個別機能訓練計画書|効率的な作成方法・おさえるべきポイントとは
介護保険法
2024/11/06
介護保険法
個別機能訓練加算
更新日:2024/05/10
この記事では、個別機能訓練計画書の様式の基本情報に着目して作成方法や記入例をご紹介します。個別機能訓練計画書の基本情報の項目の内容は、作成日や期間、生活課題、希望、日常生活自立度などデイサービスの個別機能訓練加算を算定する上で必須の項目です。これから初めて個別機能訓練計画書を作成される方は、ぜひ最後までご覧ください。
個別機能訓練計画書とは、デイサービスなどの事業所に在籍する機能訓練指導員が中心となって作成する計画書書類です。この計画書では、ご利用者様の身体状況や希望、自宅環境などを考慮して目標設定・プログラムの立案をしていきます。また、ご本人やご家族への説明、同意書としても活用する大切な書類です。
個別機能訓練計画書は、個別機能訓練加算Ⅰ・個別機能訓練加算Ⅱを算定するために必須となる計画書です。こちらの計画書を作成することでデイサービス(通所介護)などの介護事業所で、個別機能訓練加算を算定することができます。
【個別機能訓練加算の単位数】
関連記事 個別機能訓練加算とは? 個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱの算定要件から実践プログラムまでまとめて解説します。 |
個別機能訓練計画書の作成期間は、開始時および3ヶ月ごとに1回以上とされています。こちらは3ヶ月に1回以上、評価を行った上で個別に作成していかなくてはなりません。
▼初めて個別機能訓練計画書を作成する方は、まずはこちらの記事からご覧いただくことをオススメします!
個別機能訓練計画書の書き方について 個別機能訓練計画書の書き方|はじめて作成する人のための4つの指針! 個別機能訓練加算Ⅰ・Ⅱを算定するために必要な個別機能訓練計画書の書き方を丁寧に解説します。 |
では、個別機能訓練計画書の中でもご利用者様の基本情報の記載項目についてご紹介します。
このように意外にも項目数が多いのが個別機能訓練計画書の基本情報になります。
これらの項目は、ケアマネジャーから頂く「ケアプラン(居宅サービス計画書)」と、平成27年度より必ず実施することになった「利用者宅への居宅訪問」によるご本人・ご家族からの情報収集から記載していきます。
個別機能訓練計画書の基本情報を書く場合は、「ケアプランからの情報収集」と「居宅訪問からの情報収集」の2つがポイントとなります。
基本情報を記載する場合は、この2つの情報収集から記載できる項目を理解していきましょう!
【ケアプランからの情報収集で記載できる項目】
1.作成日
2.計画作成者
3.介護認定
4.スタッフ名
6.障害高齢者の日常生活自立度
7.認知症高齢者の日常生活自立度
8.健康状態(疾患名、既往歴)
9.医学的のリスク(合併症、運動時のリスク)
【居宅訪問からの情報収集で記載できる項目】
5.本人・家族の希望
10.生活課題・住宅環境
ではここからは、個別機能訓練計画書の基本情報の各項目の書き方や記載例について解説します。
まず、作成日は「初回作成」と「2回目以降の作成」の2パターンがあります。
【作成日の書き方】
※作成日は、必ずサービス提供日よりも前の日にちであることが必須です。
【作成日の記入例】
令和6年4月2日
次に、個別機能訓練計画書の中でも計画作成者の書き方についてご紹介します。
計画作成者は、主に担当の機能訓練指導員の名前を記載します。事業所によっては、計画作成者を作成責任者としていることも多いようです。
【計画作成者の記入例】
東京 太郎(機能訓練指導員)
▼機能訓練指導員とはどのような職種か知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
関連記事 機能訓練指導員とはどんな職種? 機能訓練指導員について主な仕事内容から職種別の特徴についてご紹介します。 |
次に、個別機能訓練計画書の介護認定の書き方について解説します。
介護認定は、要介護度(要介護1〜要介護5)を記載します。こちらはケアプラン(居宅サービス計画書)に記載されているものを参考にしましょう。
また、申請中で認定結果が出ていない場合は「申請中」と記載します。
【要介護認定の記入例】
要介護2
▼要介護認定の区分から認定有効期間など詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
関連記事 要介護認定とは? 要介護認定の認定区分から認定有効期間、申請方法まで簡単にご紹介します。 |
次に、個別機能訓練計画書のスタッフ名の書き方について解説します。
スタッフ名については説明するまでもありませんが、個別機能訓練に携わる管理者・看護・介護・機能訓練・相談員の名前を計画書のスタッフ名の欄にそれぞれ記載します。
この記載は、個別機能訓練加算が他職種間での相談の上で計画を立案し、実施していることを指しているため記載のもれがないように注意しましょう。
次に、個別機能訓練計画書の中でも本人・家族の希望の書き方について解説します。
個別機能訓練計画書における本人・家族の希望では、居宅訪問での情報収集の内容を記載していきます。本人の希望に関しては、厚生労働省より「興味・関心チェックシート」が推奨されています。
個別機能訓練計画書の希望・要望を作成するために、いきなり本人に「どんなことがしたいか」と希望を聞いても具体的な目標はなかなか出てきません。このような場合に、ご高齢者の持つ興味や関心を引き出す方法として興味・関心チェックシートは役立ちます。
【本人の希望の記入例】
【家族の希望の記入例】
▼本人・家族の希望を聴取する際に役に立つ「興味・関心チェックシート」について詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
関連記事 個別機能訓練加算に役立つ!居宅訪問のチェックポイントとは? 個別機能訓練計画書の作成に役立つ「興味・関心チェックシート」の活用方法についてご紹介します。 |
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次に、個別機能訓練計画書の「障害高齢者の日常生活自立度」の書き方について解説します。
障害高齢者の日常生活自立度は、その名の通り、ご高齢者の日常生活の自立度を「生活自立=Jランク」「準寝たきり=Aランク」「寝たきり=BランクまたはCランク」の4段階で評価する指標です。
この自立度を記載する場合は、かかりつけ医や入院先の医療機関で判定された評価がケアプラン(居宅サービス計画書)に記載してあります。この情報から4つの区分のうち、いずれかを個別機能訓練計画書に記載します。
【障害高齢者の日常生活自立度の記入例】
ランクB
▼障害高齢者の日常生活自立度の各段階とはどんな生活レベルなのか知っていますか?詳しくはこちらの記事でご紹介しています。ぜひ一度ご覧ください。
関連記事 障害高齢者の日常生活自立度とは|評価初心者でも分かる判定基準 紹介高齢者の日常生活自立度の評価項目や判定基準、具体的な生活レベルについて分かりやすく解説します。 |
次に、個別機能訓練計画書の認知症高齢者の日常生活自立度の書き方について解説します。
認知症高齢者の日常生活自立度とは、高齢者の認知症のレベルについて日常生活の自立度を「Ⅰランク」「Ⅱランク」「Ⅱaランク」「Ⅱbランク」「Ⅲランク」「Ⅲaランク」「Ⅲbランク」「Ⅳランク」「Mランク」の9段階で評価する指標です。
この自立度もケアプアン(居宅サービス計画書)に記載されているので、そちらを参考に記載していきましょう。
【認知症高齢者の日常生活自立度の記入例】
ランクⅡa
▼認知症高齢者の日常生活自立度をただ書き写すだけでなく、各段階の認知症の程度についても学んでみませんか?詳しくはこちらの記事で解説しています。
関連記事 認知症高齢者の日常生活自立度とは|評価初心者でも分かる判定基準 認知症高齢者の日常生活自立度について各ランクの判定基準についてご紹介します。 |
次に、個別機能訓練計画書の中でも「健康状態(疾患名・既往歴)」の書き方について解説します。
健康状態は、ケアプラン(居宅サービス計画書)より記載されている「疾患名」または「主病名」、「既往歴(きおうれき)」などの医学的情報を記載します。
既往歴(きおうれき)という言葉が聞き慣れない方も多いのではないでしょうか?
既往歴とは、これまでにかかった、かかったことのある病気や手術などの診療の記録を指します。
【健康状態(疾患名、既往歴)の記入例】
脳梗塞、心筋梗塞、右上腕骨骨折、脊柱管狭窄症、パーキンソン病
高血圧症(HT)、脳梗塞後遺症、脂質異常症(高脂血症)など
続いて、個別機能訓練計画書の中でも「医学的リスク」の書き方について解説します。
医学的リスクでは、「運動時のリスク」などを記載します。
運動時のリスクとは、「もともとの病気が原因で起こる運動時のリスク」と「手術後の影響で起こる運動時のリスク」を指します。
主にケアプラン(居宅サービス計画書)に詳細が記載されていますので必ず確認しておきましょう。また、記載がない場合は、ケアマネジャーに相談し、主治医やかかりつけ医から指示をいただくようにしておきましょう。
【医学的リスク(運動時のリスク)の記入例】
▼医学的リスク(運動時リスク)の重要性について
医学的リスク(運動時のリスク)は、運動や体操、生活リハビリなどの機能訓練を行う場合に、運動強度などの安全な運動範囲を示してくれる大事な指標です。
デイサービスなどの介護事業所では、医師が在籍していることはありません。そのため、事前に細かな指示をいただいておくと安心して機能訓練を行うことができるのです。
これまでご紹介したように個別機能訓練計画書の基本情報は、基本的にケアプラン(居宅サービス計画書)の情報をもとに作成していきます。
しかしながら、「本人・家族の希望」の項目は、スタッフが本人または家族に情報収集を行った上で記載する項目となっています。基本情報では、特にこの項目の書き方についてを抑えておくことがポイントとなります。
個別機能訓練計画書は、本人またはご家族に説明・同意書として活用する大切な書類です。今回の記事を参考に計画書の正しい書き方を学び、計画書をスムーズに書けるようになっていただければ幸いです。
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