ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
現場ノウハウ
介助
更新日:2024/07/29
デイサービスで取り組んでいただきたい誤嚥性肺炎を予防法・口腔体操などのトレーニングのご紹介です。高齢者の肺炎で、最も多い「誤嚥性肺炎」は、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)などの機能低下が原因の1つとされています。トレーニングでは、舌や唇、頬などを動かすことで機能低下を防ぐプログラムが効果的です。誤嚥に対する不安感を少しでも解消し、毎日の食事を楽しんでいただけるように介護スタッフが誤嚥性肺炎を予防する方法について学んでいきましょう。
この記事の目次
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なぜ、高齢者に対して誤嚥性肺炎の予防が重要なのでしょうか?
厚生労働省によると、日本における全人口の死亡原因の順位は、1位は悪性新生物、2位は心疾患、3位は肺炎と報告しています。高齢者においては65歳以上の4位、80歳以上の3位が「肺炎」となります。
この肺炎が原因で亡くなる高齢者のうち、最も多いのが「誤嚥性肺炎」です。そのため、高齢者の健康維持や介護予防を担うデイサービスでは、個別機能訓練や口腔機能訓練、集団での口腔体操などとして誤嚥性肺炎を予防していくことが非常に重要となります。
誤嚥性肺炎の原因の1つに摂食・嚥下障害があります。摂食・嚥下障害とは、食べる・飲み込むことが円滑に出来ない障害を言います。ここに何らかの機能低下を起こすと、誤嚥を引き起こします。
この誤嚥性肺炎の原因でもある摂食・嚥下障害の予防を行うのが、今回ご紹介する個別機能訓練プログラムや、口腔体操、お口のトレーニングです!
高齢者や要介護の方に誤嚥性肺炎の予防法に積極的に取り組んでいきましょう!
高齢者においては、加齢によって舌や唇、頬の筋力が衰え、飲み込む力も弱くなっていきます。そのため、誤嚥性肺炎を予防するトレーニングを行う必要があります。
誤嚥性肺炎を予防するトレーニングは、口腔内外の舌や唇、頬などの筋肉を鍛えることで機能低下を防ぎ、誤嚥を予防する口腔体操があります。この口腔体操を行うことで、高齢者が食べ物を咀嚼(そしゃく)して飲み込むといった一連の動きがスムーズになる効果が期待できます。
また、食べ物や飲み物が誤って気管へと入り込んでしまった(誤嚥)場合でも、日頃から腹筋や肺活量など「咳き込む力」を鍛えておけば誤嚥を予防する効果も期待できます。
大岡らの論文を見てみると、加齢による摂食・嚥下機能および構音機能の減退、低下を伴う要支援高齢者に対し、高齢者自身が行える簡便な口腔機能向上プログラムを実施することにより、口腔機能の向上が得られる可能性が示唆されたと報告しています。
ご高齢者が誤嚥性肺炎を起こす前に、日頃から予防に取り組んでいきましょう!
参照:大岡貴史 “日常的に行う口腔機能訓練による高齢者の口腔機能向上への効果.” 口腔衛生会誌 58.2 (2008): 88-94.
ここでは、誤嚥性肺炎の原因となる誤嚥や摂食・嚥下障害を起こしやすい対象疾患をご紹介します。
誤嚥性肺炎を予防する口腔体操やトレーニングを行う場合は、これらの既往歴をお持ちの方を中心に取り組んでいきましょう!
高齢者は誤嚥性肺炎を起こすリスクが高いですが、以下のような病気をお持ちの方は特に誤嚥を起こしやすいため、口腔機能を評価し、咀嚼や嚥下のトレーニングを行い誤嚥を予防することが大切です。
誤嚥性肺炎の原因となる誤嚥や摂食・嚥下障害を防ぐためには、日常生活の中で食事や衛生面などでも気を付けることがあります。
口の中に細菌が繁殖すると歯周病を併発したり、誤嚥によって細菌が肺に入り重症の肺炎を起こしやすくなります。以下に「食事での注意点」と「衛生面の注意点」について解説します。
※食事形態については、事前に医師や看護師、管理栄養士から指導をもらいましょう。
ここからは誤嚥性肺炎を予防する口腔体操をご紹介していきます。まずこちらの運動は、「首回り」のストレッチです。
咀嚼には首に付着する筋肉が多くあります。まずは首をストレッチして食べる準備をしていきましょう。
口腔体操を実施する一番よいタイミングは、食事の「前」です。嚥下体操により、お口や頬などを動かすことで、だ液が分泌されます。また、飲み込み易くなりますので、誤嚥を防ぐことにもつながります。
【注意点】
首はとても繊細な部位となりますので十分注意し、ゆっくりと運動を行いましょう。また頚椎疾患などの有無の確認を行いましょう。
こちらの運動は、口腔内に空気をためたり、すぼめたりする「頬・唇の筋肉」のトレーニングです。誤嚥予防のための口腔体操の定番のにもなっています。
食べ物を咀嚼する際は、舌と頬は協調して動きます。この舌と頬は食べ物を臼歯の上にのせたまま保持することができるため、食べこぼしを防ぐことができます。
また、口を閉じる時に働く口輪筋を鍛えることで食べこぼしを防ぐことができます。
▼誤嚥性肺炎を予防する口腔体操をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
【関連記事】 高齢者の誤嚥予防に効果のある口腔体操についてご紹介! ご高齢者の誤嚥を予防する口腔体操のノウハウをご紹介していきます。 |
こちらの運動は、誤嚥性肺炎の予防のための舌のトレーニングです。口腔体操としても多く用いられています。
舌は、顎舌骨筋(がくぜっこつきん)という顎の下の筋肉と繋がりがあり、あご周りの筋肉を動かすことで若干ながら唾液の分泌を促していきます。また、舌は食物を食べる際の咀嚼と食べ物を左右の臼歯に移す働きをしたり、発声をするために非常にも重要になります。
誤嚥性肺炎の予防として積極的に舌を動かしていきましょう。
こちらの運動は「あ・い・う・え・お」と大きく口や顎、唇、舌を動かすトレーニングです。
同時に「パ・タ・カ・ラ」や「パ・ピ・プ・ペ・ポ」も行っていきましょう。
口腔機能を意識したリハビリテーションでは、このパタカラ体操を行うことで、発声や誤嚥性肺炎を予防する効果が期待されています。
顔の表情が乏しい方や発声が困難な方、摂食・嚥下機能が低下している方にオススメで、介護施設での口腔体操や集団体操でもよく行われています。
次に、誤嚥性肺炎の予防法としてご紹介するのは、唾液腺マッサージです。
こちらの運動は、3ヶ所ある唾液腺の中でも「耳下腺」を刺激するエクササイズです。奥歯と耳の間に耳下腺はあります。ここに人差し指で軽く圧迫するように、やさしく円を描くようにマッサージします。こちらを刺激することで、だ液が分泌が促進され食べ物を飲み込み易くなる効果が期待できます。
高齢になると、薬剤の影響や加齢により、噛むの低下などが原因で唾液の分泌量が減少します。唾液は、食べ物を咀嚼した後に、飲み込みやすいようにまとめるために重要です。誤嚥性肺炎を予防するためには、唾液分泌を促すマッサージも取り入れていきましょう!
▼高齢者の誤嚥性肺炎を予防する唾液腺マッサージについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
続いては、唾液腺マッサージの中でも舌下腺を刺激するマッサージです。
舌下腺は、舌の付け根の辺り、下あごのくぼみ部分にあります。このくぼみを両方の親指の腹で、軽く圧迫するように押し上げます。
ここを押すと、痛みを感じたり苦しくなりやすいのでやさしく、ゆっくり行いましょう。
続いての唾液分泌を促すマッサージは顎下腺です。
顎下腺は、あごの骨の内側の左右のやわらかい部分にあります。ここに両手の指をあて、耳の下からあごの先まで順番にマッサージします。
指の腹で軽く圧迫するように、やさしく行いましょう。
最後に、誤嚥を疑う簡易なチェックポイントをご紹介しておきます。
ご利用者様に以下のような変化があった場合は要注意です。看護師すぐに医療従事者に報告し、検査・評価してもらいましょう!
【誤嚥を疑う徴候】
今回は「誤嚥性肺炎の予防法として効果的なトレーニング」についてご紹介しました。誤嚥の予防には、咀嚼・嚥下機能は、首や頬、下の筋肉がスムーズに連動して動くことが重要です。ご利用者様が安心して毎日の食事を楽しむことができるように私たちスタッフが支援していきましょう。
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