通所介護の栄養アセスメント加算とは?算定要件・単位数などを解説【2024年改定対応】

介護保険法

栄養加算

更新日:2024/11/05

【令和6年報酬改定対応】栄養アセスメント加算とは、栄養改善が必要な者を的確に把握し、適切なサービスにつなげていく観点から、管理栄養士と介護職員等の連携による栄養アセスメントの取り組みを評価する加算のことです。この記事では、栄養アセスメント加算の単位数や算定要件についてご紹介しています。

⇒加算算定業務が誰でも簡単にできる!資料を見てみる

栄養アセスメント加算とは

栄養アセスメント加算とは、栄養改善が必要な利用者を的確に把握し、アセスメントを実施したときに算定される加算です。

この加算は、栄養改善が必要な者を的確に把握し、適切なサービスにつなげていく観点から、令和3年度の介護報酬改定にて新設されました。

算定対象となる事業所

算定対象となる事業所は、以下の通りです。

参考:令和3年度介護報酬改定の概要 (栄養関連)

⇒加算算定業務が誰でも簡単にできる!資料を見てみる

算定要件・単位数

ここでは通所介護(デイサービス)における栄養アセスメント加算の算定要件と、単位数について解説します。

通所介護(デイサービス)

単位数50単位/月
対象者通所系サービスや看護小規模多機能型居宅介護を利用している利用者
算定要件<配置基準>
当該事業所の従業者または外部との連携によって管理栄養士を1名以上配置している
<アセスメント>
利用者ごとに管理栄養士や看護職員、介護職員、生活相談員などの職員が共同して栄養アセスメントを実施する栄養アセスメントを実施した結果を利用者または家族に対して説明し、必要に応じた対応をする
<提出>
利用者ごとの栄養状態の情報を厚生労働省に提出し、受け取ったフィードバック情報を活用している

配置基準

栄養アセスメント加算では、事業所内だけでなく外部機関との連携によって管理栄養士を1名以上配置すれば基準を満たせます。

外部機関との連携によって管理栄養士を配置する場合は以下からの配置に限ります。

  • 他の介護事業所
  • 医療機関
  • 介護保険施設(常勤で1名以上または栄養マネジメント強化加算の算定要件の数を超えて管理栄養士を配置している施設のみ)
  • 日本栄養士会や都道府県栄養士会が設置・運営する「栄養ケア・ステーション」

管理栄養士の資格であれば誰でも良い、というわけではありませんので、その点は注意が必要です。

参考:令和3年度介護報酬改定の概要 (栄養関連)

そのほかの事業所の単位数・算定要件

そのほかの事業所の単位数・算定要件もデイサービスと同様となっています。

くわしい算定要件は前述したものを参照してください。

通所リハビリテーション

栄養アセスメント加算 50単位/月

地域密着型通所介護

栄養アセスメント加算 50単位/月

認知症対応型通所介護

栄養アセスメント加算 50単位/月

看護小規模多機能型居宅介護

栄養アセスメント加算 50単位/月

参考:令和3年度介護報酬改定の概要 (栄養関連)

栄養アセスメントのやり方と流れ

栄養アセスメントは、以下のような流れで進めます。

  1. 利用者ごとの低栄養状態のリスクを、サービス利用開始時に把握する
  2. 管理栄養士等の職員が共同して、利用者ごとの摂食・嚥下機能および食形態に配慮しつつ、解決すべき栄養管理上の課題を把握する
  3. 1と2の結果を利用者または家族に説明し、必要に応じて解決すべき栄養管理上の課題に応じた相談や情報提供をする
  4. 低栄養状態にある、またはその恐れがある利用者は、ケアマネジャーと情報共有をして、栄養改善サービスの提供を検討するように依頼する
  5. 利用者ごとの栄養状態等の情報をLIFEに提出し、栄養管理の実施に当たって、当該情報その他栄養管理の適切かつ有効な実施のために必要な情報を活用する

栄養アセスメント加算を算定する際はケアプランへの記載が必要なので、ケアマネジャーに伝えるのを忘れないようにしましょう。

参考:栄養アセスメント加算

LIFEへのデータ提出頻度と提出が必要な情報

LIFEへのデータ提出頻度

利用者ごとに、以下のタイミングで翌月10日までに提出する必要があります。

  • 栄養アセスメントを実施した月
  • 上記の月に加えて、少なくとも3ヶ月に1回

LIFEにデータ提出が必要な情報

利用者全員について、「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」別紙様式4-3-1(栄養スクリーニング・アセスメント・モニタリング(通所・居宅)(様式例))にある

  • 「要介護度」
  • 「実施日」
  • 「低栄養状態のリスクレベル」
  • 「低栄養状態のリスク(状況)」
  • 「食生活状況等」
  • 「多職種による栄養ケアの課題(低栄養関連問題)」及び「総合評価」

の各項目に係る情報を、やむを得ない場合を除き、提出する必要があります。

参考:科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について

栄養アセスメント加算の留意点

栄養改善加算、口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)との併算定はできません。

また、利用者が栄養改善加算の算定にともなうサービスを受けている間、そして終了した月までは栄養アセスメント加算は算定できません。ただし、栄養アセスメント加算にもとづいたアセスメントによって栄養改善サービスの提供が必要な場合は、栄養改善加算を併算定することが可能です。

参考:介護保険事業者サービス別研修会 【指定通所介護】 – 長野県

栄養アセスメント加算のQ&A

Q1;栄養アセスメント加算について、栄養ケア計画書の作成は必要か? 
A:必要ありません。

引用:令和 3 年度介護報酬に関する質問と回答(Vol.3) 

Q2;栄養アセスメントを行う頻度はいつですか?
A:栄養アセスメントは 3 ヶ月に 1 回以上、体重は 1 ヶ月毎に測定することで毎月算定が可 能です。栄養アセスメント加算で低栄養状態のリスクが高いことが判明した場合は、栄養改善加算につなげていただき、丁寧なモニタリングや栄養改善サービスを行っていただくこ とを想定しています。

引用:令和 3 年度介護報酬に関する質問と回答(Vol.3) 

Q3;外部の管理栄養士とはどこに所属の管理栄養士でしょうか?
A:下記の通知文を確認してください。 

○指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管 理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関 する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(P51-52 )

引用:令和 3 年度介護報酬に関する質問と回答(Vol.3)

⇒加算算定業務が誰でも簡単にできる!資料を見てみる

栄養アセスメント加算と栄養改善加算の違い

ここでは栄養アセスメント加算と栄養改善加算の違いについて解説します。

⇒加算算定業務が誰でも簡単にできる!資料を見てみる

対象者の違い

栄養改善加算は、以下の条件のいずれかに当てはまっている利用者が対象です。

  • BMIが18.5未満
  • 1〜6ヵ月間で体重が3%減少している、あるいは2〜3kg以上減少している
  • 血清アルブミン値が3.5g/dl以下
  • 食事摂取量が不良(75%以下)である
  • その他の低栄養状態にある、またはその恐れがある

一方で、栄養アセスメント加算の対象者は、「通所系サービスや看護小規模多機能型居宅介護を利用している利用者」です。

栄養アセスメント加算で全体から栄養改善が必要な利用者さんをピックアップし、低栄養の利用者さんの栄養改善の取り組みを行うのが栄養改善加算ということになります。

そのため、低栄養状態、あるいはその恐れがある利用者を対象とした栄養改善加算の方が範囲は限定的といえるでしょう。

対象介護サービスの違い

栄養改善加算の対象介護サービスは、栄養アセスメント加算と同様、以下5種類の施設が対象になっています。

  • 通所介護
  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 通所リハビリテーション
  • 看護小規模多機能型居宅介護

単位数の違い

栄養アセスメント加算が「50単位/月」なのに対して、栄養改善加算は「200単位/回(月2回まで)」となっています。

利用者の栄養状態が不明瞭で、アセスメントが必要な場合は栄養アセスメント加算を行います。

低栄養状態またはその恐れがあると判断し、そのケアを行う際は栄養改善加算の算定が適切といえるでしょう。

参考:介護保険事業者サービス別研修会 【指定通所介護】 – 長野県

栄養改善加算についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎通所介護の栄養改善加算とは?算定要件・具体的な算定方法

利用者の栄養状態を評価して、適切な対処を

栄養アセスメント加算は、利用者の栄養状態を評価して、適切なサービスを提供するための重要な要素です。算定する際は、ケアマネジャーと連携して適切な手順を踏むことを心がけましょう。

また、栄養改善加算との違いについても理解しておくことが大切です。栄養アセスメント加算とは単位数や算定要件などが異なる点に注意してください。

利用者の健康状態をいち早く把握し、より良いアプローチを提供できるように、栄養アセスメント加算の適用を検討してみましょう。

加算算定、書類業務でお困りならRehab Cloudがおすすめ

日々の加算算定業務や記録業務などで苦労されている人も多いのではないでしょうか?科学的介護ソフト「Rehab Cloud」であれば、現場で抱えがちなお悩みを解決に導くことができます。

例えば、加算算定業務であれば、計画書作成や評価のタイミングなど、算定要件に沿ってご案内。初めての加算算定でも安心して取り組めます。さらに、個別性の高い計画書は最短3分で作成できます。

記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。

⇒資料のダウンロードはこちらから

この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

関連記事