バーセルインデックスとは?評価項目と基準・評価する人・評価方法など

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更新日:2024/02/22

バーセルインデックスは、要介護者や病気を持つ人の日常生活動作(ADL)を評価するための指標のひとつです。デイサービスでは「ADL維持加算」導入に伴い、バーセルインデックスによる評価が用いられています。この記事ではバーセルインデックスの特徴やメリット、ほかのADL評価との違いなどを解説しています。  

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バーセルインデックス(BI:Barthel Index)とは

バーセルインデックス(BI:Barthel Index)とは、食事や着替えなどの日常生活動作を評価する検査方法のこと。頭文字から「BI」と略されることもある、国際的なADL評価の一つです。

病院の患者や介護施設で利用者の日常生活動作(ADL)を評価する際に用いられます。
時間をかけずに正確な評価ができることから、多くのシーンで利用されています。

バーセルインデックスを用いる理由と目的

バーセルインデックスは、高齢者や障害者の方の身体能力や日常生活動作を表すADLを評価するための検査方法の一つです。国際的な検査方法であること、誰でも簡単に検査できることからバーセルインデックスを利用する病院や介護現場は多くあります。デイサービスでも利用者の身体能力を評価するために用いられます。

ADLを評価する場合は、できることを評価する場合もあれば、すでにできている・していることを評価するパターンもあり、パーセルインデックスは「できるADL」を評価する指標です。

バーセルインデックスの特徴

バーセルインデックスの特徴

  • 採点が簡便で時間がかからない
  • 満点100点のため、わかり易い
  • 世界共通の評価法

バーセルインデックスには、上記のような特徴があります。評価方法が簡易的なことは特に注目すべきでしょう。評価項目は10項目で、2~4段階のわかり易い評価区分は誰にでも理解しやすいのが魅力です。5点刻みなので合計点数も比較的簡単に算出できます。結果が100点満点で出せるため、医療従事者や介護職員はもちろん、利用者本人や家族も理解しやすいでしょう。

一方で、シンプル過ぎる評価区分であることから、検査する人によって結果が変わってしまうこともあります。

似ている検査方法にFIMがあります。FIMとは「Functional Independence Measure(機能的自立度評価法)」の略です。FIMは「しているADL」を重視する日常生活動作の検査方法です。

例えば病院のリハビリでその動作ができたとしても、帰宅後に同じ動作ができなければ利用者のためにはなりません。FIMでは、あらたまった動作テストを実施するよりも、普段の生活での行動を観察し評価します。このためバーセルインデックスより検査項目が多いのも特徴です。

細かいADLは、バーセルインデックスでは評価しづらいので、FIMをはじめとするADL評価方法と併用するのがおすすめです。

最後に100点満点だからといって1人で生活ができるわけではないという点には留意しておきましょう。動作レベルが自立であるということと、全てを1人で生活することは意味が異なります。

バーセルインデックスの評価項目と評価基準

点数の一般的な評価基準

100点:全自立

60点:部分自立

40点:大部分介助

0点:全介助レベル

バーセルインデックスの評価項目は、食事・移乗・整容・トイレ・入浴・歩行(移動)・階段昇降・更衣・排便・排尿の全10項目で構成され、各項目を自立度に応じて15点・10点・5点・0点で採点します。

採点方法は100点満点で採点できるので、見た目にもわかりやすい評価方法です。満点が100点であり全自立、60点が部分自立(カットオフ)、40点が大部分介助、0点は全介助と一般的にされています。

項目別の評価方法

「食事」の評価・採点方法

1 食事 10 自立、自助具などの装着可、標準的時間内に食べ終える
5 部分介助 (たとえば、おかずを切って細かくしてもらう)
0 全介助

自立(10点)
適当な時間内に自分で食事をとって食べることができる。
自助具を自分で装着して食事を食べることができる。

一部介助(5点)
食べ物を細かく切ってもらうなどの介助が必要となる。
自助食器など配置して、取りこぼしがないように一部介助が必要となる。

全介助(0点)
全介助

「移乗」の評価・採点方法

2 車いすからベッドへの移動 10 自立、ブレーキ、フットレスの操作も含む(非行自立も含む)
15 軽度の部分介助または監視を要する
5 座ることは可能であるがほぼ全介助
0 全介助または不可能

移乗は、車椅子からベッドに移乗するまでを評価の対象とします。具体的には、車椅子でベッドに近づく、ブレーキをかける、フットレストを上げる、ベッドに乗り移る、ベッドに横になることから、ベッドから起き上がり、ベッドに座る、車椅子に乗り移るまでを評価します。

自立(15点)
車椅子またはベッドの移乗が全て自分でできる。

一部介助(10点)
移乗動作のいずれかに介助が必要だが、あとは自分でできる。

一部介助(5点)
ベッドから起き上がり座っていることはできるが、乗り移りに介助が必要となる。

全介助(0点)
全介助

「整容」の評価・採点方法

3 整容 5 自立 (洗面、整髪、歯磨き、髭剃り)
0 部分介助または不可能

整容動作は、手洗い、洗顔、歯磨き、髭剃り、化粧の準備や動作が自分でできるかを「自立」か「全介助」かで評価します。

自立(5点)
全ての整容動作が自分でできる。

全介助(0点)
整容動作に介助が必要となる。

「トイレ動作」の評価・採点方法

4 トイレ動作 10 自立 (衣服の操作、後始末を含む、ポータブル便器などを使用している場合はその洗浄も含む)
5 部分介助、体を支える、衣服、後始末に介助を要する
0 全介助または不可能

トイレ動作は、トイレの出入り、ズボン・下着の上げ下げ、お尻を拭く、流すなどが自分でできるかを評価します。

自立(10点)
全てのトイレ動作が自分でできる。
ポータブルトイレや尿器を使用して洗浄などもできる。
手すりや福祉用具を使用しているが自分で全てできる。

一部介助(5点)
ズボンのお尻の部分を一部介助する必要があるが、その他は自分でできる。
トイレットペーパーをとってあげる必要があるが、その他は自分でできる。
バランスが不安定なため、支える程度の介助が必要となる

全介助(0点)
全介助

「入浴」の評価・採点方法

5 入浴 5 自立
0 部分介助または不可能

入浴は、浴槽に入る、シャワーを使う、体を洗う、頭を洗うといった動作が自分でできるかを2段階で評価します。

自立(5点)
全ての入浴動作が自分でできる
シャワー浴で入浴できる
自分で浴槽内で入浴できる

全介助(0点)
入浴に介助が必要となる

「歩行」の評価・採点方法

6 歩行 10 45M以上の歩行、補助具(車いす、歩行器は除く)の使用の有無は問わず
15 45M以上の介助歩行、歩行器の使用を含む
5 歩行不能の場合、車いすにて45M以上の操作可能
0 上記以外

歩行の評価では、平地の歩行または車椅子の移動ができるかを4段階で評価します。

自立(15点)
見守りまたは介助なしに45m以上歩ける。
装具、義足、杖、松葉杖、歩行器(車輪付きは除く)を使用して45m以上歩ける。
装具の場合は、継手のロックが自分できる。

一部介助(10点)
見守りまたはわずかな介助があれば45m以上歩ける

全介助(5点)
車椅子を自分で操作して45m以上移動ができる
車椅子で角を曲がること、方向転換、テーブル・ベッド・トイレなどを含めた45m以上の移動ができる

全介助(0点)
歩行または車椅子での移動に全介助が必要となる

「階段昇降」の評価・採点方法

7 階段昇降 10 自立、手すりなどの使用の有無は問わない
5 介助または監視を要する
0 不能

階段昇降では、階段を安全に昇り降りができるかを3段階で評価します。階段の段数はとくに問われてはいません。

自立(10点)
見守りまたは介助なしで安全に階段の昇降ができる
手すりや松葉杖、杖を利用して階段の昇降ができる

一部介助(5点)
見守りまたはわずかな介助があれば安全に階段の昇降ができる

全介助(0点)
階段昇降に全介助が必要となる

「着替え」の評価・採点方法

8 着替え 10 自立、靴、ファスナー、装具の着脱を含む
5 部分介助、標準的な時間内、半分以上は自分で行える
0 上記以外

着替えでは、上衣・下衣・下着・靴・装具などを着脱できるかを3段階で評価します。

自立(10点)
全ての衣類や靴、装具やコルセットの着脱ができる。

一部介助(5点)
着替えに介助を必要とするが、作業の半分以上は自分でできる。

全介助(0点)
着替えに全介助が必要となる。

「排便」の評価・採点方法

9 排便コントロール 10 失禁なし、浣腸、坐薬の取り扱いも可能
5 ときに失禁あり、浣腸、坐薬の取り扱いに介助を要する者も含む
0 上記以外

排便コントロールでは、便失禁がないかを3段階で評価します。

自立(10点)
失禁がなく排便コントロールが可能。
脊髄損傷者などは坐薬や浣腸を使っても良い。

一部介助(5点)
坐薬や浣腸に介助が必要となる。
たまに便失禁がある。

全介助(0点))
常に便失禁がある。

「排尿」の評価・採点方法

10 排尿コントロール 10 失禁なし、収尿器の取り扱いも可能
5 ときに失禁あり、収尿器の取り扱いに介助を要する者も含む
0 上記以外

排尿コントロールでは、失禁がないかおしっこがないかを3段階で評価します。

自立(10点)
失禁がなく排尿コントロールが可能。
脊髄損傷者などは収尿器の着脱や清掃管理ができていること。

一部介助(5点)
たまに尿器やトイレに行くまで間に合わず尿失禁することがある。
収尿器の着脱や管理に介助が必要となる。

全介助(0点)
常に尿失禁がある。
全介助が必要となる。

バーセルインデックスとFIMの違いとは?

両者ともに国際的なADL評価という共通点がありますが、FIMは評価項目が18項目と多く、採点方法が細かく規定されているため、病院のADL評価としてよく活用されています。

【FIM評価の特徴】

  • 評価項目は計18項目
  • しているADLを評価する
  • 採点は、1点〜7点で評価する
  • 満点は126点で、最低点は18点とする
  • コミュニケーション能力と社会的認知能力の認知項目も評価できる

【FIM評価のメリット】

  • 採点方法が細かく規定されている
  • ADLの自立度と介護量を点数で把握することができる
  • 世界共通の評価のため研究や発表の際にデータの集約として活用しやすい
  バーセルインデックス FIM
ADL評価の内容 できるADL しているADL
認知項目 なし あり
点数 100点満点 126点満点
評価項目 10項目 計18項目
難易度 簡単 難しい
評価にかかる時間 短い やや長い

デイサービスでバーセルインデックスの評価ができる人は?

ADL維持等加算を算定する時にバーセルインデックスの評価を行うことができる人は以下の通りです。

  • バーセルインデックスの評価方法についての研修を受けた人
  • 厚生労働省が作成予定のバーセルインデックスに関するマニュアルや動画を用いて評価方法を学習した人

また介護施設や介護サービス事業所では、バーセルインデックスによる評価を行う介護職員は、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の指導や研修を受けた者に限定している場合があります。バーセルインデックスを用いて初めて評価をする職員には、理学療法士を同席させたりすることで、評価の質を担保する工夫も見られます。

ADL維持等加算を算定するときの評価者は?

ADL維持等加算は、令和3年の介護報酬改定前まではバーセルインデックスを計測できる者を機能訓練指導員に限っていました。しかし、令和3年の介護報酬改定で、計測するのは“適切に評価できる者”に変更されています。

適切に評価できる者の定義としては、バーセルインデックスの測定方法に係る研修を受講していることや厚生労働省が作成予定のマニュアル及びバーセルインデックスの測定についての動画等を用いて測定方法を学習した者です。

ADL維持加算でバーセルインデックスを利用する方法や計算式は、以下の記事で詳しく解説しています。

ADL維持等加算の計算方法は?バーセルインデックス(BI)や利得の計算式を解説

バーセルインデックスは利用者評価の主軸となる指標

バーセルインデックスは、世界的に使われている検査方法です。誰でも簡単にADLを評価できる点が魅力的です。一方で簡易的な検査項目だからこそ、バーセルインデックスのみで細かく評価するのは難しいでしょう。その場合は、FIMなど他の検査方法と併用するのがおすすめです。

ADLの加算項目としては、欠かせないので検査方法や検査できるようにするために研修を受けるなどバーセルインデックスの理解を深めることが大切になります。

以下に、厚生労働省の動画があるので参考にするとよいでしょう。

参考:科学的介護情報システム(LIFE)について

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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