バイタルチェックとは?デイサービスで利用する項目・測定手順を解説

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更新日:2024/04/26

バイタルチェックとは介護施設や医療機関において、利用者・患者のバイタルサインを測定し異常がないかを確認することです。デイサービスでは利用者が事業所に到着すると、手洗い・うがいを済ませた後、バイタルチェックを行います。ここでは、デイサービスで行われるバイタルチェックの内容や項目、手順などを紹介していきます。

バイタルチェックとは

バイタルチェックとは、バイタルサインと呼ばれる「脈拍・呼吸・血圧・体温・意識レベル」等の測定を行うことを指します。バイタルチェックをすることで、客観的な指標をもとに利用者の健康状態を把握でき、安全に介護サービスを提供できるでしょう。

デイサービスでも医療機関と同様の項目でバイタルサインの確認を行い、利用者が入浴や機能訓練などのサービスを安全に受けられるかどうかを判断します。

バイタルサインを測定する方法や手順については、測定する項目や測定に使用する機器によって異なります。ただし、利用者に触れて測定するため、以下の点に気をつけて対応しましょう。

  • 事前準備
  • 測定手順の把握
  • 声かけ

日常生活ではほとんど使用しない機器に触れるケースもありますので、説明しながら安心してバイタルチェックを受けていただけるように意識しましょう。

バイタルチェックを行う理由と目的

 デイサービスでバイタルチェックは、利用者の健康状態の把握と身体機能の変化の確認を目的に行われます。

利用者の健康状態を把握することは、適切なサービスの提供につながるだけではなく、異常所見の早期発見や早期対応につながる重要な役割を果たしています。

デイサービスを利用される高齢者は、体調変化に伴う自覚症状を感じにくく、周囲にうまく伝えることが難しい場合も少なくありません。

バイタルチェックを行うことで、体調悪化の徴候を初期段階のうちに発見し対処することができるでしょう。

バイタルチェックを行うべきシュチュエーション  

デイサービスでバイタルチェックを行うタイミングは、利用者ごとの健康状態や介護計画に応じて異なる場合があります。

必要に応じて担当のケアマネジャーや医療機関との連携を図りながら、適切なタイミングで実施することが求められます。

バイタルチェックを行うシチュエーションとして、以下にいくつかの例をあげましたのでご参考ください。

①新規利用者の受け入れ時

デイサービスで新たに利用を開始する利用者に対しては、初回の受け入れ時にバイタルチェックを実施もしくは平時のバイタルサインの共有をすることが望ましいでしょう。

平時のバイタルサインを把握することが、利用者の基本的な健康状態や体調の把握につながります。サービス提供にあたっての適切な健康管理へとつなげましょう。 

②自宅へお迎えに伺うとき

利用者の自宅へ訪問した際にバイタルチェックを行い、デイサービスへとお連れできる状態なのかを判断します。

新型コロナウィルスを含む感染症予防対策の観点から、訪問時の検温やその他自覚症状の確認は重要です。

③デイサービス事業所へ来所されたとき

利用者がデイサービス事業所へ到着された際に、安定した状態でサービスを提供できるかを確認します。

来所時の移動や会話などの活動がバイタルサインに影響を与える可能性があるため、来所直後に全てのバイタルチェックを行うのではなく、数分間落ち着いた後に安静時の血圧や脈拍、呼吸数等の確認をするのが望ましいでしょう。

④入浴や機能訓練を行うとき

来所後のバイタルチェックで再検が必要と判断された場合は、特に入浴や機能訓練などの身体的な負担がかかる活動を行う前後にバイタルチェックを行う必要があります。

バイタルサインに異常のある状態で体に負荷のかかるサービスを行った場合、体調不良につながる可能性があります。

利用者が無理のない状態でサービスを受けることができるよう、バイタルチェックを行い体調管理に努めるようにしましょう。

⑤利用者の体調変化が認められたとき

利用者の体調に変化がある場合(例:発熱、呼吸困難、意識レベルの低下など)、速やかにバイタルチェックを行い、看護師を中心に状況を把握し適切な対応を行います。

急変や転倒などの緊急時の状況では、迅速な対応が求められます。 

⑥投薬の前後(必要に応じて)

利用者に投薬を行う前後に、投薬の影響や体調の変化を確認するためバイタルチェックが行われる場合もあります。(例:血糖測定後のインスリン注射など)

血糖値などは薬を管理する上で重要な指標になります。医師の指示等を十分に確認して対応する必要があるでしょう。

以下の記事では意識消失した場合の対処について解説しています。ぜひ参考にしてください。
意識消失時に行うべき介護職の対応とは|介護の緊急時の対応・マニュアル整備

測定時に気を付けたい点

 バイタルチェックを行う際には、以下の点に気をつける必要があります。5つの視点からまとめましたのでご参考ください。 

①数値だけで判断しない

バイタルチェックの結果は1つの数値だけで判断せず、複合的に把握し、利用者の全体的な状態を理解することが重要です。

さらに利用者の表情や様子、呼吸のリズムなどにも注目し、バイタルサインの数値だけではなく利用者の声や自覚症状等にも注意を向けましょう。

②利用者へ声かけをする

バイタルチェックの前後では、利用者とのコミュニケーションを大切にしましょう。

測定の目的や手順を丁寧に説明し、利用者に安心感を与えるよう配慮する必要があります。

また、測定中に不快感や異常を感じた場合には利用者へ確認を行い、適切な対応へとつなげましょう。

③測定環境を確保する

正確な結果を得るためには、静かで落ち着いた環境が必要です。

測定中は周囲の騒音や刺激を最小限に抑え、利用者がリラックスできる状況を作りましょう。

興奮してしまうような環境でバイタルサインを測定すると、正確な数値が測定できない可能性があります。

④測定器具を適切に使用する

バイタルチェックに使用する器具は適切に使用する必要があります。器具を適切に使用せずに測定した場合、正確な数値が表示できない可能性があるでしょう。

また、測定器具の定期的なメンテナンスを行い、器具の清潔さや保管場所の整理整頓にも留意しましょう。

⑤異常値への対応を確認しておく

数値の異常に加えて利用者の体調変化が確認できる場合、看護師を中心に迅速な対応が求められます。

救急対応が必要な場合も考えられるため、緊急事対応マニュアルなどを定期的に確認しておくと良いでしょう。

異常値が検出されても体調変化が確認できないケースの場合、看護師等の医療専門職の協力を得ながら対応するようにしましょう。

以下の記事ではADLに関することを紹介しています。こちらもぜひご一読ください。
ADLの評価方法とは|介護・看護・医療で把握する目的・項目や書き方を徹底解説

デイサービスでバイタルチェックを行う人は?

デイサービスでバイタルチェックを行うのは、一般的に医療職である看護師が担当することが多いでしょう。

看護師は医療知識やバイタルサインの測定方法について専門的な学習を積んでおり、測定結果から利用者の健康状態を適切に評価することができます。

一方、デイサービスの事業所によっては看護師以外の職種(介護福祉士、機能訓練指導員、生活相談員など)がバイタルチェックを行っている場合もあります。

平成28年に厚生労働省から発出された「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」では、バイタルチェックを含む複数の行為について行える職種とその範囲について明記されています。

上記の通知にて、一部の条件を除いた体温測定・血圧測定・脈拍測定・動脈血酸素飽和度測定は、医療行為には含まれないため看護師以外の職種でも実施可能とされています。

ただし「血糖の測定」は看護師以外の職種は行うことができません。令和4年に発出された「医師法第 17 条、歯科医師法第 17 条及び保健師助産師看護師法第 31 条の解釈について (その2)」の中に明記されています。

血糖測定をするためには指先など体内に針を刺す必要があり、医療行為とみなされてしまうため、医療行為を行える医師や看護師、もしくは本人が実施する必要があります。

バイタルチェックに限らず、その行為が医療行為であるかを迷う場合は、自己判断をしないで上司や専門職へ相談しましょう。

参考:「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)
参考:「医師法第 17 条、歯科医師法第 17 条及び保健師助産師看護師法第 31 条の解釈について (その2)

使う道具によって看護師以外NGがあるので注意

バイタルチェックの際に使う道具によっては「医行為」にみなされ、看護師以外は使用できないケースがあるので注意しましょう。

医療行為は法律上「医行為」と呼ばれます。医行為は、医師資格を持つ人にしか行うことができない絶対的医行為と、医師以外の人でも行うことができる相対的医行為の2つに分類されます。

絶対的医行為は医師によって実施されるものであり、その他の職種は行えません。一方、相対的医行為はデイサービスの看護師も状況によっては可能な場合があります。

たとえば、バイタルチェックの特定の行為については、看護師以外の対応が制限されています。

医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)における解釈によると、血圧測定に関して「自動血圧測定器により血圧を測定すること」は看護師でなくとも対応が認められるとされています。一方「水銀血圧計を使用する場合」については、看護師以外の職種が対応することはできません。

水銀血圧計を使用するには測定技術を要し、専門的な看護師の知識や技術が求められるため医行為とみなされます。

医行為は医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)によって「当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)」と定義されています。

つまり、人体に危害を及ぼすおそれのある行為であれば医行為とみなされる可能性があるため、注意が必要ということです。

医行為とみなされる行為は非常に多いため、「医行為以外の医療補助行為」を確認するのが良いでしょう。それについては医師以外の職種が実施することができ、看護師のみに限られません。

反対に「医行為以外の医療補助行為」の範囲を超える行為については、医行為とみなされるため、医師や看護師でないと実施できません。

「医行為以外の医療補助行為」は以下が代表例として挙げられます。

  • 水銀体温計・電子体温計により腋下で体温を計測すること
  • 自動血圧測定器により血圧を測定すること
  • 軽微な切り傷、擦り傷、やけど等について、専門的な判断や技術を必要としない処置をすること(汚物で汚れたガーゼの交換を含む。)

さらに、原則として以下の行為も「医行為以外の医療補助行為」として判断しません。

  1. 爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、その爪を爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけすること
  2. 重度の歯周病等がない場合の日常的な口腔内の刷掃・清拭において、歯ブラシや綿棒又は巻き綿子などを用いて、歯、口腔粘膜、舌に付着している汚れを取り除き、清潔にすること
  3. 耳垢を除去すること(耳垢塞栓の除去を除く)
  4. ストマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てること。(肌に接着したパウチの取り替えを除く。)
  5. 自己導尿を補助するため、カテーテルの準備、体位の保持などを行うこと
  6. 市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器(※)を用いて浣腸すること

※挿入部の長さが5から6センチメートル程度以内、グリセリン濃度50%、成人用の場合で40グラム程度以下、6歳から12歳未満の小児用の場合で20グラム程度以下、1歳から6歳未満の幼児用の場合で10グラム程度以下の容量のもの

ただし、病状が不安定であり、専門的な管理が必要な場合には医行為とみなされる場合があるので注意しましょう。医行為とみなされる場合、医師や看護師の対応が必要となります。

細かく例を挙げましたが「使う道具」によって制限されるケースがある上、爪切りのような一般的に使われる道具を使用する場合であっても、状況によっては医行為とみなされてしまいます。

「人体に危害を及ぼすおそれのある行為であれば医行為とみなされる」ため、ルールを遵守していきましょう。

詳しくは「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」をご参考ください。

デイサービスで利用する項目・書き方・基準値

バイタルチェックの測定項目は、主に以下の5つがあげられます。それぞれの項目で測定方法や記録の記載方法、基準値などを説明しますので、ご参考ください。

脈拍数

脈拍は測定する前後の活動や姿勢により、数値が変動しやすいとされています。たとえば、姿勢の変化では、仰臥位→座位→立位の順に脈拍数が増えやすいため、意識して対応すると良いでしょう。

機器を使用して測定することもできますが、機器を使用しない場合には橈骨動脈や総頸動脈を触知して測ります。

以下に基準値や測定方法などを紹介しますのでご参考ください。

【基準値】

  • 50〜80回/分
  • 1分間に50回未満の場合は、徐脈。
  • 1分間に100回以上の場合は、頻脈。

【測定方法:橈骨動脈触知の場合】

  1. 椅子や車椅子に腰掛け、安静位をとる。
  2. 橈骨動脈に検査者の人差し指、中指、薬指を揃えて当てる。
  3. 1分間の脈拍数を数える。

【測定時の注意点】

  • 不整脈や脈拍欠損がある利用者には、動脈触知の方法で左右差についても確認する。
  • 橈骨動脈で拍動を感じ取りにくい場合は、総頸動脈で測定する。

高齢者の中には、不整脈や脈拍欠損がみられる方も少なくありません。脈拍数だけでなく脈拍の乱れやリズム、強弱なども合わせて確認することが望ましいでしょう。

呼吸数

呼吸数は呼息と吸息をワンセットとして数えます。上下する胸腹部をみながら1分間、「呼吸の回数」と「呼吸の仕方」を確認します。以下に基準値や測定方法などを紹介しますのでご参考ください。

【基準値】

14〜20回/分

【測定方法】

①リラックスできる姿勢で過ごしてもらう。

②呼吸を確認することは伝えずに1分間観察を行う。

③観察を行った後、呼吸についての自覚症状を確認する。

【測定時の注意点】

・呼吸測定を意識させないように配慮する。

・咳や顔色、痰、胸苦感、口唇色不良の有無などの観察も行う。

さらに、呼吸を観察するときには、以下の3点に注意するようにしましょう。

  • 呼吸時に異音を発していないか
  • 苦しそうではないか
  • 胸の動きに明らかな左右差はないか

呼吸の仕方では口呼吸か鼻呼吸かだけではなく、肩を使った呼吸になっていないか、頸部の努力性はないかなどを確認することも重要です。

普段と違った様子がないか観察することが大切です。

体温

検温を行う際には、利用者個人の平熱を把握しておき、その数値に対しての上下で体調を見極めることが必要です。以下に基準値や測定方法などを紹介しますのでご参考ください。

【基準値】

  • 36.0〜36.9℃

【測定方法:腋窩検温法の場合】

  1. 椅子や車椅子に腰掛ける。
  2. 脊柱に対して30〜45°程度になるよう腋窩に差し込む。
  3. 腋窩動脈へ当たる位置に調整する。
  4. 検温中は検査者が押さえるか、被験者に反対側の手で押さえてもらう。

【測定時の注意点】

  • 腋窩が発汗してないことを確認する。
  • 体温計と皮膚をしっかりと密着させる。
  • 衣服や寝具によるこもり熱にも注意する。
  • 個人差があるため、平常時の体温を把握しておく。

体温の基準値は、36.0〜36.9℃の間とされていますが、個人差があるため注意しましょう。

血圧

デイサービスに来所された利用者の血圧は、緊張状態により普段よりも高めの数値が測定されやすいとされています。そのため、来所して少し時間が経ってから測定するのが望ましいです。

以下に基準値や測定方法などを紹介しますのでご参考ください。

【基準値】

  • 70〜80歳代の場合
  • 収縮期血圧145〜150
  • 拡張期血圧75〜80

【測定方法:上腕式自動血圧計の場合】

  1. 背もたれつきの椅子に座って数分間の安静。
  2. 前腕をテーブルなどの支えとなる場所へ置き脱力する。
  3. 心臓と同じ高さとなるよう上腕にマンシェットを巻く。
  4. マンシェットを巻く際は、ゴムのうの中央が上腕動脈の真上に来るようにする。
  5. 測定が終了するまで会話を行わない。

【測定時の注意点】

  • 体位や部位によっても数値は変動するため、その点も考慮する。
  • 利用者の身体にあった太さ・長さの血圧計を使用する。
  • 血圧を測定する部位の位置は心臓と同じ高さにする。(位置により変動してしまう)

血圧は測定する場所や時間帯、対応する職種などのさまざまな要因によって変化するため注意が必要です。

意識レベル

意識状態の確認方法はたくさんありますが、日本ではJapan Coma Scale(以下JCS)とGlasgow Coma Scale(以下GCS)が一般的に用いられています。

2つとも意識レベルを確認する方法ではありますが、それぞれに違った特徴があります。

下記にそれぞれの測定方法とポイントについて記載しましたので、ご参考ください。

【基準値】

  • JCS=0
  • GCS=15

【測定方法①:Japan Coma Scale (JCS)】

意識レベルを9段階で表したもの。数字が大きいほど重症。簡易的な手段であり、短時間で意識レベルを確認できる。

I. 刺激しないでも覚醒している状態

0. 意識清明

1. 見当識は保たれているが意識清明ではない

2. 見当識障害がある

3. 自分の名前・生年月日が言えない

II. 刺激すると覚醒する状態

10. 普通の呼びかけで容易に開眼する

20. 大きな声または身体を揺さぶることにより開眼する

30. 痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する

III. 刺激をしても覚醒しない状態

100. 痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする

200. 痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめる

300. 痛み刺激に全く反応しない

記載例:JCSⅡ-10

【測定方法②:Glasgow Coma Scale(GCS)】

E〜Mの3項目を合計した点数(3〜15点)でスコア化したもの。数字が小さいほど重症。判定が困難な項目が一つでもあると、評価として成立しない。

E(開眼 / eye opening)

0. 意識清明

4. 自発的に開眼

3. 呼びかけにより開眼

2. 痛み刺激により開眼

1. 痛み刺激により開眼なし

V(言語反応 / verbal response)

5. 見当識あり

4. 混乱した会話(見当識障害あり)

3. 不適当な発語(単語)

2. 理解不明の音声(アーアーウーウー)

1. 発語みられず

M(運動反応 / motor response)

5. 見当識あり

4. 混乱した会話(見当識障害あり)

3. 不適当な発語(単語)

2. 理解不明の音声(アーアーウーウー)

1. 発語みられず

記載例:GCS9(E3V3M3)

【測定時の注意点】

  • 記録へ記載する場合は、各スケールの値だけではなく、状態を言語化して記載する。
  • 意識障害が生じている際は、重篤な疾患を呈している可能性が高いため迅速な対応が求められる。

上記に各項目の基準値について説明しましたが、それぞれの基準値の数値には幅があります。

年齢によって基準値が異なる項目もあるため、一般的な数値を押さえた上で各利用者の平常時の数値を把握することが重要です。

参考:在宅療養技術指導マニュアル 国立療養所高松病院
参考:高血圧治療ガイドライン2019 日本高血圧学会

バイタルチェック表で管理するのが◎

バイタルチェックを行ったら、結果を正確に記録しておきましょう。バイタルサインを記録する際に、活用されるのがバイタルチェック表です。

バイタルチェック表は、定期的に行われる健康状態の評価を記録し管理するためのツールであり、健康チェック表など事業所により名称はさまざまです。

バイタルサインの測定は定期的に行うため、表で管理することによって経過や変化が分かりやすくなるでしょう。

一般的なバイタルチェック表には以下の項目が含まれます。

  • 日時
  • 利用者
  • 体温
  • 脈拍
  • 血圧
  • 呼吸数

以上の項目のみでなく、必要に応じて他の項目も追加することができます。たとえば、排泄頻度・尿量・血糖値・入浴・機能訓練・口腔ケアの実施有無・備考欄などです。

バイタルチェック表は一般的にExcelなどのスプレッドシートソフトウェアを使用して作成されますが、決まった様式はありません。各事業所ごとのフォーマットで管理されます。

また、医療機関や介護施設などで複数の人のバイタルチェックを管理する場合にも、表形式でデータを整理することで効率的かつ正確に管理することができます。

日々のバイタルサインのデータを表形式で蓄積することで、数値の把握がしやすく、効率的で正確な健康支援が可能となるでしょう。

適切に記載されたバイタルチェック表を所定の場所に置いておくことで、職員同時の情報共有に役立ち、健康管理において重要なデータとなり得ます。

バイタルチェックは利用者の体調管理の基本

今回は「デイサービスで行われるバイタルチェックの内容とその方法」について網羅的にご紹介しました。

バイタルチェックは利用者の健康管理の基本となるため、規則的かつ正確に測定することが重要です。

規則的かつ正確なデータの記載されたバイタルチェック表を活用することで、利用者毎の正確なデータの記録と情報の一元管理ができます。

事業所毎のニーズに応じたバイタルチェック表を作成し、職員が管理しやすく情報共有が行いやすい運用を行うことで、サービスの質の向上につながるでしょう。

規則的な測定と管理を行うことで利用者の健康状態の把握や必要なケアの提供に役立つのみでなく、業務の効率化にもつながることでしょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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