社会福祉士とは?仕事内容と役割について知っておこう

現場ノウハウ

資格・職種

更新日:2024/07/29

社会福祉士とは、身体障害や精神障害などのにより生活に支障をきたしている方の相談業務や社会的支援を行う専門家です。全国に同資格を有する方は200,000人以上であり、行政機関や民間企業等で幅広く活躍しています。ソーシャルワーカーの国家資格であり、「介護福祉士」や「精神保健福祉士」と同様に福祉分野の国家資格のひとつです。それでは社会福祉士についてもう少し詳細に見ていきましょう。

社会福祉士とは

社会福祉士とは「社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)」に基づく、名称独占の国家資格です。「社会福祉士」の名称を用いて、心や体に障がいがある方や日常生活を営むのに支障がある方の相談業務やサービス提供者との連絡調整などの援助を行います。

社会福祉士の主な就職先

  • 老人ホームや児童福祉施設
  • 知的障害者施設などの社会福祉施設
  • 地方自治体の福祉事務所
  • 病院や保健所などの医療機関
  • 福祉サービスを行う民間企業

などがあります。

社会福祉士の業務内容

病院なら「医療ソーシャルワーカー」、老人福祉施設なら「生活相談員」、児童相談所なら「児童福祉司」と呼ばれることが多く、働く場所でその業務内容が異なります。
主には相談業務が中心であるため、利用者(その家族)の生活上の相談や自立した生活を送るための支援方法についての援助計画や評価、見直しを行います。また、利用者に関わる施設や行政機関に連絡をとり、必要な公的手続きの代行や、公的な支援を利用者(家族)に情報提供します。

社会福祉士になるには

社会福祉士になるためには、厚生大臣が指定した試験機関の「社会福祉士国家試験」に合格する必要があります。大まかには以下のようなルートがあります。

福祉系4年制大学で指定の科目を履修する
福祉系短大で指定の科目を履修した後、1~2年の実務経験を積む
福祉系以外の4年制大学卒業後、1年間以上一般養成施設に通う
福祉系以外の短大を卒業後、1~2年の実務経験を経て、1年間以上一般養成施設に通う

このほかにも上記の画像の通り、資格取得の方法はいくつかありますので、各自で確認しましょう。

社会福祉士の合格率

社会福祉士の合格率は例年18〜28%程度となっています。

区分第25回第26回第27回第28回第29回
受験者数(人)42,84145,57845,18744,76445,849
合格者数(人)8,05812,54012,18111,73511,828
合格率(%)18.827.527.026.225.8

社会福祉士の就職先について

社会福祉士が就労している分野は、「高齢者福祉関係」が半数近くを占めている一方で、職域が広ことがわかります。また、 就労している職場での職種は、「相談員・指導員」として現場で働くだけでなく「施設長・管理者」として勤めている方も多いようです。

社会福祉士に求められる役割とは

  • 福祉課題を抱えた者からの相談に応じ、必要に応じてサービス利用を支援するなど、その解決を自ら支援する役割
  • 利用者がその有する能力に応じて、尊厳を持った自立生活を営むことができるよう、関係する様々な専門職や事業者、ボランティア 等との連携を図り、自ら解決することのできない課題については当該担当者への橋渡しを行い、総合的かつ包括的に援助していく役割
  • 地域の福祉課題の把握や社会資源の調整・開発、ネットワークの形成を図るなど、地域福祉の増進に働きかける役割

参照:社会保障審議会福祉部会より(平成18年12月12日)

今後の社会福祉士に必要な知識及び技術とは

  1. 福祉課題を抱えた者からの相談への対応や、これを受けて総合的かつ包括的にサービスを提供することの必要性、その在り方等に 係る専門的知識
  2. 虐待防止、就労支援、権利擁護、孤立防止、生きがい創出、健康維持等に関わる関連サービスに関わる基礎的知識
  3. 福祉課題を抱えた者からの相談に応じ、利用者の自立支援の観点から地域において適切なサービスの選択を支援する技術
  4. サービス提供者間のネットワークの形成を図る技術
  5. 地域の福祉ニーズを把握し、不足するサービスの創出を働きかける技術
  6. 専門職としての高い自覚と倫理の確立や利用者本位の立場に立った活動の実践

参照:社会保障審議会福祉部会より(平成18年12月12日)

認定社会福祉士とは

認定社会福祉士とは、多様化・複雑化する地域住民への社会的援助ニーズに社会福祉士が適切に対応するため、社会福祉士の能力開発とキャリアアップを支援し、その習得した実践力を認定する仕組みとして平成24年度に創設されています。

期待する活動内容

  • 所属組織における相談援助部門のリーダー
  • 高齢者福祉、医療など、各分野の専門的な支援方法や制度に精通し、他職種と連携して、複雑な生活課題のある利用者に対しても、的確な相談援助を実践

期待する役割

  1. 複数の課題のあるケースへの対応
  2. 職場内のリーダーシップ、実習指導
  3. 地域や外部機関との窓口、緊急対応、苦情対応
  4. 他職種連携、職場内コーディネート等

要件

  1. 社会福祉士資格
  2. ソーシャルワーカーの職能団体の正会員
  3. 相談援助実務経験5年以上
  4. 定められた経験目標(経験すべき実務)の実績
  5. 認証された研修の受講

研修:20単位以上
スーパービジョンを受ける:10単位以上
※更新制(5年)

上記要件を満たすことを「認定社会福祉士認証・認定機構」が審査、合格者の登録は登録機関(日本社会福祉士会)に行うことで認定されます。

加算算定、書類業務でお困りならRehab Cloudがおすすめ

日々の加算算定業務や記録業務などで苦労されている人も多いのではないでしょうか?科学的介護ソフト「Rehab Cloud」であれば、現場で抱えがちなお悩みを解決に導くことができます。

例えば、加算算定業務であれば、計画書作成や評価のタイミングなど、算定要件に沿ってご案内。初めての加算算定でも安心して取り組めます。さらに、個別性の高い計画書は最短3分で作成できます。

記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。

⇒資料のダウンロードはこちらから

この記事の著者

作業療法士  大久保 亮

リハビリ養成校を卒業後、作業療法士として、通所介護事業所や訪問看護ステーションにて在宅リハビリテーションに従事。働きながら法政大学大学院政策学修士を取得。その後、要介護者、介護現場で働く人、地域住民まで、介護に関わるすべての人が安心していきいきと活躍し続けられる世界の実現を目指して2016年6月株式会社Rehab for JAPANを創業。また、日本介護協会関東支部局副支部長を務める。

関連記事

他のテーマの記事をみる