個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いとは?デイサービスで必要な算定要件・単位数

介護保険法

個別機能訓練加算

更新日:2024/11/05

【令和6年報酬改定対応】個別機能訓練加算には、個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)の2種類の加算があり、算定要件や単位数によって違いがあります。加算(Ⅰ)と加算(Ⅱ)は類似点も多く、個別機能訓練計画書の作成の目標設定や機能訓練プログラムなどが混乱しやすいのではないでしょうか? そこで今回は、個別機能訓練加算の基礎知識として7つの違いをポイントを踏まえてご紹介します。

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個別機能訓練加算 (Ⅰ)・(Ⅱ) とは

まず、個別機能訓練加算(Ⅰ)・(Ⅱ)について、主な算定要件をおさえておきましょう。

個別機能訓練加算(Ⅰ)は利用者の生活機能(身体機能を含む)の維持・向上を図り、評価・計画・訓練を提供することにより算定できる加算であることに対し、個別機能訓練加算(Ⅱ)はLIFEへの提出情報・フィードバック情報の活用により、上乗せして算定されるものです。

個別機能訓練加算(Ⅱ)は、令和3年度の介護報酬改定で新設された制度です。LIFE活用のみに特化していることが、令和3年度以前の個別機能訓練加算との大きな違いといえるでしょう。

この記事では、機能訓練加算(Ⅰ)(Ⅱ)の算定要件や単位数などの違いについて詳しく解説していきます。

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個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い

個別機能訓練加算(Ⅰ)は利用者ごとに心身の状態や居宅の環境をふまえた個別機能訓練計画を作成し、当該計画に基づき計画的に機能訓練を行うことで住み慣れた地域で居宅において可能な限り自立して暮らし続けることを目的としています。

令和3年度の介護報酬改定で旧来の個別機能訓練加算(Ⅰ)(Ⅱ)は、現在の個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロとなりました。

また、令和3年度介護報酬改定後の個別機能訓練加算(Ⅱ)は、個別機能訓練加算(Ⅰ)を満たした上で、LIFEを活用する必要があります。

LIFEとは、各利用者に合わせたADLや認知症の状態、栄養状態、口腔機能など心身の状態に関するさまざまな情報を登録するシステムのことです。これをもとに、累積されたデータベースからケアに関するフィードバックデータが受けられ、このフィードバックデータを活用することも要件に定められています。

なお、令和6年度介護報酬改定で変更になった部分は以下の通りです。

■個別機能訓練加算(Ⅰ)

・単位数 
【改定前】イ:56単位/日 ロ:85単位/日 
【改定後】イ:56単位/日 ロ:76単位/日

・機能訓練指導員の配置
【改定前】イ:専従1名以上(配置時間定めなし)  
     ロ:配置時間の定めのない機能訓練指導員1名+専従1名以上(サービス提供時間帯を通じて)
【改定後】イ:専従1名以上(配置時間定めなし)  
     ロ:配置時間の定めのない2名以上

■個別機能訓練加算(Ⅱ)
・単位数 【改定前】20単位/月
・単位数 【改定後】20単位/月
個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定したうえで、LIFE活用が必要

個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の 算定要件

この章では、令和6年度介護報酬改定以降の個別機能訓練加算(Ⅰ)・(Ⅱ)それぞれの算定要件を解説していきます。

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個別機能訓練加算(Ⅰ)

令和3年度以前の個別機能訓練加算と比較すると、対象や算定要件、機能訓練項目などは同じですが、(Ⅰ)ロは単位数と機能訓練指導員の配置基準が異なります。どちらも個別の機能訓練についての算定要件であり、大きな違いは人員配置のみです。

  個別機能訓練加算(Ⅰ)イ 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ
単位 56単位 76単位
機能訓練指導員の配置基準

常勤・専従を1名以上配置 (配置時間の定めはなし)

配置時間の定めのない機能訓練指導員2名以上

「個別機能訓練加算(Ⅰ)」についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
▶︎個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロの算定要件

機能訓練指導員について知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎機能訓練指導員の仕事内容とは?必要な資格と配置でとれる加算

個別機能訓練加算(Ⅱ)

個別機能訓練加算(Ⅱ)を算定するには、個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定していることに加え、厚生労働省に訓練計画の情報提出とフィードバックを受けること(LIFE活用)が必要です。個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定する場合は、LIFEを導入して算定したほうが単位数が増えるのはもちろん、科学的介護推進への足掛かりにもなるでしょう。

「個別機能訓練加算(Ⅱ)」についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件・単位数とLIFEへの提出方法

個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時算定可能?

個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時算定することが可能です。また、個別機能訓練加算(Ⅱ)を算定するには、個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定が条件です。

同時算定する際の注意点

同時算定する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定する場合は、イ・ロのどちらを算定するかで単位数に違いがあること
  • 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロは、2名以上の機能訓練指導員が必要。人員配置の変更が必要となる場合もある
  • 個別機能訓練加算(Ⅱ)を算定する場合は、LIFE活用が必須。新規利用登録・設定などが必要となるため、余裕をもったスケジュールを組む必要がある

令和6年介護報酬改定より前の個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは?

最新の令和6年度介護報酬改定より前、令和3年度介護報酬改定までの個別機能訓練加算(Ⅰ)・(Ⅱ)に関しても内容をおさえておきましょう。

まずは、平成30年度改定までの個別機能訓練加算(I)・(II)との大きな違いは、単位数と実施範囲です。個別機能訓練加算(Ⅰ)は、身体機能の維持・向上に関する内容を実施するのに対して、個別機能訓練加算(Ⅱ)のほうが生活機能の維持・向上の獲得を目的としているため難易度が高く、個別機能訓練加算(Ⅰ)と比べ10単位高く算定できるようになっていました。

また、実施範囲については個別機能訓練加算(Ⅰ)には人数の規定がないのに対して、個別機能訓練加算(Ⅱ)は5名以下という規定が設けられています。

令和3年度の介護報酬改定により、リハビリに関する要件が個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロとなり、個別機能訓練加算(Ⅱ)の変更点はLIFEへの提出に関する要件だけに変更されています。

今回の令和6年度の介護報酬改定により、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの機能訓練指導員の配置基準が緩和されましたが、単位数が9単位減少しました。

個別機能訓練加算(Ⅰ)と(Ⅱ)はどちらもメリットの多い加算

個別機能訓練加算(Ⅰ)・(Ⅱ)は、同時算定をおこなうことで単位数が増え、事業所の増益につながります。科学的介護の浸透にもつなげることができ、利用者にも事業所にもメリットが多い加算といってよいでしょう。

個別機能訓練加算(Ⅱ)を算定するにはLIFE活用が必須ですが、今後も科学的介護の推進の一環としてLIFEの活用を広めることが予想されますので、将来的に活用する意味でもLIFEの活用を始めていくことをおすすめします。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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