ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
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更新日:2024/07/30
歳を重ねるにつれ心身の働きが弱くなっていくことをフレイル(虚弱)と言います。フレイルを予防するためには日頃から身体を動かすことや、社会とつながりを持つことが大事です。この記事では、フレイルの原因や予防法とサルコペニアとの違いなどについて解説します。
この記事の目次
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フレイルとは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で「Frailty(虚弱)」の日本語訳です。高齢者の身体機能や認知機能の低下による「虚弱な状態」を意味します。多くの人が40歳を境に筋肉量の減少が始まり、運動機能が低下します。これにより生活不活発病などの懸念が高まり、さらには要介護状態に繋がることもあるでしょう。
フレイルを予防するには、タンパク質を中心とした質の良い食事をしっかりと摂取し、筋肉を強化する運動をすることが大切です。
フレイルとは、虚弱を意味する言葉です。高齢者になると身体機能や認知機能の低下で思うような生活が送れないことが多くなります。
国立長寿研究センターによると、フレイルの高齢者は以下の4つの症状が顕著に表れやすいとされています。
ここでは、どのような影響があるのかさらに詳しく見ていきましょう。
一昔前までは10分で歩いて行けていた場所に、30分もかかるようになってしまうなどの歩行速度の低下が起こります。たとえば公共交通機関であるタクシーやバスや電車に頼るようになり、ますます歩行をしなくなることも考えられます。
また歩行速度の低下は、加齢に伴い心身の機能が低下していることを示す重要なポイントです。たとえば低血圧の場合、ふらついて休み休みでないと歩くことができないことから、歩行速度が低下することも考えられます。歩行速度は老化を総合的に表すバロメーターとも言えるでしょう。
疲れやすいため日中に継続した活動ができないことも高齢者にはよく表れるフレイルです。すぐに呼吸が上がったり、膝が痛くなったり、腰が重たく座り込んでしまうことも高齢者にはよくあることです。自分が飲んでいる薬が原因になることもあります。重い副作用により、動悸やめまいがすることもあるのでそのような場合は主治医にすぐ相談しましょう。
移動が億劫になることが原因になることもありますが、高齢者になるとそれまで勤めていた会社をやめたり、子育てを終えて1人で家にこもることも考えられます。人と付き合うのを面倒に感じるようになったり、人と関わることが怖くなるなどの抑うつや被害妄想などを誘発することもあります。外に出る機会が極端に少なくなった場合、注意が必要です。
筋肉量の低下により、自分の体重を支えることも過度な負担になってしまいます。退院後や風邪などにより寝込んだ後も見られやすい症状ですが、日頃動かない、あまり外に出る機会がない人ほど筋肉量が低下し、さらに動かなくなります。そしてまた筋肉量の減退を招くなど、悪循環に陥ります。
高齢者になると持病に投薬している人も少なくありません。この薬の副作用から、体重の減少が起きることもあります。また本人が無自覚の範囲で、消化器官が弱っていることもあり、食事から十分な栄養素を摂ることができず、必要以上に痩せてしまうこともあるでしょう。筋肉を作るための栄養素を摂取できない他、転倒時の骨折のリスクが上がることもあるので注意が必要です。
フレイルの原因にはさまざまな要因があります。人と接する機会が減ったことから、外出する機会が減り、活動量が減ることから筋肉量が減退する人もいますが、それ以外にも持病や薬の副作用の影響で消化器官が弱り、筋肉が必要とする十分な栄養を摂れないこともあるでしょう。
まずは運動量が減っていないか、減っているとしたらなぜそうなってしまったのかを見つめ直しましょう。筋肉量がなぜ減ってしまうのか、体脂肪がつかない理由などをしっかりと考える必要があります。
フレイルと似た症状を指す言葉にサルコペニアがあります。サルコペニアは筋肉量や筋力の低下による身体機能の低下だけを指す言葉で、European Working Group on Sarcopenia in Older People(EWGSOP)が提唱した概念です。
一方でフレイルは身体的な筋肉量や機能面の低下だけではなく、例えば抑うつなどの精神的なことや、外に出る機会や人と話すのが億劫になることを含める心理的、他者との関わりが極端に希薄になる社会的な衰弱や虚弱を含みます。
サルコペニアに関しては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
▶サルコペニアとは?|診断基準・原因や症状・予防するための対策を解説
フレイルの評価には、国際的にFriedらの評価基準がよく用いられています。フレイルかどうかを判定したい場合は、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターフレイル研究部のシートを参考にすると良いでしょう。
出典:「食事摂取基準(2020年版)の 策定方針について(厚生労働省)」
フレイルの最も大きな原因の1つである、サルコペニアという現象を簡単に自己評価できる「指輪っかテスト」をやってみましょう。
まず両手の親指と人差し指を合わせるようにして輪を作ります。輪でふくらはぎを囲むことができない、もしくはちょうど囲める方は現状サルコペニアの可能性が少ないです。一方で指がしっかりと重なる、またはふくらはぎと輪の間にすき間ができる場合は、サルコペニアの可能性が高い方です。
フレイルやサルコペニアを予防するためには、筋肉量アップが必要です。骨を強くするカルシウムと筋肉を作るタンパク質を中心とした食事を3食とることを心がけましょう。
カルシウムは、乳製品で摂取しましょう。カルシウムの吸収率アップのために、さんまや鮭を食べる他、干し椎茸やきくらげなどの、ビタミンDの多い食品を取り入れることがおすすめです。
また酸味は胃腸の消化液の分泌を促し、カルシウムの吸収を高める働きもあります。酢、梅干、レモンなど、酸味のある調味料や食材を活用しましょう。
いきなりジムに通うのではなく、散歩の時間や距離を無理のない範囲から習慣づけ、徐々に距離を伸ばしていくことなども筋肉量アップに有効な方法です。
デイサービス利用者の中にはフレイル状態の方が多くいらっしゃいます。
デイサービスで使える体操方法について、弊社理学療法士・作業療法士がまとめていますので、以下の記事を参考に、状況に合わせてうまくご活用していただけると嬉しいです。
筋肉量の減少によりフレイルに悩む高齢者は多くいます。さらに筋肉量が減ると、外に出る機会が衰え、社会的なつながりを持つ機会も希薄になるでしょう。このことから人と話すことが嫌になったり、孤独を感じてしまう高齢者も少なくありません。社会的なつながりや心身の機能面が低下しているのは、まさしくフレイルでありこの原因や予防方法を正しく理解する必要があります。
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