個別機能訓練計画書|効率的な作成方法・おさえるべきポイントとは
介護保険法
2024/11/06
介護保険法
個別機能訓練加算
更新日:2024/11/05
機能訓練は、デイサービスで提供されているサービスの一つです。住み慣れた地域や自宅で生活が送り続けられるように、利用者の状態に合わせた機能訓練を行います。この記事では、デイサービスにおける機能訓練の内容や、具体的なシチュエーションに合わせた機能訓練メニューなどをご紹介していきます。
この記事の目次
機能訓練とは「高齢者の身体的機能の維持・改善を目的とした訓練」のことで、通所介護(デイサービス)をはじめとした介護サービスで提供するものです。自宅や地域で安全に生活ができるように、個々の身体状況や目標に合わせてメニューを作成します。
機能訓練メニューには、「利用者ごとの身体機能や生活機能の維持・向上を目的とした個別のプログラム」や「疾病・疾患の予防を目的とした集団のプログラム」などがあります。
指定の算定要件を満たして機能訓練を提供したデイサービスにおいては、個別機能訓練加算(Ⅰ)イ(56単位/日)や加算(Ⅰ)ロ(76単位/日)の算定ができます。
個別機能訓練加算(Ⅰ)の訓練内容に関する算定要件では、以下のように説明されています。
身体機能及び生活機能の向上を目的とする機能訓練項目を柔軟に設定。訓練項目は複数種類準備し、その選択にあたっては利用者の生活意欲が増進されるよう利用者を援助する。
引用:令和6年度介護報酬改定の主な事項について (2024年6月9日確認)
利用者のニーズを聴取し、身体機能やADLの状態、家屋状況も考慮した上で、機能訓練メニューを設定することが大切です。
そのためには利用者ごとに細かく評価したうえで、機能訓練プログラムを作成する必要があります。
また、機能訓練は個別だけでなく、5人程度の以下のグループに分けて実施することも可能です。
ADLの評価方法について知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎ADLの評価方法とは|介護・看護・医療で把握する目的・項目や書き方を徹底解説
デイサービスでは、さまざまな道具を活用しつつ機能訓練を行うことが大切です。
ここでは道具を活用した訓練メニューの内容についてご紹介します。
タオルを活用した訓練メニューをご紹介します。
【①体幹をほぐす運動】
体幹周りの筋肉をほぐす運動です。
余裕がある方は立った状態で行ってみましょう。
【②足の体重を活かした腕の運動】
腕の筋力トレーニングです。
持ち上げるのが難しい方は自分で足を上げて重さを調整してみましょう。
膝裏が痛まないように、タオルを広げて接地面積を広くすれば膝裏が痛みにくくなります。
【③ふくらはぎの筋肉のストレッチ】
足関節を柔軟にするためのストレッチです。
このときに、つま先を身体に引き寄せるようにタオルを引くと、ふくらはぎがストレッチされやすくなります。
セラバンド(ゴムバンド)を活用した訓練メニューは以下の通りです。
【①手を前に出す運動】
座った状態で手を安定して前に出せるようにする運動です。
【②手を上げる運動】
手を上げるための筋力をつけるための運動です。
【③足を開く運動】
足の外側の筋肉を鍛える運動です。
縛ったときのセラバンドのゆとりを調節すれば抵抗の強さを変えられます。
セラバンドを使った機能訓練についてさらに知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎高齢者がセラバンドで筋トレ!上半身の筋肉をつける方法【11選】
▶︎セラバンドトレーニング 全12種|寝たままできる下半身の鍛え方とは
セラプラスト(リハビリ用粘土)を活用した訓練メニューは以下の通りです。
【①握る運動】
手全体の握力を高めるための運動です。
ものを掴んで離さないようにするためには握力をつけることが大切です。
【②つまむ運動】
指の握力を高めるための運動です。
スプーンや小物などを落とさずに持つときに指の筋力が必要です。
セラプラストを使用した機能訓練についてさらに知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎セラプラストを使用した手指のリハビリプログラム 【全14種】
デイサービスでは日常生活に必要な身体機能を改善するための訓練を行います。
ここでは、生活機能の改善を目的とした訓練内容についてご紹介します。
ここでは誤嚥予防を目指したメニューについてご紹介します。
【①口を動かす運動】
口の動きをスムーズにして、食べ物を噛んだり飲み込みやすくしたりする運動です。
【②舌を動かす運動】
舌の動きをスムーズにして、食べこぼしを防ぐための運動です。
【③声を出す運動】
声を出して口や舌を同時に動かせるようにするトレーニングです。
誤嚥性肺炎の予防法について知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎誤嚥性肺炎の予防法 高齢者に効果的な口腔機能のトレーニング方法
ここでは立ち上がり動作を獲得するためのメニューについてご紹介します。
【①身体を前に出す運動】
立つときに身体を傾けて重心を前に移動させる運動です。
身体を前に出すのが怖い方は、杖を使用して行うのもおすすめです。
【②手すりを利用した立ち上がり運動】
手すりを使用した状態で立ち上がりを反復し、下肢の筋肉を鍛えるトレーニングです。
このときに手すりを引っ張らず、軽く支える程度にしておきましょう。
ここでは食事動作の獲得を目指したメニューをご紹介します。
【①箸を使用する訓練】
実際に箸を使用して、食事に似た動作を獲得するための訓練です。
【②体幹を安定させる運動】
食事の際に姿勢が崩れないように、体幹を安定させるための運動です。
姿勢が崩れたまま食事をすると誤嚥を引き起こす恐れがあるので、長時間座っていても疲れないような筋力と体力が必要です。
食事動作の機能訓練についてさらに知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎食事動作の訓練内容・リハビリ方法|自分で摂取するための機能訓練プログラム
ここでは、認知症予防を目的とした訓練メニューについてご紹介します。
【①計算問題】
計算問題では「+」や「−」だけでなく、「×」と「÷」も含んでいるものが望ましいです。
【②間違い探し】
このような頭を使った機能訓練で認知症の予防を図ります。
パーキンソン病に対するリハビリを知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎パーキンソン病に対するリハビリ:訓練手順と目的・必要な機能とは
デイサービスで提供する機能訓練サービスは、高齢者が住み慣れた地域や自宅で生活を送り続けるための大切な取り組みの一つです。
近年の介護報酬改定では、高齢者の自立支援につながる機能訓練を提供している事業所を積極的に評価していくADL維持等加算も注目されています。
今後、高齢者の割合が増えていくにつれ、運動を行って身体機能を維持・向上させる取り組みの重要度が高まっていくと考えられます。
高齢者がいつまでも健康で過ごせるように、機能訓練を積極的に行って自立支援につなげていきましょう。
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