園芸療法のはじめ方|介護現場の園芸の効果と手順をご紹介
機能訓練
2025/04/09
機能訓練
下肢
更新日:2025/05/16
トレーナーやリハビリなどの専門家も注目する「腸腰筋」を知っていますか?腸腰筋の筋トレは、ランニングをされている方が効率よく走るためにとても大切な部位です。逆に足が重たく感じたり、姿勢が悪くなったなど健康状態が気になる方には腸腰筋のストレッチがオススメです。今回は、そんな腸腰筋の筋トレとストレッチの方法をレベル別にご紹介します。初心者でもできる方法を多くご紹介していますので、是非活用ください。
この記事の目次
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腸腰筋のことを知らない方のために、まずどんな筋肉なのか簡単に役割について解説します。
図の通り腸腰筋は、腰から太ももの付け根にかけて左右対称に位置したところにあります。腸腰筋は、大腰筋(だいようきん)と小腰筋(しょうようきん)、腸骨筋(ちょうこつきん)の3つの筋肉の総称として呼ばれています。
それぞれの筋肉には、異なる役割があります。
腰椎から大腿骨の内側に向かって走る筋肉で、股関節を前に曲げる(屈曲)動きをサポートしています。足を持ち上げるときや、背すじを伸ばして座るときにも大きく関与する筋肉です。また、姿勢の安定にも深く関わっており、体幹をしっかりと支える役目を果たしています。
人によっては存在しないこともある小さな筋肉ですが、ある場合は大腰筋の前面に位置し、大腰筋の補助や腹圧の調整といった役割を担っています。大腰筋ほど強力な動きには関与しませんが、体幹の細やかな調整に役立っています。
骨盤の内側にある腸骨から始まり、大腰筋と合流して大腿骨に付着します。股関節の屈曲動作をサポートし、特に足を素早く動かすときに活躍します。大腰筋とともに「腸腰筋」として一体的に働くことが多く、日常の歩行や階段の上り下りなどに重要です。
参照:Sportsmedicine(2015) No.169 大久保 雄「大腰筋の運動中の機能について 筋電図研究より」(平成29年8月1日アクセス)
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では腸腰筋にはどのような働きがあるのでしょうか?腸腰筋の「日常生活での働き」「スポーツでの働き」「ご高齢者への働き」の3つの働きをご紹介します。
腸腰筋の役割は、太ももや足を持ち上げる時に使う筋肉です。日常生活においては、主に歩く時に地面を蹴って足を降り出す力として働きます。また、仰向けになった状態から「起き上がる」時や「階段・坂道を登る」時に足を上げる力として働く重要な筋肉です。
腸腰筋は「ウォーキング」や「ランニング」などの走る場合に働きます。特に「陸上」などの速く走るようなスポーツにおいて足のスライドに重要な筋肉です。また、体幹の安定性を高めることから「サッカー」や「バスケット」のような他者との接触プレーがあるスポーツでも重要です。
腸腰筋の中でも大腰筋は、「脊柱を安定させる」働きがあります。大腰筋の力が衰えることで姿勢が崩れてしまうことがあります。そのため、ご高齢者の「介護予防」では極めて重要な筋肉です。
▼腸腰筋の働きやトレーニング方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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加齢にともない腸腰筋(特に、大腰筋)の筋肉の萎縮(弱化)は著しく、70代以降のご高齢者では減少率は20歳代の約40%と言われています。
腸腰筋が弱くなってしまうと、アゴを突き出して背中が丸まった猫背姿勢(通称、スウェイバック)や背骨が反ってしまったり、まっすぐになってしまう姿勢(通称、フラットバック)になります。
これは見た目が悪いだけでなく、椎間板への負担を増大させてしまう可能性も高くなります。
理想とされる美しい姿勢には「ニュートラルポジション」という姿勢があります。この姿勢を保つことで効率的に身体を支えることができます。
猫背の方は、上半身が前方に倒れていることが多く重心が前方になります。そのため腸腰筋は働きにくくなり筋肉が弱くなってしまうこともあります。さらに腰が反った状態になることの多い女性は、腸腰筋が常に伸びている状態になっていることもあります。
腸腰筋は上半身と下半身を繋ぎ、姿勢を保つ役割があります。このように腸腰筋が弱くなっていると股関節や骨盤帯が不安になってしまいます。腸腰筋の筋トレに取り組んで美しい姿勢を保っていきましょう。
▼高齢者の姿勢についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
腸腰筋は、筋トレを行うことで、効率よく速く走れるようになると言われています。短距離の陸上選手やランニングをされる方は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
ではなぜ効率よく走れるのでしょうか?その理由をご紹介します。
また、サッカーやバスケットなどの瞬発能力を要す競技においては「腸腰筋」が発達している傾向あるということがわかっています。そのため、走る要素の含まれるスポーツ選手においては腸腰筋の筋トレはとても重要になります。
参照:浜松ホトニクス株式会社スポーツホトニクス研究所「高校生スポーツ選手の競技種目別の大腰筋断面積」(平成28年8月1日アクセス)
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では、まずは自宅のベッドや床でもトレーニングすることができるように寝たままできる腸腰筋の筋トレをご紹介します。
こちらの足上げ運動は、腸腰筋の筋トレの中でも仰向けでできる初心者向けのトレーニングです。日頃運動習慣がない方が筋トレを始めると筋肉の疲労が強くなったり、腰に痛みが出る方も多いのではないでしょうか?こちらの筋トレは、膝を曲げることで腰部の負荷を抑えてトレーニングすることができます。腸腰筋の筋トレの導入編として取り組んでみてはいかがでしょうか。
【筋トレの手順】
【回数】左右の足を交互に20回を目安に行いましょう。
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足で円を描くように動かすことで腸腰筋や腹筋を鍛えることができます。できる限り足を大きく動かすことで体幹と股関節の安定性を高めることができます。腰への負担も大きくなる運動ですので腰痛に注意しておこないましょう。
【筋トレの手順】
【回数】
左右の足を5回ずつを目安に行いましょう。
セラバンドと呼ばれるゴムチューブを使用した上級者向けの腸腰筋の筋トレです。床から足を浮かせたまま交互に足上げを行いますが、その際に両膝にセラバンドを巻きつけることでより腸腰筋に高い負荷を与えることができます。
さらに負荷を強くする場合は、セラバンドを二重にしたり、負荷量の強い赤色のチューブを活用することをオススメします。
【筋トレの手順】
【回数】
左右の足を交互に10回を目安に行いましょう。
下半身の引き締めや筋力アップに効果が期待できるセラバンドを活用したトレーニングについて知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。
▶︎セラバンドの筋トレ特集|下半身の効果的な鍛え方【12選】
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続いては、椅子に座ってできる腸腰筋の筋トレをご紹介していきます。椅子に座ったままできるのでデスクワークの合間や食卓でのトレーニングとしてオススメです。
まず、初心者向けの筋トレとしてご紹介するのは足踏みトレーニングです。椅子に座ったまま足踏みを行うことで腸腰筋の筋トレをすることができます。いつもよりも膝を高くあげるように意識しましょう。さらにTVのCMの合間や音楽に合わせてテンポよく手足を大きく動かすと楽しみながら続けてトレーニングすることができますよ。
【筋トレの手順】
【回数】
左右の足を交互に20〜30回を目安に行いましょう。
中級者向けとしてご紹介するのは、ボールを活用した膝抱えの筋トレです。ボールを落とさないように両足で挟み、膝を持ち上げることで腸腰筋だけでなく腹筋の筋トレとしても効果が期待できます。ボールがない方はタオルを丸めて挟んでも構いません。
バランスに不安がある方は、背中を椅子の背もたれにつけて行うようにしましょう。
【筋トレの手順】
【回数】
3秒間かけて膝の曲げ伸ばし×10回を目安に行いましょう。
上級者向けの腸腰筋の筋トレとしてご紹介するのはこちらのトレーニングです。足を自転車のペダル漕ぎのように動かすことで腸腰筋や腹筋を鍛えることができます。難易度を高めたい方は、できる限り体を後方に倒しましょう。
バランスに不安がある方は、椅子の背もたれを活用して行うようにしましょう。
【筋トレの手順】
【回数】
10回を目安に行いましょう。
番外編の腸腰筋の筋トレとしてご紹介するのはペアで行うセラバンドトレーニングです。セラバンドを活用してパートナーと抵抗を掛け合うことで腸腰筋に高い負荷を与えることができます。スポーツなど数人でトレーニングする場合に活用してみませんか。
【筋トレの手順】
【回数】
パートナーと交互に20回を目安に行いましょう。
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最近、足が重たく感じる方はいませんか?
それは老化だけでなく腸腰筋が硬くなっている可能性があります。
腸腰筋が硬くなったり、縮こまった状態にしていると腰の骨が引っ張られ、腰に負担がかかります。さらには、歩幅が減少して足が重く感じることがあります。これらを予防していくためには、腸腰筋のストレッチが重要です。
特に長距離ドライバーやデスクワーカーの方は長時間椅子に座ることが多いため、腸腰筋が縮んでしまうことがあります。このような方に腸腰筋をストレッチすると以下の4つの効果が期待できます。
【腸腰筋ストレッチの効果】
これらの効果を得るためには、ご自分の能力や生活スタイルに合わせたストレッチを探していきましょう!
▼腸腰筋のストレッチ方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
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それではまず、運動初心者の方向けに自宅のベッドや床でも寝たままできる腸腰筋のストレッチをご紹介します。
こちらのストレッチは、膝をお腹につけるように抱えることでお尻やハムストリングの柔軟性を高めることができますが、反対側の鼠径部に付着する腸腰筋のストレッチとしても効果が期待できます。
【ストレッチの手順】
【回数】
15〜30秒程度×5回を目安にストレッチしましょう。
次に、こちらのストレッチは、椅子に座ってできる中級者向けの腸腰筋のストレッチです。椅子に座る時間が長いデスクワーカーや猫背や円背などの姿勢が気になる方にオススメのストレッチです。椅子に座ったままできるのでデスクワークの合間や自宅でのストレッチとして取り組んでいきましょう。
【ストレッチの手順】
【回数】
左右共に30秒×3〜5回を目安にストレッチしましょう。
こちらの運動は、片膝立ちでできる上級者向けの腸腰筋ストレッチです。片膝を立て、前方に体重を乗せることで後ろ足の鼠径部に付着する腸腰筋の柔軟性を高める効果が期待できます。膝に負担がある方は、マットや座布団の上でストレッチすることをお勧めします。
【ストレッチの手順】
【回数】
左右共に10〜15秒×6回を目安にストレッチしましょう。
続いては、ベッドを使用した腸腰筋のストレッチです。こちらも上級者向けのストレッチですので運動に慣れている方にオススメです。ベッドから脚を下ろすことで足の重さを利用して太ももの付け根に位置する腸腰筋の柔軟性を高めることができます。お尻が落ちないように腰の下に丸めたタオルを固定することがポイントです。
【ストレッチの手順】
【回数】
左右共に10〜20秒×5回を目安にストレッチしましょう。
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腹筋群と腸腰筋を伸ばすストレッチです。こちらのストレッチは、ヨガでは「コブラのポーズ」と呼ばれています。体幹の腹筋群の柔軟性と鼠径部に付着する腸腰筋の柔軟性、腰椎の可動性に効果が期待できます。上半身をできるだけ反らせるため、腰痛が強い方を運動を控えるようにしましょう。
【ストレッチの手順】
【回数】
30秒以上×6回を目安にストレッチしましょう。
腸腰筋のストレッチの中でも難易度が非常に高いストレッチ方法です。
こちらのストレッチでは、四つ這い姿勢から後方の足を伸ばし、上半身を起こすことで、腸腰筋や大腿四頭筋に強い負荷を加えることができます。簡単そうに見えますが、胸を張り上半身を起こすことが非常に難しいストレッチです。股関節や腰椎の柔軟性に自身がある方は是非挑戦してみてください。
【ストレッチの手順】
【回数】
左右共に30秒×3回を目安にストレッチしましょう。
腸腰筋は、歩く・立つ・座るなどの日常動作に欠かせない筋肉です。最近は、腰痛や姿勢の改善のために注目されることも増えています。ここでは、腸腰筋についてのよくある疑問にシンプルにお答えします。
腸腰筋のトレーニングは、週2〜3回、1日おきのペースが理想的です。筋肉は休息中に成長するため、毎日行うよりも適度な間隔を空けて継続することで、無理なく効果的に鍛えることができます。
スクワットは主に太ももやお尻の筋肉をターゲットにした種目です。腸腰筋も姿勢を支える補助的な筋肉として使われますが、腸腰筋を集中的に鍛えるには不十分です。腸腰筋をしっかり鍛えるなら、レッグレイズというエクササイズがおすすめです。
あります。仰向けに寝た状態で行うレッグレイズ(脚を伸ばして上下に動かす)や、ニートゥチェスト(片膝を胸に引き寄せる)などは、寝たまま無理なく腸腰筋に刺激を与えることができます。ベッドの上でもできるので、日常的に取り入れやすい方法です。
椅子に座った状態で背すじを伸ばし、片脚をゆっくり持ち上げる動きを繰り返すことで、腸腰筋に刺激を与えられます。デスクワーク中にもできる簡単なトレーニングで、座りながらのエクササイズとしておすすめです。
長時間座りっぱなしになると、腸腰筋は縮んだ状態で固まりやすくなります。その結果、骨盤の傾きや姿勢の崩れ、さらには腰痛の原因にもつながることがあります。こまめに立ち上がる、軽いストレッチをするなどの工夫が大切です。
腸腰筋が弱くなると、足を持ち上げる動作がスムーズにできなくなり、つまずきや転倒のリスクが高まるほか、姿勢の崩れや腰痛にもつながることがあります。日常動作の質の低下にも関係するため、加齢とともに特に意識したい筋肉です。
簡単なセルフチェックとして、片脚立ちで膝を90度まで上げて5秒キープできるかを試してみましょう。うまく足が上げられなかったり、すぐに脚が下がってしまう場合は、腸腰筋が弱っているサインかもしれません。気になる方は、ぜひ一度試してみてください。
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