ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
現場ノウハウ
介助
更新日:2024/10/21
高齢になると立ち上がるときにふらつくことが多くなり、転倒の原因にもなります。ふらつきの原因は様々ですが、筋力低下や姿勢など、体の使い方が原因になることも多いようです。ここでは、利用者が立ち上がるときに介助する方法や立ち上がりのふらつきをおさえるための体づくりなど、介護サービス提供者が押さえておきたいポイントを紹介していきます。
この記事の目次
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高齢者の立ち上がりが困難となる理由として、おもに「身体機能」と「環境」による問題があげられます。ここではそれぞれの理由について詳しく解説します。
まず、身体機能の低下によって立ち上がりが困難となっている可能性があります。
とくに以下の要素は立ち上がりに影響しやすいと考えられています。
利用者のバランス能力を正しく把握するためには、バランス評価が必要です。以下の記事を参考にして事前に把握しておくとよいでしょう。
▶高齢者のリハビリにおけるバランス評価の種類・測定方法の基礎知識
自身の身体機能だけでなく、環境による問題でも立ち上がりが困難となるケースもあります。
立ち上がりに関係しやすい要素としては、以下の通りです。
施設内の環境整備については以下の記事でも詳しく解説しています。スタッフの作業効率にも関わりますので、ぜひ施設全体の整備にお役立てください。
▶介護施設における環境整備とは?メリットや取り組み例・環境整備のポイント
平成22年度の内閣府の調査によると、自宅で転倒した場所でもっとも多いのが屋外である「庭」の36.4%で、その次が屋内の「居間・茶の間・リビング」の20.5%でした。
以降で転倒しやすい場所は「玄関」「階段」「寝室」という順番となっています。
また、転倒した後にケガがなかった割合は33.3%であり、それ以外は打撲や擦り傷などの何かしらのケガを負っています。
3人に2人が何かしらのケガを負う可能性があると考えると、いかに転倒が危険であるかがわかるでしょう。とくに庭やリビングなどでは、転倒を防ぐための対策を考える必要があります。
転倒リスクを排除する方法については以下で解説しています。施設内の転倒事故を防ぐためにぜひお役立てください。
▶高齢者の転倒リスク|施設内のリスク軽減と転倒事故を防ぐ介助・支援方法
参考:内閣府ホームページ|3 転倒事故(2023年12月18日確認)
椅子から立ち上がる際にふらつく原因としては、以下の要素が考えられます。
高齢になると、筋力の衰えや背骨の変形によって背中が丸まり、姿勢が悪くなります。背中が丸々と立ち上がる際の前方への重心移動がうまく行えず、立ったときにバランスを崩しやすくなるでしょう。
その他にも、膝や足首の関節が硬かったり、下半身の筋力が低下したりしていると、立ち上がりが困難となります。また立ち上がりにくいからといって、勢いだけに任せて立とうとすると、余計にバランスを保てずに転倒につながります。
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人が立ち上がりをする際の動作の流れは、以下の通りです。
このいずれかの流れがうまくいかないと、立ち上がりが困難となります。立ち上がりの際の動作を理解することで、どこを介助すれば良いかがわかりやすくなります。
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高齢になると身体機能の衰えによって、椅子から立ち上がる際にふらつきやすくなります。
利用者・高齢者に立ち上がりのふらつきをおさえる方法を伝える際は、以下の3つを意識しましょう。
これらのポイントをおさえたうえで、安定した立ち上がりを行いましょう。
高齢者の立ち上がりをスムーズにするための介助は、以下のような流れで行います。
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【1.立ち上がるための準備】
立ち上がりをする前の準備として、声かけをしましょう。「これから立ち上がりますよ」とただ伝えるのではなく、立ちやすいポジションに誘導することが大切です。
たとえば、深く座っていると重心が後ろに残って立ち上がりにくくなるので、「椅子に浅く座ってください」と伝えます。
膝が伸びている場合は「膝を曲げて足を後ろに引きましょう」と伝えて、足に体重を乗せられるように誘導しましょう。
【2.立ち上がる際の介助】
要介護者の身体機能の度合いに応じた介助を行います。そこまで介助を要しない方であれば、手や肘を支えて立ち上がりを支援しましょう。
中等度以上の介助量が必要な方は、脇を支えて行う場合もあります。その際に要介護者も介護者の手や肩を支えてもらうことで、立ち上がりが安定しやすくなります。
【3.立ち上がりの誘導】
実際に立ち上がる際の誘導をします。このとき、要介護者の上半身の前傾を促し、お尻が浮いた段階で上方に誘導していきましょう。
上半身の前傾が不十分だと、介護者の介助に依存した立ち上がりとなってしまいます。介護者ありきで立ち上がりを促すのではなく、正しい動作を誘導して自身の力で立ってもらうようにすることが大切です。
立ち上がりを安定させるためには、筋力の維持が不可欠です。立ち上がりの動作を理解するだけでなく、介護予防のための体操に取り組んでもらうことが大切です。
ここでは筋力を維持してもらうための体操をご紹介します。
【もも上げの運動】
もも上げは股関節を曲げるための腸腰筋を鍛える運動です。太ももを上げる際は身体を大きく後ろにのけぞらないように注意してください。
運動初心者から上級者まで取り組める難易度別の腸腰筋ストレッチについて知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。
▶︎腸腰筋ストレッチの4つの効果と難易度別の10種の運動方法をご紹介
【体幹前傾運動】
立ち上がりの際に上半身の前傾を促すための運動です。前傾する際は腰が曲がらないように注意し、股関節をしっかりと屈曲させるようにしてください。
ふらつきやすい方は杖を持ちながら行うのもおすすめです。
慣れてきたらバランス能力向上のために新しい運動も加えていきましょう。以下の記事を参考にしてバランストレーニングにも取り組んでみてください。
▶【理学療法士監修】器具なしでできるバランストレーニング|高齢者のバランス能力の維持・向上に役立つ運動17選
【ふくらはぎのストレッチ】
立ち上がりの際に必要な、足首の関節可動域を確保するためのストレッチです。ふらつきやすい方は壁や机などで支えながら行ってみてください。
ストレッチに慣れたら以下の記事のような「下肢筋力トレーニング」も追加していきましょう。座位でもできるトレーニングなので誰でも気軽に取り組めます。
▶【理学療法士監修】下肢筋力トレーニング|高齢者が座位でできる筋力トレーニング22選
高齢者が立ち上がりの際にふらつきやすくなる理由としては、身体機能と環境による問題があげられます。とくに屋外の庭や屋内のリビングは転倒しやすい環境とされており、そこからケガにつながる恐れもあります。
立ち上がる際のふらつきや転倒を防ぐには、まずは本来の動作を把握することが必要不可欠です。そのうえで、適切な介助によって立ち上がりをサポートすることが大切です。
ぜひ今回の記事を参考にして、立ち上がりでふらつかないようにするためのポイントをおさえておきましょう。
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