バイタルチェックとは?デイサービスで利用する項目・測定手順を解説
現場ノウハウ
2024/04/26
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評価
更新日:2024/04/26
介護現場では必ず「アセスメント」が行われます。利用者の状態・環境把握やその後の介護計画作成のため、事業所の種類を問わず重要な業務です。この記事では介護におけるアセスメントとは何かを紹介しています。
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この記事の目次
アセスメント(Assessment)とは、英語で「評価」や「分析」などの意味を持つ言葉です。
介護場面では、利用者の問題や解決すべき点を明確にするために、身体状況や家屋環境などを評価・分析する際に用いられています。
また、アセスメントはケアプランの作成には欠かせないものです。
基本的に、ケアマネジャーが介護のアセスメントによってケアプランを作成します。
利用者に適切なサービスを提供するには、ケアプランの作成が重要です。そのためには、利用者の細かいアセスメントが求められます。
ここではアセスメントの目的や、なぜ重要なのかについて解説します。
アセスメントは利用者の生活課題を明確にして、サービスの方向性を決める指標となっています。
このときにADLや身体機能などの表面上だけに注目してしまうと、利用者の希望とは異なるサービスを提供する恐れがある点に注意しましょう。
アセスメントは利用者の能力だけに注目するのではなく、その方の考え方や生活背景、価値観などの幅広い面を理解することが大切です。
そのうえでどのようなサービスを提供すべきなのか、どのような生活を送ってもらいたいのかを考えてみましょう。
質の高いアセスメントは質の高いケアにつながります。
また、アセスメント情報の共有によって、担当する職員が変わってもサービス内容が統一化されやすくなるでしょう。
生活課題やADL、身体機能などのさまざまな視野でアセスメントをすることで、利用者に適切なアプローチが可能になります。
アセスメント情報を職員内で共有・検討すれば、さらに質の高いケア内容が見つかりやすくなります。また、共有によって利用者の全体像がさらに明確化されやすくなり、アプローチ方法も統一化されていき、質の安定化につながります。
アセスメントの対象者はサービスを提供する利用者だけではありません。
利用者の家族や友人、親戚、さらに入院・通院先だった医師や看護師、リハビリ職員などにも情報を聴取することもあります。
また、アセスメントは、基本的にケアプランや介護計画を作成するタイミングで行われます。
その他にも、利用者の身体状況が大きく変化したり、短期目標が変更したりするタイミングでアセスメントを実施することもあるでしょう。
デイサービスの介護計画に関しては以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご一読ください。
▶通所介護計画書の作り方とは?手順や記入例・様式・更新期間などを解説
ここでは介護におけるアセスメントのやり方と流れについて解説します。
アセスメントでは、あらかじめひな型を作成して質問内容をまとめておくとスムーズに進められます。
まずは情報収集を行います。
このときに重要なのは、利用者のADLや身体機能などの表面的な部分に注目するのではなく、あらゆる視点から情報収集することです。
利用者の性格や価値観、家族との関係性などの情報を集めておくと、質の高いサービスの提供につながります。
なお、ADLに関しては以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご一読ください。
▶ADLの評価方法とは|介護・看護・医療で把握する目的・項目や書き方を徹底解説
収集した情報をもとに分析・仮説を立てて、どのようなサービスを利用者に提供すべきか検討します。
このときに情報量が少ないと、利用者にとって的外れなケアをしてしまう恐れがあります。
さまざまな視点からの情報をまとめて、効果的なアプローチ方法を見つけてみましょう。
分析・仮説を立てたら、実際にケアプランの立案をしましょう。
利用者に適したサービス内容について決定し、利用を進めていきます。
サービス提供したらそこで終わり、ではありません。その後の利用者の反応や変化について、再びモニタリングしていきます。
引き続きそのサービスが必要であれば継続し、何か問題が現れたら別の方法を検討することも大切です。
このように、アセスメントは1度きりだけではなく継続的に実施することが大切です。
アセスメントを行う際は、「アセスメントシート」の活用がおすすめです。
アセスメントシートとは、利用者の状態や家屋環境などの情報を詳細に記載するためのシートです。
厚生労働省が定めている「課題分析標準項目」と呼ばれる23項目の内容を聴取すると、網羅的に情報収集できるでしょう。
▶デイサービスにおけるアセスメントシートの記入例と効率的な作成方法
アセスメントシートの様式には以下のようなさまざまな種類があります。
あらかじめ決められている種類の他にも、独自の様式を使用している事業所もあります。
アセスメントシートには決められた様式が指定されているわけではないので、用途にあった種類のものを活用してみましょう。
参照:平成 27 年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成 29 年度調査)(2023年7月9日確認)
アセスメントとモニタリングは意味が似ているように思われますが、明確な違いがあります。
アセスメントは今まで紹介したように、利用者の身体状況や希望、今後の課題などを把握してケアプランの作成に役立てるものです。
一方で、モニタリングとは作成したケアプランの内容の通りにサービスを提供できているかを確認するために行うものです。
まとめると、それぞれの違いは以下の通りです。
このように、アセスメントとモニタリングの違いについておさえておきましょう。
アセスメントを実施する際の注意点として、以下が挙げられます。
それぞれについて詳しく解説します。
アセスメントの訪問は、なるべく短時間で済ませましょう。
アセスメントでは利用者や家族に聴取したり、家屋環境を調査したりなど、時間がかかりがちです。そのため、時間がかかると利用者の疲れが溜まりやすくなります。
アセスメントをする際はムダを省いて、1時間ほどを目安に終わらせることを心がけましょう。また、あらかじめ利用者や家族に所要時間を伝えておくことをおすすめします。
以前に利用していた病院や施設の職員から情報を事前に集めておくと、自宅のアセスメントがスムーズになります。
利用者の基本情報を把握しておくことで、アセスメントの際に的を得ていない質問を投げかけてしまう心配もなくなるでしょう。
事前の情報収集はアセスメント全体の時間短縮になり、利用者の負担軽減にもつながります。
アセスメントの際は利用者の目線に立ってやり取りをしましょう。他人事のような姿勢で接していると、利用者との関係性に悪影響が出る恐れがあります。
利用者の気持ちに共感しつつ、同じ目線で寄り添うことで強い信頼関係が生まれやすくなります。
アセスメントを通して、利用者や家族が持っている課題や希望を具体的に掘り下げられるようにしましょう。
たとえば、利用者の歩行能力が低下していたとしたら、どのような原因があるのか、どのような方法で解決できるのかなど、より詳細に考えてみることが大切です。
表面上だけでなく、潜在的な要素を発見することで適切なサービスの提供が可能となります。
こちらの判断で進めるのではなく、アドバイスやおすすめのサービスなどを紹介するときは必ず利用者に説明して了承を得るようにしましょう。
利用者が状況をつかめないまま話が進んでしまうと、本人の自尊心が傷つくだけでなく、お互いの関係性が悪化する恐れがあります。
自己判断で物事を進めずに、利用者や家族の理解・了承を得ながら段階を踏んでいきましょう。
アセスメントで得た情報は忘れずに記録しておきましょう。せっかくアセスメントでさまざまな情報を得られたとしても、記録しておかないと忘れてしまうこともあるでしょう。
その結果、利用者や家族と進めた話に食い違いが起きたり、不適切なサービスを提供してしまったりする恐れがあります。
アセスメントが終了したら、情報をまとめて記録しておくことをおすすめします。
介護場面におけるアセスメントは、利用者の状態を正確に把握し、適切なケアプランを策定するための重要な要素です。
アセスメントは身体機能やADLだけでなく、生活環境、利用者・家族の課題などをはじめとした多角的な視点で行うことが大切です。
それぞれのニーズを明確にし、リスクや問題を特定することで、効果的なサービスの提供につながります。
利用者や家族が満足のいくサービスを受けられるように、アセスメントの重要性についておさえておきましょう。
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