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機能訓練
2024/11/28
機能訓練
上肢
更新日:2024/08/21
デイサービスや施設での集団体操に適した高齢者のための座ってできるセラバンド体操「上肢編」をご紹介します。セラバンドはゴムの伸縮性や長さを調整することで運動の初級者〜上級者まで筋力アップを目指すことができる便利な道具です。持ち運びも簡単で、最近では地域の健康教室で介護予防として活用されています。今回はそんなセラバントの体操方法をご紹介していきます。
この記事の目次
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セラバンドとは、ゴムバンドやゴムチューブ、セラチューブなどとも呼ばれるゴム製のトレーニング道具です。
セラバンドを活用したトレーニングは、理学療法士や作業療法士などのリハビリの現場で活用されます。また、フィットネスジムではインナーマッスルのエクササイズとして完備されています。最近では、持ち運びのしやすさや難易度調整のし易さから地域の健康教室やデイサービスなどの介護予防体操としても活用されています。
セラバンドには、持ち手が「ハンドル付き」や「輪っか状」なども販売されています。握力が弱く、握りが不安なご高齢者に握りやすいセラバンドを提供するもの良いでしょう。
■ハンドル付きセラバンドは、チューブの端に取手が付いているのでトレーニングの際に握りやすくなっています。
■輪っか状のセラバンドは、チューブが輪っか状になっているので手足や体全体を入れてトレーニングすることができます。
下半身の引き締めや筋力アップに効果が期待できるセラバンドを活用したトレーニングについて知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。
▶︎セラバンドの筋トレ特集|下半身の効果的な鍛え方【12選】
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セラバンドを活用したトレーニングはどのような効果が期待できるのでしょうか?効果とメリットをご紹介します。
【セラバンドの効果・メリット】
セラバンドの種類は製品によって異なりますが、ご紹介する「Thera-Band」は色の違いによって難易度(強度)が区別できるようにしています。
セラバンドは肌色が最も柔らかく難易度が低く、金色が最も硬く難易度が高くなります。
一般的に上半身のトレーニングでは「黄色」「赤色」を使用されていることが多いようです。購入の際に参考にしてみてください。
セラバンドのトレーニング方法をご紹介する前に、使い方のポイントについてご紹介します。
【セラバンドの使い方】
筋力トレーニングが介護予防に良いということは言うまでもありません。
地域の健康教室やデイサービスでご高齢者に向けた体操としてセラバンドを活用する場合のメリットについてご紹介します。
【高齢者体操にセラバンドを活用するメリット】
参照:島田 裕之 東京都老人総合研究所「筋力増強運動による介護予防・リハビリテーション効果」(平成29年4月5日アクセス)
それでは、座ってできるセラバンド体操をご紹介していきます。
こちらのセラバンド体操は、肩関節のインナーマッスルの1つである「棘上筋」のトレーニングです。肩の位置は、やや前方20〜30°程度で運動すると効果的です。上半身のトレーニングの場合は、セラバンドの「黄色」あたりの負荷から始めることをお勧めします。
【運動の注意点】
【回数】
20回程度を目安に行いましょう。
こちらの運動も肩関節のインナーマッスルのセラバンド体操です。ご高齢者に多い、五十肩や肩関節の痛みの予防として効果が期待できます。
【運動の注意点】
【回数】
20〜30回を目安に行いましょう。
こちらのセラバンド体操は、二の腕の筋力アップに効果が期待できます。二の腕に付着する上腕三頭筋は、加齢に伴い筋力が低下しやすい筋であるということも知られています。ご高齢者の場合に廃用が極端に進み、この上腕三頭筋の筋力が低下してしまうとベッドからの起き上がりや椅子から立ち上がる際の補助ができなくなってしまいます。女性の二の腕痩せ目的だけでなく廃用予防としても取り組んでみてはいかがでしょうか?
【回数】
8〜12回を目安に行いましょう。
こちらのセラバンド体操は、胸の筋力に効果が期待できます。ボクシングを行うようにリズムよく行いましょう。体にひねりを加えたり、腕を斜め上に動かすことで、胸筋や体幹筋(腹斜筋)も鍛えることができます。ご高齢者の体操として活用する場合は回数を数えたり、音楽をかけてリズムよく運動すると楽しみながら取り組むことができますよ。
【回数】
8〜12回を目安に行いましょう。
※回数を増やすことで体力アップの効果も期待できます。
こちらのセラバンド体操は、肩を90度に固定した状態で胸を開くことで肩甲骨の内側の菱形筋を鍛えることができます。ご高齢者の場合は、年齢を重ねごとに円背姿勢になることがあります。セラバンドを使用して胸を張るエクササイズも合わせて行っていきましょう!
【回数】
8〜12回を目安に行いましょう。
こちらのセラバンド体操は、肩の代表的な筋肉でもある三角筋を鍛えるダイナミックなエクササイズです。運動のポイントは、息をしっかりと吐きながら上半身を倒していくことです。ご高齢者の場合は洗濯物を干したり、高いところへ布団を収納するなどに重要な運動です。腕が耳に当たるようにしっかりと動かしていきましょう!
【回数】
左右共に8〜12回を目安に行いましょう。
こちらのセラバンド体操はシュラッグと呼ばれる肩をすくめる運動です。肩から首周りに付着する僧帽筋を刺激することで「肩こり」だけでなく、ご高齢者が気になる「円背姿勢」の改善にも効果が期待できます。運動は、肩をできる限りすくめた状態で1秒間保持し、その後、力を緩めて肩を下ろしていきましょう。
【回数】
10回×2セットを目安に行いましょう。
こちらのセラバンド体操は、ローイングといわれる背中や肩甲骨に付着する広背筋や大円筋、菱形筋の筋力アップに効果が期待できます。胸を貼り、肩甲骨を意識することで姿勢の改善に効果が期待できます。
※セラバンドを手すりなどに結び固定する必要があります。結ぶ場所がない場合はペアトレーニングとして対面に座り、運動することもできます。
【回数】
10回×2セットを目安に行いましょう。
こちらのセラバンド体操は、セラバンドを活用して体幹を捻ることで体幹筋や腕の筋肉を鍛えることができます。背もたれや肘掛けがないと椅子に座るのがきついご高齢者には、この体幹筋を鍛えることで椅子に座った姿勢を安定させる効果も期待できます。
※セラバンドを手すりなどに結ぶか、ペアトレーニングとしてパートナーと運動することもできます。
【回数】
10回×2セットを目安に行いましょう。
こちらのセラバンド体操は、二人組みで行うペアトレーニングをご紹介します。こちらの運動は、ローイングと呼ばれる運動で、肩甲骨に内側に付着する菱形筋を鍛えることができます。ご高齢者の猫背や円背の予防運動としてお勧めです。ペアトレーニングは相手に合わせて運動を行うため、運動習慣の乏しい方でも比較的楽しみながら取り組むことができますよ。
【運動の注意点】
【回数】
左右交互に8〜12回程度行いましょう。
こちらのセラバンド体操は、肩の上下運動です。肩の上下運動を行うことによって肩甲骨や背中の血流量が増加し、肩こりの予防としても効果が期待できます。肩の上下運動は、着替えや洗濯物干しなどの日常生活にも重要です。ご高齢者の健康体操として取り組んでみてはいかがでしょうか。
【運動の注意点】
2人で息を合わせてリズムよく行いましょう。
【回数】
交互に20回を目安に行いましょう。
こちらのセラバンド体操は、上半身の捻りを意識した運動です。相手に引っ張り負けないようにしっかりと体を捻ることで腹斜筋などの体幹の筋力アップに効果が期待できます。体の捻り運動は、着替えや調理動作などに重要です。ご高齢者の介護予防体操としてパートナーと鍛えて行きましょう。
【運動の注意点】
【回数】
8〜12回×2セットを目安に行いましょう。
こちらのセラバンド体操は、肩のインナーマッスルのトレーニングです。2人で息を合わせて、手を内側に引っ張り合うことで肩甲下筋や大円筋を鍛えることができます。もちろん、胸筋の筋肉の筋力アップにも効果が期待できます。肩のインナーマッスルは、日頃なかなか鍛えることができません。セラバンドを活用して意識的に鍛えることで五十肩や肩の拘縮を予防して行きましょう。
【運動の注意点】
【回数】
8〜10回×2セットを目安に行いましょう。
本稿では、デイサービスや施設でも取り組める「座ってできるセラバンド体操」をご紹介しました。
ご高齢者の方は加齢に伴い、身体的な衰えを感じるだけでなく気分が落ち込みことも多くなります。私たちスタッフがそうさせない!
セラバンド体操は、衰えがちな筋力を効果的に鍛える効果があるので道具さえあれば明日からでも取り組めます。セラバンドを活用していつまでも元気で活き活きと生活できる体づくりを応援していきましょう。
【終わりに】
いかがでしたか。集団体操などでも取り組める座ってできるセラバンド体操をご紹介しました。効果的にトレーニングを行うためにはセラバンドが持つ特徴を理解していくことが重要です。ご紹介したエクササイズが参考になれば幸いです。
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