整容動作の機能訓練とリハビリ:訓練手順と目的・必要な機能とは
機能訓練
2024/11/06
機能訓練
上肢
更新日:2024/08/21
手指がうまく動かせないと、日常生活に大きな困難が生じます。この記事では、手と手指の機能を取り戻すためのリハビリ方法と作業療法について解説します。手と手指の働き、3つの機能的役割、運動機能の種類についてや、具体的なリハビリ方法を紹介します。また、手指のリハビリに最適な作業療法も取り上げます。最後に、自宅で自主トレする際の注意点についても触れていきます。手指機能の改善を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
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手指の運動方法をご紹介する前に、手や手指の役割と機能を簡単に理解していきましょう。
手・手指は上肢の最も末梢の器官であり、精巧で優れた機能を有しています。具体的には以下の働きや物の識別などの感覚機能を活用した働きを有しています。
その他にも、人の手には自分や他者の接触によって、温もりや優しさ、冷淡さ、繊細さ、力強さなどの感情を受け取る働きもしています。
参照:岡田 徳次 電子技術総合研究所 「指の運動と手作業の分析」
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手・手指の3つの機能的役割には以下の3つがあります。
手・手指の運動機能の種類には以下の種類があります。
人間はこれらの手の運動機能を無意識的に活用していることになります。
それでは、手・手指のトレーニング方法をご紹介していきましょう。
参照:加藤 友紀子 日本人間工学会第51が回大会「手指動作に関する研究」
こちらの運動は、IP(DIP・PIP)・MP関節の運動です。
DIP関節、MP関節には手網靭帯(たづな)が存在しないため、過伸展が可能になります。その反面、脱臼しやすく、関節症変化が生じることになります。
PIP関節は側方のストレスに対して安定性が高いのが特徴です。
※手綱靭帯とは、PIP関節の掌側と両側にて強固に結合しており、過伸展防止の役割を果たしています。
続いて、こちらの運動は対立運動です。対立運動で重要なのは母指の役割です。
母指の運動は、屈曲・伸展・外転・内転・対立の5つの動作を担い、手指の中でも最も複雑な運動を行います。また、先ほど説明したつまみ動作や握り動作時に安定性を得る役割をしています。
手指の運動方法をご紹介していきます。こちらの運動は、小指の外転運動とグリップの運動です。
小指列は強い握り(握力)の主役となる部位です。グリップ動作の際は、小指列を意識してトレーニングすることをオススメします。
こちらの運動は、指先の複合的な運動です。
手・手指は日常生活では、常に複雑な複合運動を行っています。そのため、指一本一本の単独のトレーニングだけでなく一連した複合運動も取り入れてみてはどうでしょうか。
手指のリハビリテーションは、巧緻動作の向上や感覚の回復、関節の可動域の確保、筋力の増強など、多岐にわたるアプローチが必要です。以下に、手指のリハビリに最適な作業療法について詳しくご紹介します。
巧緻動作練習は、手指の細かい動きを訓練し、日常生活動作の向上を目指すものです。これには、手先の器用さを必要とする作業を通じて、運動制御と筋力の強化を行います。
【運動】
感覚練習は、手指の感覚を取り戻すための訓練です。触覚や温度感覚、圧力感覚などを刺激し、感覚機能の回復を促進します。
【運動】
関節可動域訓練は、手指の関節の柔軟性と動きやすさを維持または向上させるための運動です。これにより、関節の硬直や拘縮を防ぎます。
【運動】
筋力増強運動は、手指の筋肉を強化し、握力やつまむ力を向上させることを目的としています。これにより、物を持つ、握る、つまむといった基本的な動作がしやすくなります。
【運動】
自宅で自主トレする際の注意点として、以下の3点を抑えておきましょう。
【無理をしない】
手指のトレーニングは適切な負荷で行い、痛みや疲れを感じたら休むようにしましょう。無理な運動は逆効果となる場合があります。
【正しいフォームを意識する】
正しいフォームでトレーニングを行うことが重要です。誤ったフォームで運動を続けると、効果が半減するだけでなく、けがの原因になる可能性もあります。
【専門家のアドバイスを受ける】
可能であれば、作業療法士などの専門家からアドバイスを受けることが望ましいです。専門家の指導を受けることで、効果的なトレーニング方法や注意点を確認することができます。
今回は、手・手指のトレーニングをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
手・手指の運動は紹介されていることが少なく、なかなか取り入れにくいと思いますが、ここで紹介した方法はデイサービスなどの介護施設でも取り入れやすい運動です。今回ご紹介した運動方法を参考にしてみてください。
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