介護ソフトのデータ移行はどこまでできる?注意点と安全に引き継ぐ方法
運営ノウハウ
2026/10/15
この記事の目次
地域の介護を、みんなで豊かに。「地域共創プロジェクト」への想い
本プロジェクトは、地域のデイサービスが持つ素晴らしい「現場での工夫や知恵」を事業所内だけに閉ざすのではなく、地域全体で分かち合うための取り組みです 。
現在、介護業界は人手不足や物価高騰といった厳しい経営環境に直面しています 。しかし、そんな中でも「利用者様をもっと元気にしたい」「職員が輝ける職場を作りたい」と、日々試行錯誤を続けている現場が、私たちの街にはたくさんあります 。
個々の事業所が「孤立」して悩むのではなく、その知恵を「バトン」として繋いでいくこと 。それこそが、地域の介護の質を高め、高齢者の皆様が安心して暮らせるインフラを守ることになると私たちは信じています 。
今回のイベントレポートでは、地域を支える先行事例として登壇いただいた法人の、熱い想いとリアルな舞台裏をお届けします 。
「誰もが元気になれる空間をデザインする。これが私たちの理念であり、すべての原点です。けれど、ただ目の前の空間を盛り上げる『活気』だけでは足りない。その賑やかな土台の上に、いかにリハビリの『専門性』を正しく載せ、利用者様の実際の生活改善に結びつけていけるかが、本当の自立支援なのだと気づきました」
株式会社Gen.(げんてん)の代表であり、理学療法士でもある柴田剛宏さんは、自らの苦い葛藤と、それを仕組みで乗り越えた組織づくりの軌跡をそう語ります。
柴田さんは2022年8月、世田谷区に半日型のリハビリ特化型デイサービス「リハプレイスGen.」を開設しました。当初は小さな規模からスタートし、地域のニーズに寄り添いながら一歩ずつ歩みを進め、現在はフロアを広げて地域に深く根ざした自立支援を展開しています。
開業初期の「活気だけに頼ってしまった」というリアルな壁の先に見出した、チームの力と、現場のスタッフが誇りを持って動ける環境づくりの舞台裏を紐解きます。

「ここに来たら、誰もが笑顔になって元気になれる場所にしたい。そんな一心で立ち上げたので、手拍子を打ち、冗談を飛び交わせるような圧倒的な活気をつくっていました」と柴田さんは振り返ります。フロアは常に笑い声で溢れ、一見すると順調な滑り出しのように思えました。
しかし、運営を続ける中で、専門職としての柴田さんの心の中に、ある真摯な疑問が芽生えます。「リハビリの時間そのものは盛り上がるし、利用者様も楽しんでくださる。けれど、その運動は本当に、ご自宅での日常生活の動きの向上や、日々の暮らしの改善に直結しているのだろうか」という壁でした。雰囲気を明るくする「活気」は絶対に手放さない大切な土台としつつ、その上に本当の自立支援を叶える「専門性」をしっかり上乗せしなければならない。その強い確信から、柴田さんはチームのあり方を見直していきました。
そこで導入したのが、スタッフ全員が役割を分担して1人の利用者様を支えるチーム体制です。リハビリ専門職が個人の技術だけで突き進むのではなく、リハプレイスGen.に在籍するすべての職種がそれぞれの強みを活かしてバトンを繋ぐ体制を整えました。
日々の健康状態を誰よりも正確に把握し、安全のベースを守る看護師。心身の機能を正しく評価し、専門的な訓練を組み立てる機能訓練指導員。端から見れば些細に見える動きも見逃さず、フロアで最も動きやすい環境を整え、本人のやる気を引き出す前向きな声をかける介護職員や生活相談員。「例えば『椅子から立ち上がれない』という課題に対し、筋力や関節の状態を専門的に評価するのは訓練指導員ですが、フロアで実際に立ち上がりやすい環境を作ったり、本人の力を引き出す声かけをしたりするのは介護職や相談員の力です」と柴田さんは言います。
リハプレイスGen.では、リハビリ専門職をはじめとするそれぞれの分野のプロが揃った手厚いサポート体制を整え、ベッドでの施術や歩行訓練などを組み合わせた多角的な自立支援を行っています。個人の献身に頼るのではなく、職種を超えたチームの総合力で、利用者様の「住み慣れた街で自分らしく暮らしたい」という願いに伴走する。この確かな専門性の裏付けがあるからこそ、大切な家族を安心して預けられる場所として、地域の中に確かな安心感を育んでいます。

スタッフが増え、組織が成長するにつれて、柴田さんは情報が一部のスタッフに偏ってしまう「情報の属人化」という課題に直面します。全員が同じ目線で利用者様に向き合うためには、個人の意識に頼るのではなく、誰もがスムーズに情報をキャッチできる環境が必要でした。
そこでリハプレイスGen.では、社内の情報共有ツールを活用し、日々の気づきをタイムリーに、かつ全員がオープンに確認できる仕組みを整えました。これにより、スタッフ間のコミュニケーションがより円滑になり、チームの横のつながりがより強固なものとなりました。
また、リハプレイスGen.には若いスタッフが多く活躍しています。彼らの仕事への熱意を大切に育むため、柴田さんはユニークな試みを行ってきました。その代表例が「ワンアワー飲み会」です。「今の若い世代は、ダラダラと続く昔ながらの付き合いを敬遠しがちだと聞いていました。だからこそ、あえて『仕事の熱い話しかしないよ。時間は1時間ぴったり。それでもいい人は来てね』という明確な条件を提示して企画したんです」
結果は、若いスタッフから日々のケアへの情熱やアイデアが次々と飛び出し、時間を忘れて熱く語り合う素晴らしい場になったと言います。
さらに、スタッフたちが自発的に始めていた熱心な対話が日々の業務負担になってしまわないよう、そのエネルギーを「月に1回の全員ミーティング」へと集約する工夫も行いました。ここでは事業所の状況や目指すべき目標、成果の先にある未来までを全員に共有しています。経営状況や目標をオープンに開示したことで、スタッフの中に「自分たちの手でデイサービスを良くしていく」という誇りと広い視点が芽生え、日々の業務への取り組み方がより主体的なものへと変わっていきました。
柴田さんは「何でもかんでもシステム化し、マニュアル通りに動かせば良いわけではない」とも指摘します。計画書の作成や転記、会計といった定型業務は、システムを賢く活用して徹底的にマニュアル化し、効率を追い求めて時間を短縮すべきです。しかし、サービスの根幹である「利用者様への関わり」においてのみ、あえてマニュアル化しない“その人ならではの価値”を、何よりも大切にしています。
過去には、次の業務や送迎の準備を急ぐあまり、お見送り時の丁寧さに少し欠けそうになってしまうような場面もありました。その際、柴田さんはスタッフに声をかけ、お見送りという瞬間の大切さをチーム全体で改めて確かめ合ったと言います。「利用者様に『今日もここに来て本当に良かった』と心から感じていただくためには、マニュアルを超えた部分にある、相手を想う気持ちや丁寧な関わりこそが不可欠なんです」
システムや仕組みの整備で徹底的に現場の「余白」を創り出し、そこで生まれた豊かな時間を、目の前の利用者様により一層寄り添うための細やかな配慮や、何より深い「対話の時間」へと還元する。この合理性と、どこまでも人間味を大切にする温かさの両立こそが、リハプレイスGen.の提供するケアの質の高さを物語っています。
セミナーでは、参加した地域のデイサービス経営者たちとの間で、リアルな情報交換も行われました。送迎車の運行の工夫や専門職配置の悩み、店舗展開における動向についてディスカッションが交わされるなど、個々の事業所の枠を超えて地域一丸で高齢者様を支えるための、熱い横の繋がりが生まれていました。
「本当に、今はまだ全然上手くいっていないことばかりなのが正直なところです。だからこそ、常にスタッフと本音で話し合いながら、一歩ずつ進めている段階です」
そう実直に、飾らない言葉で語る柴田さんの姿勢は、変化の激しい介護業界において、とても暖かく力強い光を放っています。明るく前向きな「活気」という素晴らしい土台の上に、職種を超えたロジカルな「専門性」を載せ、デジタルツールやミーティングの工夫を賢く駆使して、職員の笑顔と豊かな時間を守る。
リハプレイスGen.が世田谷の街で実践する自立支援のあり方は、大切な家族を預けるご家庭や、この街で暮らす皆様にとって、これからも心強い味方であり、確かな原点(Gen.)であり続けるに違いありません。
▼ 株式会社Gen. リハプレイスGen. (東京都世田谷区)について
電話番号:03-6425-9176
住所:〒158-0084 東京都 世田谷区東玉川1丁目6番11号
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/13/index.php?action_kouhyou_detail_006_kihon=true&JigyosyoCd=1371217504-00&ServiceCd=150
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