介護過程の基礎知識|目的・4つのステップ・具体的事例

コラム

介護スタッフの基礎知識

更新日:2024/01/19

介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修など、介護に関わる資格で「介護過程」という言葉を耳にすることがあります。介護過程とは介護現場で大切な役割を担うプロセスのことです。ここでは、初めて介護現場で働く人も改めて介護過程の意味を抑えられるように、その意義や目的について解説しています。

介護過程とは

介護過程とは、利用者がその人らしく生活を過ごせるようにするために行うプロセスのことです。基本的に、以下の一連の流れを介護過程と呼びます。

  1. アセスメント
  2. 計画立案
  3. 介護の実施
  4. 評価

このようなプロセスによって利用者の課題点を抽出し、それを改善するためのアプローチを実施・評価します。

なぜ介護過程が重要なのか

介護過程が重要視される理由として、「そのケアを行う必要性」を客観的に説明できるからです。

提供する介護サービスが必要なのかどうかを判断するには、サービス内容や利用者の状態などの情報が欠かせません。

そのような情報が記録されていないと、提供した介護サービスの妥当性や必要性が判断できません。

アセスメントや計画案などの内容が記載されている介護過程を記録に残しておけば、根拠のある介護サービスを提供していることを示せます。

介護過程の4ステップ

先ほど説明したように、介護過程は以下の4つのステップに分かれています。

  1. アセスメント
  2. 計画立案
  3. 介護の実施
  4. 評価

ここではそれぞれのステップについて詳しく解説します。

ステップ1:アセスメント

最初の過程のアセスメントでは、利用者の情報を収集してどのような課題があるのかを明確にします。

情報収集の方法としては、以下の通りです。

  • 利用者や家族からの聴取
  • 動作の確認
  • 利用している他サービスの担当者からの聴取

これらの情報をもとに、どのようなアプローチが必要かを検討します。アセスメントをする際は、利用者に先入観を持たないようにして、多くの視点から情報を集めることが大切です。

ステップ2:計画立案

2つ目の計画立案では、前回のステップで収集した情報をもとにサービス計画書を作成します。計画を立案する際は、明確になった課題を解決するためのプランを立てていきましょう。

目標設定はもちろん、目標を達成するためにはどのようなアプローチ方法が良いのかをイメージしながら作成することが大切です。

ステップ3:実施

このステップでは、作成したサービス計画書に沿った内容を実践していきます。

利用者にサービスを提供する際は、計画書の内容を意識しつつ、「このケアを実施した根拠」を明確にしておくことが重要です。

ケアをしたときに「どんな理由で実施したのか」を説明できるようにしておきましょう。

ステップ4:評価とフィードバック

最後のステップでは、実践したケアの効果と目標までの達成度を評価します。そして評価で得られたフィードバックをもとに、どのような課題点があったのかを見つけます。

課題点が新しく見つかった場合や目標を達成できなかった場合は、再度ステップ1のアセスメントから行いましょう。

この「アセスメント」から「評価とフィードバック」の介護過程を繰り返し行うことで、より良い介護サービスにつながるのです。

ケアマネジメントと介護過程はどう違う? 

ケアマネジメントとは、介護や支援を必要としている人が希望に沿った生活を送れるよう、生活状況・心身状況を踏まえて介護サービスを組み合わせたプランを提供することです。

多職種による総合的な支援プロセスと言えます。 ケアプランの作成もケアマネジメントの一部に含まれています。

一方で、介護過程は利用者が自分らしく生活を過ごすための支援プロセスのことです。介護過程を明確化できる介護サービス計画を介護職が作成し、サービス内容や目標などを記載します。

このように、ケアマネジメントと介護過程は定義が異なるので、それぞれを混同しないように注意しましょう。

事例から学ぶ介護過程

ここでは介護過程の事例についてご紹介します。実際に介護過程に取り組んだときにどのようなメリットがあるのかをみていきましょう。

ペア担当の設定でケアの質が向上

埼玉県の特別養護老人ホームでは、これまで看護職1人で居室の患者を担当する形式でした。しかし、ケアの質の観点から看護職2人1組で居室の患者を受け持つ形式に変更しました。

ペアで担当をすることで得られるメリットとして、お互い相談をしやすい環境が整うことでケアの質の向上が期待できる点です。

また、責任感や達成感も得られやすいというメリットもあります。ペアで担当する形式に変更したことで、人材育成の効率化や離職率の低下などの実績が生まれました。

わかりやすい介護計画書でケアの標準化を

埼玉県の介護老人保健施設では、個別ケアの推進のために「利用者の目標やニーズを明確化する」という課題が掲げられていました。

そこで、介護過程の取り入れにあたって、わかりやすい介護計画書を作成しました。この計画書には計画と評価が1つにまとめられており、項目ごとに注意点や変更点が記載できるようになっています。

また、評価内容がすぐにわかるように、「⚪︎」「×」の項目もあります。

わかりやすい計画書を作成するメリットとして、情報を共有しやすい点や、どのケアが得意・不得意なのかが理解しやすい点です。

この計画書の作成によって、ケアの標準化につなげることができました。

書類・記録のIT化で効率的な業務に

東京都の介護老人保健施設では、介護過程を取り入れるにあたってケアマネジメントツールを導入しました。ツールの導入によって書類や記録をデジタルで一括管理することとなりました。

IT化のメリットとして、書類や記録をいつでも閲覧でき、共有が容易となった点です。目標やケアの内容を把握しやすくなったことで、他職種との認識のズレが減り、連携がしやすくなりました。

また、手書きによる作業がなくなったことで、業務負担の軽減にもつながっています。

介護過程を理解して適切なサービスの提供を

介護過程とは、支援によって利用者が自分らしい生活を送れるようにするためのプロセスのことです。ケアを実施する根拠やエビデンスを証明するためには、この介護過程を記録しておくことが大切です。

介護過程には「アセスメント」「計画立案」「実施」「評価とフィードバック」の4つのステップに分かれており、この繰り返しによって介護サービスの質向上につながります。

また、介護過程はケアプランとは役割や内容が異なる点に注意してください。今回の記事を参考にして、介護過程の意義や目的についてあらためて理解しておきましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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