整容動作の機能訓練とリハビリ:訓練手順と目的・必要な機能とは
機能訓練
2024/11/06
機能訓練
その他
更新日:2024/10/21
介護では「リハビリ」という言葉をよく使いますが、リハビリの定義やその重要性、介護施設で行うリハビリの種類などは、正しく把握しているでしょうか。ここでは、もともとの「リハビリテーション」の意味やリハビリの重要性、機能訓練との違いなど、リハビリテーションに焦点を当てて解説しています。
この記事の目次
リハビリテーションは、以下のように定義されています。
医学的,社会的,教育的,職業的手段を組み合わせ,かつ相互に調整して,訓練あるいは再訓練することによって,障害者の機能的能力を可能な最高レベルに達せしめることである
引用:一般社団法人 日本医療・病院管理学会|リハビリテーション(2023年12月11日確認)
また、リハビリテーションはラテン語の「re(再び)」と「habilis(適する)」が語源とされています。
リハビリは運動や機能回復のことを指しているイメージがありますが、それだけでなく「自分らしく生きること」や「再び適応できるようになる」などの目的が含まれている、ということです。
リハビリテーションは1つだけでなく、以下の4つの分野に分かれています。
ここではそれぞれのリハビリテーションの内容について解説します。
医学的リハビリテーションとは、医師の指示によって理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の専門職によって行われるリハビリです。
医学的リハビリでは、心身機能の回復を目的にリハビリが行われます。
おもに病院や診療所などの医療機関で行われており、一般的に「リハビリ」はこの医学的リハビリを指すことが多い傾向にあります。
社会的リハビリテーションとは、「社会生活力」を高めることを目的としたリハビリです。社会生活力とは、社会生活を送るうえで求められる能力を指す言葉です。
社会的リハビリでは、公共交通機関の利用や仕事をするための相談機関の活用、スキルの獲得などを実施します。
教育的リハビリテーションとは、障害のある方や児童の能力向上のために行われるリハビリです。教育によって能力を高めて、社会生活を送れるようにすることがおもな目的です。
その他にも、生涯教育や社会教育などの社会人に対して行われるものも教育リハビリに該当します。
職業的リハビリテーションとは、障害のある方に適した職業につき、継続して働けるようにするためのリハビリです。
本人の希望や能力をもとに適切な職業を評価し、継続して働けるような職業訓練を実施します。
障害者総合支援法に定められている「就労移行支援」や「就労継続支援」などの就労をサポートする制度も、この職業的リハビリに含まれています。
介護におけるリハビリでは、身体機能の改善だけでなく、「活動・参加」のポイントにも目を向けながら行うことが大切です。
介護サービスでのリハビリを提供する際に、利用者は身体機能の改善だけでなく「外出ができるようになりたい」「地元の交流会に参加したい」などを希望する場合もあります。
そのため、より広い視点でのリハビリを提供する必要があるでしょう。
介護リハビリの対象となる方はさまざまです。
病気やケガによって障害を抱えた方だけでなく、それ以外にも何らかの原因で日常生活に支障をきたしている方も対象となります。
病気やケガ以外の要因としては、以下の通りです。
また、介護保険内のリハビリの場合は、要介護認定を受けている方が対象となります。
介護保険の要介護認定について知りたい方は、以下の記事を参考ください。
▶︎介護保険の要介護認定とは|認定調査から判定の方法、認定区分・有効期間の基準
リハビリは医療保険での「医療リハビリ」と介護保険での「介護リハビリ」に分けられます。なお、この記事では
と呼ぶことにします。
それぞれの違いは以下の通りです。
このように、医療保険と介護保険でのリハビリでは意味合いが異なります。
なお、医療保険と介護保険の併用は基本的にできません。医療保険よりも介護保険の適用が優先されるという点をおさえておきましょう。
なぜ高齢者はリハビリを行うことをすすめられているのでしょうか。ここでは、高齢者がリハビリを行う目的と重要性について解説します。
高齢者がリハビリを行う目的にはさまざまあり、その1つには自立して生活を送れるようにすることがあげられます。リハビリは、ただ身体機能の改善を目指すだけではありません。
その他にも、日常生活を送るうえで必要な動作の獲得や社会参加など、その方の目的にあわせながらリハビリを進めていきます。
このように、それぞれの目的に対して適切なリハビリを提供し、QOLを高めていくことが大切です。
またQOLは医療・介護ともによく使われる概念です。以下の記事を読んで基本的な考え方や評価方法を学んでおく必要があります。
▶QOLとは 生活の質を表すQOLの意味とQOL評価法の基礎知識
高齢になってくると身体の衰えだけでなく、高血圧や糖尿病などの疾患を抱えやすくなります。リハビリの実施は、そのような疾患をこれ以上悪化させないようにするための重要な役割を担っているのです。
また病気やケガになったときに、リハビリによって身体機能の改善を図り、要介護・寝たきり状態を防ぐためでもあります。
リハビリを行わないと活動量が低下し、身体の衰えが早まってしまう恐れがあります。
その結果、もともと抱えていた疾患の症状が悪化したり、病気やケガの影響で寝たきり状態になったりするでしょう。
このような負の循環を防ぐには、リハビリの実施が重要となります。
介護保険を利用したリハビリには、以下のような種類があります。
ここではそれぞれのサービスについて詳しく解説します。
通所リハビリとは、介護老人保健施設や病院などの施設に通い、リハビリを受けられるサービスです。理学療法士や作業療法士などの専門職が在籍しており、利用者の状態に適したリハビリを提供してくれます。
またリハビリだけでなく、食事や入浴などのサービスにも対応しています。看護師も在籍しているので、医療的なケアも受けることが可能です。
訪問リハビリとは、理学療法士や作業療法士が訪問し、自宅でリハビリを受けられるサービスです。通所リハビリとは異なり、外出せずにリハビリを受けられるのが大きな特徴です。
そのため、外出するのが難しい方や、自宅環境でリハビリを受けたい方におすすめといえます。
自宅でリハビリをする都合上、運動機器の利用はできませんが、家屋環境を把握したうえで適切な動作指導をしてくれます。
短時間通所リハビリとは、短時間利用できる通所リハビリサービスのことです。通常の通所リハビリは朝から夕方までですが、短時間通所リハビリは1〜2時間程度です。
短時間なので食事や入浴のサービスがなく、リハビリのみを受けられます。短時間通所リハビリはリハビリだけを受けたい方や、長時間滞在するのが難しい方におすすめのサービスです。
デイサービスでは、リハビリではなく「機能訓練」という形式でサービスを提供しています。
リハビリと機能訓練の違いとしては、以下の2点です。
リハビリとは、医師の指示のもと、理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職によって行われるものです。
一方で、機能訓練では医師の指示を受ける必要はなく、「機能訓練指導員」と呼ばれるスタッフによって行われます。
機能訓練指導員に該当する職員はリハビリ専門職も含まれていますが、それ以外にも看護師や柔道整復師などの資格を保有している方も対象です。
そのため、機能訓練はリハビリ専門職以外の職種でも提供できます。
どちらも身体機能の維持・向上を目的の1つとしている点は変わりませんが、介護保険のサービスとしての明確な違いがあることをおさえておきましょう。
機能訓練については以下の記事でも詳しく解説しています。こちらもご一読ください。
▶機能訓練とは?デイサービスで行われる機能訓練のメニュー例
自宅でリハビリしたいと考えている方は、「リハブスタジオ」がおすすめです。
リハブスタジオとは、利用者にあわせたリハビリプログラムを自宅で受けられるオンライン支援サービスです。リハビリ専門職が利用者の目標や身体機能をアセスメントし、オリジナルのリハビリをご提案します。
オンラインで直接一緒にリハビリのアドバイスを受けられるので、運動を楽しく続けることが可能です。利用者には、リハビリを受けるための専用タブレット端末を貸し出しています。
遠隔サポートもしているので、はじめて端末を操作する方でも安心して利用できます。
▶自宅からオンラインでリハビリ専門職による介護リハビリが受けられるリハブスタジオ
リハビリテーションには身体機能の改善だけでなく、「自分らしく生きること」や「新しい変化に適応すること」などの意味合いが含まれています。
リハビリには医学的、社会的などのさまざまな分野に分かれており、それぞれ目的が異なります。
リハビリの実施は病気やケガによって低下した機能の改善を促すだけではありません。
身体機能や活動量の低下、寝たきり状態を防ぐ役割もあるため、高齢者にとってリハビリを行うことは重要な取り組みといえます。
この記事を参考にして、リハビリの目的や重要性についてあらためて理解しておきましょう。
日々の加算算定業務や記録業務などで苦労されている人も多いのではないでしょうか?科学的介護ソフト「Rehab Cloud」であれば、現場で抱えがちなお悩みを解決に導くことができます。
例えば、加算算定業務であれば、計画書作成や評価のタイミングなど、算定要件に沿ってご案内。初めての加算算定でも安心して取り組めます。さらに、個別性の高い計画書は最短3分で作成できます。
記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。