Ⅱ)の単位数と算定要件

入浴介助加算(Ⅱ)は(Ⅰ)の要件に加えて、利用者宅の浴室環境を評価し、その上で入浴計画を作成する必要があります。加算(Ⅱ)も(Ⅰ)と同様に、併算定ができません。

入浴介助加算は、(Ⅰ)と(Ⅱ)の両方を同時に算定できません。そのため、算定するときはどちらか一方となります。

 入浴介助加算(Ⅱ)
単位数55単位/日
対象者要介護1〜5
算定要件  ・厚生労働省の入浴の施設基準(入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有している)を満たしていること
・医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、介護支援専門員その他の職種の者(以下この号において「医師等」という。)が利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価していること
*人材の有効活用を図る観点から、医師等に代わり介護職員が訪問し、医師等の指示の下、ICT 機器を活用して状況把握を行い、医師等が評価・助言する場合も算定することが可能に
・浴室が利用者自身又はその家族等の介助により入浴を行うことが難しい環境にあると認められる場合は、訪問した医師等が、介護支援専門員又は福祉用具専門相談員と連携し、浴室の環境整備に係る助言を行うこと
・機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者(機能訓練指導員等)が共同して、利用者の居宅を訪問した医師等と連携し、利用者の身体の状況、浴室の環境等を踏まえて個別の入浴計画を作成すること
・入浴計画に基づき、個浴、その他の利用者の居宅の状況に近い環境で、入浴介助を行うこと

入浴介助加算(Ⅱ)についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎入浴介助加算(Ⅱ)とは|算定要件と単位数・計画書の書き方・ケアプランについて

清拭、シャワー浴、足浴のみを行うケースで算定できるかどうか知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎入浴介助加算の算定要件|通所介護で清拭・シャワー浴・足浴だけでも算定可能?

計画書の作成方法

入浴介助加算(Ⅰ)(Ⅱ)は共に通所介護計画書で対応ができますが、加算(Ⅱ)は要件に入浴計画書の作成が必要と記載されています。

入浴計画書は、機能訓練指導員が居宅訪問者と連携の下で作成します。その際、利用者ごとの身体状況や浴室環境を踏まえた上で詳細に計画書に記載することが大切です。

また、入浴計画に相当する内容を「通所介護計画書」に記載すれば、その書類を入浴計画書として扱うことも可能です。

通所介護計画書の作成手順や様式、記入例などについて知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎通所介護計画書の書き方|作成手順、記入例をわかりやすく紹介

計画書の様式例

前述の通り、利用者の入浴計画は通所介護計画書に記載することで作成に代えることが可能です。通所介護計画書で入浴介助加算(Ⅱ)を算定する場合、以下の欄に利用者の状態や浴室の環境などの情報を記入する必要があります。

  • 利用者の居宅の環境
  • 健康状態
  • ケアの上での医学的リスク(血圧・転倒・嚥下障害等)・留意事項

下記のページから、計画書のひな形をダウンロードできます。

▶︎令和3年度介護報酬改定について

厚生労働省が作成した通所介護計画書の記入例は、以下を参照してください。

入浴計画書に記載するべき情報

入浴計画書に記載すべき情報については、厚生労働省からは具体的な内容が示されていません。しかし、北海道旭川市の介護報酬改定のQ&Aでは、参考として以下のような入浴計画に関する記載情報が示されています。

入浴計画書の記載情報は、各自治体によって解釈や指導方針が異なる可能性があります。

そのため、地域ごとの自治体に問い合わせをして詳細を確認してください。

引用:令和3年度介護報酬改定におけるQ&A(vol.3) – 旭川市

入浴計画書を評価する頻度

利用者ごとの入浴計画の見直しや、入浴計画書の際評価をする頻度については、厚生労働省からは具体的な基準は明記されていません。

そのため、利用者の身体状況や浴室環境に変化がみられたときに再評価を行い、入浴計画を見直す必要があります。

身体状況や浴室環境が異なると、既存の入浴計画の目的やサービスの提供内容にズレが生じる可能性があるので、日々の変化に注意しましょう。

入浴介助加算の注意事項について

入浴方法には、様々な方法がありますが、入浴介助加算が算定できるのは「全身浴」と「全身シャワー浴」だけです。

体をタオルで拭く「清拭(せいしき)」は、入浴行為として認められていません。利用者の自立生活を支援するために、最適な方法が部分浴などである場合は入浴として認められます。

このことは、入浴介助加算の算定する上で重要ですので覚えていきましょう!

入浴介助加算が算定できる入浴方法

全身浴

全身浴とは、浴槽にお湯をためて体全体を浸す入浴方法です。これにより体が温まり、血行が良くなり、リラックス効果や疲労回復に効果的です。

全身シャワー浴

全身シャワー浴とは、浴槽に入らずにシャワーだけで入浴する方法です。全身浴よりも身体への負担が軽減されます。

算定できる入浴方法については、以下の記事に詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

デイサービスで清拭・シャワー浴・足浴だけでも入浴介助加算を算定可能か

入浴介助加算が算定できない入浴方法

利用者の自立生活を支援する上で最適と考えられる入浴手法が、部分浴(シャワー浴含む)等である場合は、入浴介助加算を算定可能とされているので、入浴介助の自立を支援するための方法となっているかを確認することが必要です。

清拭

清拭とは、入浴が難しい状況にある人に対して、身体の清潔を保つためにタオルや布を使用して身体を拭く方法です。温かいタオルで皮膚を拭くことにより、汗や汚れを取り除き、清潔を保ちます。清拭は特に、ベッドで生活する高齢者や病気などで動けない人に対して行われることが多く、清潔面だけでなく、血行促進や気分のリフレッシュにもつながります。

足浴

足浴とは何かについて説明する

足浴とは、足だけを温水やぬるま湯に浸けて洗う方法です。足を温めることで血行を促進し、疲労回復や冷え性の緩和に役立ちます。また、足の清潔を保ち、感染予防や皮膚トラブルの防止にも効果的です。足浴は特に、全身入浴が難しい場合や足のケアを重視する場合に実施されることが多いです。

入浴介助加算に関するQ&A

入浴介助加算(Ⅰ) の研修はどのような内容?

問 60 入浴介助に関する研修とは具体的にはどのような内容が想定されるのか。
(答)
・ 具体的には、脱衣、洗髪、洗体、移乗、着衣など入浴に係る一連の動作において介助 対象者に必要な入浴介助技術や転倒防止、入浴事故防止のためのリスク管理や安全管理 等が挙げられるが、これらに限るものではない。
・ なお、これらの研修においては、内部研修・外部研修を問わず、入浴介助技術の向上 を図るため、継続的に研修の機会を確保されたい。

引用:令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月 15 日) 

入浴介助加算(Ⅱ) の情報通信機器等を活用した訪問方法とは?

問 61 情報通信機器等を活用した訪問する者(介護職員)と評価をする者(医師等)が
画面を通して同時進行で評価及び助言を行わないといけないのか。
(答)情報通信機器等を活用した訪問や評価方法としては、必ずしも画面を通して同時進行で対応する必要はなく、医師等の指示の下、当該利用者の動作については動画、浴室の環境については写真にするなど、状況に応じて動画・写真等を活用し、医師等に評価してもらう事で要件を満たすこととしている。

引用:令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月 15 日) 

入浴介助加算(Ⅱ)の居宅とはどのような場所が想定される?

問 62 入浴介助加算(Ⅱ)は、利用者が居宅において利用者自身で又は家族等の介助により入浴を行うことができるようになることを目的とするものであるが、この場合の「居宅」とはどのような場所が想定されるのか。
(答) 利用者の自宅(高齢者住宅(居室内の浴室を使用する場合のほか、共同の浴室を使用する場合も含む。)を含む。)のほか、利用者の親族の自宅が想定される。なお、自宅に浴室がない等、具体的な入浴場面を想定していない利用者や、本人が希望する場所で入浴するには心身機能の大幅な改善が必要となる利用者にあっては、以下①~⑤をすべて満たすことにより、当面の目標として通所介護等での入浴の自立を図ることを目的として、同加算を算定することとしても差し支えない。
① 通所介護等事業所の浴室において、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士若しくは介護支援専門員又は利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員その他住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者が利用者の動作を評価する。
② 通所介護等事業所において、自立して入浴することができるよう必要な設備(入浴に関する福祉用具等)を備える。
③ 通所介護等事業所の機能訓練指導員等が共同して、利用者の動作を評価した者等との連携の下で、当該利用者の身体の状況や通所介護等事業所の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成する。なお、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって個別の入浴計画の作成に代えることができるものとする。
④ 個別の入浴計画に基づき、通所介護等事業所において、入浴介助を行う。
⑤ 入浴設備の導入や心身機能の回復等により、通所介護等以外の場面での入浴が想定できるようになっているかどうか、個別の利用者の状況に照らし確認する。
・ なお、通所リハビリテーションについても同様に取り扱う。
※ 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.8)(令和3年4月 26 日)問1の修正

引用:令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月 15 日

入浴介助加算(Ⅱ)の「住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者」とはどのような者か?

問 63 入浴介助加算(Ⅱ)について、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士若しくは介護支援専門員又は利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員その他住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者が利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価することとなっているが、この「住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者」とはどのような者が想定されるか。
(答)福祉・住環境コーディネーター2級以上の者等が想定される。なお、通所リハビリテーションについても同様に取扱う。
※ 令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.8)(令和3年4月 26 日)問2の修正。

引用:令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月 15 日

浴室環境の評価は定期的に行わなければいけない?

(問3) 入浴介助加算(Ⅱ)については、算定にあたって利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価することとなっているが、この評価は算定 開始後も定期的に行う必要があるのか。

(答)当該利用者の身体状況や居宅の浴室の環境に変化が認められた場合に再評価や個別の 入浴計画の見直しを行うこととする。

引用:「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A (Vol.8)(令和3年4月 26 日)厚生労働省

居宅状況に近い環境での入浴介助の具体例は?

(問4) 入浴介助加算(Ⅱ)では、個別の入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行うこととなっているが、この場合の入浴介助とは具体的にどのような介助を想定しているのか。

(答)利用者の入浴に係る自立を図る観点から、入浴に係る一連の動作のうち、利用者が自身の身体機能のみを活用し行うことができる動作については、引き続き実施できるよう見守り的援助を、介助を行う必要がある動作については、利用者の状態に応じた身体介助を 行う。なお、入浴介助加算(Ⅱ)の算定にあたっての関係者は、利用者の尊厳の保持に配慮し、その状態に応じ、利用者自身で又は家族等の介助により入浴ができるようになるよう、 常日頃から必要な介護技術の習得に努めるものとする。

<参考:利用者の状態に応じた身体介助の例>

※ 以下はあくまでも一例であり、同加算算定に当たって必ず実施しなければならない ものではない。

引用:「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A (Vol.8)(令和3年4月 26 日)厚生労働省

大浴槽で利用者の居宅の浴室環境を再現することは問題ない?

(問5) 入浴介助加算(Ⅱ)については、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境(手すりなど入浴に要する福祉用具等を活用し利用者の居宅の浴室の環境を個別に模したも の)にて、入浴介助を行うこととなっているが、例えばいわゆる大浴槽に福祉用具等を設置すること等により利用者の居宅の浴室の状況に近い環境を再現することとしても 差し支えないのか。

(答)例えば、利用者の居宅の浴室の手すりの位置や浴槽の深さ・高さ等にあわせて、可動式 手すり、浴槽内台、すのこ等を設置することにより、利用者の居宅の浴室の状況に近い環 境が再現されていれば、差し支えない。

引用:「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A (Vol.8)(令和3年4月 26 日)厚生労働省

同一事業所で入浴介助加算(Ⅰ)(Ⅱ)を算定する者が混在しても問題ない?

問6 同一事業所において、入浴介助加算(Ⅰ)を算定する者と入浴介助加算(Ⅱ)を算定 する者が混在しても差し支えないか。また、混在しても差し支えない場合、「指定居宅 サービスに要する費用の額の算定に関する基準、指定居宅介護支援に要する費用の額 の算定に関する基準、指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準、指定 介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準、指定介護予防支援に要する 費用の額の算定に関する基準、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関 する基準及び指定地域密着型介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準 の制定に伴う介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について」 (平成 12 年3月8日老企第 41 号)に定める「介護給付費算定に係る体制等状況一覧 表(居宅サービス・施設サービス・居宅介護支援)」等はどのように記載させればよい か。

(答)前段については、差し支えない。後段については、「加算Ⅱ」と記載させることとする。 (「加算Ⅱ」と記載した場合であっても、入浴介助加算(Ⅰ)を算定することは可能である。)

引用:「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A (Vol.8)(令和3年4月 26 日)厚生労働省

入浴介助時の留意点

入浴介助時の留意点をいくつか解説します。

声かけを徹底する

入浴介助の際は、利用者が不安や驚きを感じないように、常に声をかけて状況を説明しましょう。「お湯は熱くないですか?」「これから体を洗いますね」など、次の動作をしっかりと伝えることで安心感を与え、協力を得やすくなります。利用者が心地よく入浴できるよう、気持ちに寄り添った声かけを心掛けましょう。

危険予知を徹底する

浴室は転倒などの事故が起きやすい場所です。つまずきそうなものが床にないか、滑りやすい場所がないかを事前に確認し、転倒防止マットを敷くなどの安全対策を徹底しましょう。また、入浴後は床の水分をしっかり拭き取るなど、後のケアも重要です。危険を未然に防ぐための環境整備が事故のリスクを大幅に減少させます。

プライバシーに配慮する

入浴介助を行う際は、利用者のプライバシーを尊重することが重要です。たとえ介助者が家族であっても、裸を見られることに対して抵抗を感じる方が多いため、タオルを使って体を部分的に隠しながら介助を進めるなど、細やかな配慮が必要です。カーテンや仕切りを利用して、他の人の視線を遮る工夫をすることで、利用者が安心して入浴できる環境を整えることができます。利用者が気持ちよく入浴できるよう、プライバシー保護に細心の注意を払いましょう。

急激な温度変化を避ける

特に冬場など、浴室と脱衣所の温度差が大きいとヒートショックの危険が高まります。ヒートショックとは、急な温度変化により血圧が変動し、心臓や血管に負担がかかる現象です。浴室や脱衣所を事前に温めておくことや、利用者が急激な温度変化を感じないようにすることで、リスクを大幅に減らすことができます。

抑えておこう!デイサービスにおける入浴中止基準

デイサービスにおける一般的に言われていることが多い入浴中止基準は以下の通りです。

血圧の異常

入浴前の血圧が収縮期160mmHg以上、または拡張期100mmHg以上の場合、入浴事故のリスクが高まります。このため、血圧が高い場合には入浴を中止することが推奨されますが、個々の体調や日々の変化を考慮し、状況に応じた判断が重要です​。

体温が高い場合

体温が37.5℃以上の場合は、感染症や他の体調不良のサインとして考えられるため、入浴は避けるべきです。しかし、利用者ごとの基礎体温の違いもあるため、単純に数値だけで判断するのではなく、個々の健康状態に基づいた柔軟な対応が必要です​。

このように、数値や一般的な基準だけに頼るのではなく、利用者ごとの体調や日常の変化を見極めて対応することが重要です。ただ単に全員に同じ基準を適用するのではなく、個別のケースに合わせた柔軟な判断が求められます​。

利用者ニーズを把握し、適切な入浴介助加算の算定を

令和6年度の介護報酬改定後の入浴介助加算についてご紹介しました。

入浴介助加算(Ⅱ)は(Ⅰ)に加えて入浴計画書の作成が必要なので、今回のポイントを押さえながら記載することが大切です。

加算(Ⅱ)は入浴の場面でも自立を促し、動作の改善・維持に努めるためには重要な介護報酬です。要件や作成方法をおさえつつ、ぜひ加算(Ⅱ)の算定を始めてみましょう。

スムーズに入浴介助を行うための準備と一般浴や機械浴の介助のポイントについて知りたい方は、下記の記事をご一読ください。
▶︎入浴介助マニュアル!手順と8つの注意点と時短のポイント

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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