フレイルを予防する簡単体操ガイド|楽しく取り組める体操7選!飽きずに取り組める環境づくり

コラム

介護スタッフの基礎知識

更新日:2024/04/05

デイサービスではフレイル予防を目的にした体操が行われています。同じ動きばかりになると飽きて取り組みづらくなるため、ときどき新しい動きをプラスしつつ、利用者が楽しくできる環境を作ってあげると良いでしょう。この記事では、フレイル予防に役立つ体操をいくつかご紹介していきます。  

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フレイルとは? 

フレイルとは、加齢によって心身が衰えている状態のことを指す言葉です。

フレイルはもともと、「虚弱」や「老衰」などの意味のある「Frailty(フレイルティ)」という英語が語源とされています。日本老年医学会が提唱を始めた概念です。

フレイルの疑いがある方は、「健康な状態」と「介護が必要な状態」の中間の位置にあるといえます。そのような方が加齢にともなって身体機能が低下し続けると、要介護状態に進行する恐れがあるのです。

フレイルの詳細について知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
フレイルの原因と対策|栄養の取り方・サルコペニアとの違いや運動対策を紹介

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フレイル予防には体操が有効

フレイルの発症を予防し、要介護状態に進行させないためには、体操を行うことが有効です。体操で身体を動かすことで筋力の維持・向上につながり、フレイルの発症防止が期待できます。

また、体操はフレイルの方だけでなく、高齢者全般におすすめできる運動といえます。日常生活でふらつきを感じる方や身体機能の低下が気になる方も、体操の実施がおすすめです。

集団体操やレクリエーションのプログラムを知りたい方は、こちらの記事をご一読ください。
▶︎デイサービス体操 全21種|高齢者が椅子に座ってできる運動方法のご紹介

体操の前に!覚えておきたい注意点

体操を行う際に注意しておきたいポイントは、以下の通りです。

  • 調子が悪いと思ったら無理せずに体操を中止する
  • 呼吸を止めないようにする
  • こまめに水分補給する
  • 転倒しないような安全な環境で行う

これらの点に注意しながら体操を進めていきましょう。無理な運動はかえってケガにつながる可能性があるので、なるべく余裕を持って行うことが大切です。

参考:我孫子市|高齢者のためのフレイル予防体操動画(2023年12月24日確認)

フレイル予防に役立つ体操7選

ここではフレイル予防に役立つ体操についてご紹介します。

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上半身を鍛える運動

【用意するもの】
背もたれのある椅子

【必要な広さ】
両手を広げても問題ない程度の広さ

【体操の手順】

  1. 椅子に座り両手を持つ
  2. 両手を前に伸ばす・戻すを10回繰り返す
  3. 両手を上に伸ばす・戻すを10回繰り返す
  4. 前に伸ばした両手を時計回り・反時計回りに10回捻る
  5. 肩を時計回り・反時計回りに10回回す
  6. 2〜5の手順を2セット行う

【体操をするときのコツ】
体操を行っているときはなるべく姿勢をまっすぐにしましょう。肩を動かす際は痛みがない範囲で行ってください。

上半身を鍛える運動は以下の記事でも紹介しています。ぜひ取り組んでみてください。
セラバンドトレーニング上半身編|高齢者におすすめのリハビリ運動【11選】

指を動かす運動

【用意するもの】
背もたれのある椅子

【必要な広さ】
手を前に出しても問題ない程度の広さ

【体操の手順】

  1. 椅子に座る
  2. 手を前に出しグーパーと指の曲げ伸ばしを10回行う
  3. 親指から順番に指を折る
  4. 小指から順番に指を広げる
  5. 手順2〜4を3セット行う

【体操をするときのコツ】
指を動かす際はきっちりと折ったり、広げたりするように意識しましょう。指を動かすのがぎこちない場合は、掛け声でリズムをとって行ってください。

指を動かす体操は以下の記事でも紹介しています。ぜひ取り組んでみてください。
高齢者のための指体操 全11種|椅子に座って脳の活性化をしよう!

下半身を鍛える運動

【用意するもの】
背もたれのある椅子

【必要な広さ】
足を動かしても問題ない程度の広さ

【体操の手順】

  1. 椅子に座る
  2. 膝伸ばしを20回行う
  3. つま先上げを20回行う
  4. 踵上げを20回行う
  5. 足の位置はそのままにして、太ももを開く・閉じるを20回行う
  6. 手順2〜5を2セット行う

【体操をするときのコツ】
足を動かす際はゆっくり行うようにしましょう。太ももを開く・閉じる運動が行いにくい場合は、椅子を浅く座ってから実施してみてください。

下半身のトレーニングは以下でも紹介しています。座位なので多くの人が取り組めるでしょう。
【理学療法士監修】下肢筋力トレーニング|高齢者が座位でできる筋力トレーニング22選

姿勢改善のための運動

【用意するもの】
背もたれのある椅子

【必要な広さ】
両手を広げても問題ない程度の広さ

【体操の手順】

  1. 椅子に座る
  2. 姿勢を丸めて骨盤を後ろに倒す
  3. 姿勢を伸ばして骨盤を立てる
  4. 2〜3の手順を10回繰り返す
  5. 背筋を伸ばしたまま両手を前に伸ばす
  6. 上半身を前に傾ける・戻るを10回繰り返す
  7. 手順2〜6を2セット行う

【体操をするときのコツ】
上半身を前に傾ける体操を行う際は、前方に転倒しないように注意してください。難しい場合は杖を持ちながら行うのもおすすめです。

ほかにも姿勢保持・座位保持の運動メニューがたくさんありますので、参考にしてください。
高齢者が座ってできる体操|転倒予防・座位保持につながる部位別トレーニング

全身を動かす運動

【用意するもの】
背もたれのある椅子

【必要な広さ】
両手を広げても問題ない程度の広さ

【体操の手順】

  1. 椅子に座る
  2. 両手を交互に振りながら足踏みを20回行う
  3. 右手を上に伸ばしつつ左膝を伸ばす
  4. 反対の手足でも行い、20回繰り返す
  5. 手を前に出してグーパーしながらつま先上げを20回行う
  6. 手順2〜5を2セット行う

【体操をするときのコツ】
動きがぎこちない場合は、声かけや手拍子でリズムをとってみましょう。足踏みをする際は背筋を伸ばしながら行うことを心がけてください。

座位でもできる運動メニューを紹介していますので、みんなで取り組みましょう。
デイサービス体操 全21種|高齢者が椅子に座ってできる運動方法のご紹介

立った状態で行う運動

【用意するもの】
机や手すりなどの支えがあるもの

【必要な広さ】
立った状態で両手を広げても問題ない程度の広さ

【体操の手順】

  1. 机や手すりなどの支えのある場所に立つ
  2. 足踏みを20回行う
  3. スクワットを15回行う
  4. 上半身を左右に10回回す
  5. 両手を広げて深呼吸を3回行う

【体操をするときのコツ】
足を動かす体操をするときは机や手すりなど、支えのあるものに軽く手を添えながら行いましょう。スクワットをする際は足を肩幅程度に広げ、膝を曲げすぎないように意識してください。

ほかにも立位でできる運動を紹介していますので、参考にして取り組んでください。
立って出来る介護予防体操|下肢筋力向上や体幹バランスに効果的な運動

口を動かす運動

【用意するもの】
背もたれのある椅子

【必要な広さ】
座った状態で窮屈にならない程度の広さ

【体操の手順】

  1. 椅子に座る
  2. 「ウー」と口を5秒間すぼめる
  3. 「イー」と口を5秒間横に広げる
  4. 舌を口のなかで時計回り・反時計回りに3周動かす
  5. 「パ・タ・カ・ラ」と発音しながら口を動かし、5回行う
  6. 手順2〜5を2セット行う

【体操をするときのコツ】
口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどを含む口内のフレイルのことを「オーラルフレイル」と言います。身体を動かす体操と一緒に口の体操も行っていきましょう。

発音よりも口や舌をよく動かすことを意識しながら行ってください。

表情筋や頬のマッサージも紹介しています。楽しみながら取り組んでいきましょう。
高齢者の笑顔体操|みんなでできる表情筋トレーニング・ストレッチ

体操を続けてもらうコツとモチベーションの保ち方

フレイルを予防する体操を続けてもらうためには、体操を行う意義を理解してもらうことが重要です。何のために身体を動かすのかを理解することで、体操に対するモチベーションを保ちやすくなります。

その状態で毎日継続的に体操を行えば、習慣化につながるでしょう。

その他にも、体操の内容をプリントして自宅でも行えるようにしたり、家族に説明して体操を促してもらったりするのもおすすめです。

このような働きかけによって体操を継続的に行ってもらい、フレイル予防を目指していきましょう。

▶フレイル予防には科学的介護ソフト「Rehab Cloud(リハブクラウド)」

フレイルを予防する重要性を理解して体操の習慣化を

フレイルは加齢によって心身が衰えている状態であり、その状態が継続すると介護が必要となる恐れがあります。その状態を防ぐためにも、デイサービスでフレイル予防の取り組みを行うことは重要な要素といえます。

利用者に体操を続けてもらうためには、バリエーションなどを変えるだけではなく、フレイルを予防する大切さを理解してもらうことがポイントです。

また、体操の仕方がわからない場合は、こちらで丁寧にリードすることを意識しましょう。今回の記事を参考にして、フレイル予防の体操を考えてみてください。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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