整容動作の機能訓練とリハビリ:訓練手順と目的・必要な機能とは
機能訓練
2024/11/06
機能訓練
下肢
更新日:2024/06/25
今回は、大腿筋膜張筋のストレッチとトレーニングをご紹介します。大腿筋膜張筋のストレッチの効果には、O脚(変形性膝関節症の内反変形)の方やランナーの方の太ももの外側の痛みの解消と関係性があると言われています。本稿では大腿筋膜張筋のストレッチとトレーニングを効果的に行うために最低限知っておきたい運動方法ご紹介していきます。
この記事の目次
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大腿筋膜張筋は、特にO脚などの変形性ひざ関節症をお持ちの場合に過剰に働きます。これはO脚(変形性膝関節症の内反変形)になると、股関節から外向きに流れるような負荷がかかるため、股関節と膝関節の外側に位置する大腿筋膜張筋が過剰働くことで下肢を安定させようとするためです。このような場合に、大腿筋膜張筋に痛みが出る場合があります。
また、日頃からランニングやジョギングなど走る運動をされている方は、大腿筋膜張筋が固くなってしまうことから腸脛靭帯や膝関節の外側に炎症が起こってしまい「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」を引き起こすこともあります。
このようにご高齢者で膝の変形がある方、ランニングなどの運動を楽しまれている方に置いては、クールダウンの1つとして大腿筋膜張筋のストレッチをして日頃から柔軟性を高めておくことが重要となります。
しかしながら、大腿筋膜張筋が固いからといって緩ませるだけが良いとは限りません。例えば、膝や股関節などの骨・関節に問題があり、それを守るために大腿筋膜張筋が過剰に働いている場合も考えられます。その場合に緊張をとってしまうと骨・関節自体を痛めてしまう場合もあります。
これらの要因を十分に判断した上で、大腿筋膜張筋のストレッチやトレーニングを適切に行っていく必要があります。そのため、大腿筋膜張筋の正しいストレッチとトレーニング方法を学んでいきましょう!
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それではまず、大腿筋膜張筋のストレッチをご紹介していきます。ランニングやウォーキングをされる方が疲労を蓄積しやすい箇所として挙げられているのが大腿筋膜張筋です。運動前後にお尻や太もものストレッチは行いますが、大腿筋膜張筋のストレッチは見逃しやすいので是非合わせて取り組んでみて下さい。
こちらの運動は、寝たままできる大腿筋膜張筋のストレッチです。膝を伸ばしたまま股関節を内に倒すことで、中臀筋と大腿筋膜張筋の柔軟性を高めることができます。その際に、股関節を内旋方向に意識することでよりストレッチ効果が高まります。寝たままできるストレッチですので導入編として取り組むことをオススメします。
【運動の注意点】
腰や膝に痛みがある方は無理をしないようにしましょう。
【目標回数】
30秒×5セットを目安に行いましょう。
次にこちらの運動は、横向きでできる大腿筋膜張筋のストレッチ方法です。ダイナミックなストレッチのため大腿筋膜張筋だけでなく腰方形筋や中臀筋などのお尻から腰の柔軟性にも効果が期待できます。日頃から運動習慣がある方やスポーツ愛好家の方に活用ください。
【運動の注意点】
腰に痛みがある方は無理をしないようにしましょう。
【目標回数】
左右共に20〜30秒×3セットを目安に行いましょう。
姿勢別でできる腰方形筋のトレーニングについて知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。 ▶︎腰方形筋トレーニング 全8種|姿勢別でできる運動方法とは
こちらの運動は、立ってできる大腿筋膜張筋のストレッチです。足をクロスさせて身体を横に倒すことで、お尻に付着する中臀筋だけでなく、太ももの外側に付着する大腿筋膜張筋のストレッチにも効果が期待できます。股関節を内側に捻る(内旋)ように意識すると、大腿筋膜張筋のストレッチ効果が高まります。
【運動の注意点】
身体を横に傾ける際は、身体を捻らないように意識しましょう。
【目標回数】
左右共に20〜30秒×3セットを目安に行いましょう。
こちらの運動は、椅子を使用した大腿筋膜張筋のストレッチです。大腿筋膜張筋が付着する腸脛靭帯は、膝の屈伸運動時に前後に移動します。そのため、長距離ランナーなどは腸脛靭帯炎などを発症する可能性があります。日頃からランニングをされている方、走るスポーツをされている方に取り組んでいただきたいストレッチです。椅子がない場合は、壁を活用しても構いません。
【運動の注意点】
股関節や足首に痛みがある方は無理をしないようにします。
【目標回数】
左右共に20秒×3セットを目安に行いましょう。
こちらの運動は、ストレッチポールを使用した大腿筋膜張筋の筋膜リリースです。大腿筋膜張筋は太ももの表層部に位置する筋肉です。そのためストレッチポールを活用して筋と筋膜に対してマッサージのように圧をかけて筋膜を緩めていきましょう。
【運動のポイント】
体重の重さを活用して、一定の力で深く圧をかけましょう。
【運動の注意点】
背中や腰、脚が一直線になるように意識しましょう。
【目標回数】
左右ともに10回を目安に行いましょう。
こちらの運動は、ベットでできる大腿筋膜張筋のストレッチです。膝を伸ばしたまま、後方に足を降ろすことでお尻から太ももの外側に付着する中臀筋や大腿筋膜張筋のストレッチに効果が期待できます。主にランナーやO脚の方の大腿外側の柔軟性を高める運動としてオススメです。
【運動の注意点】
転倒・転落には十分に注意して行いましょう。
【目標回数】
左右共に30〜60秒×3セットを目安に行いましょう。
次に大腿筋膜張筋のトレーニングをご紹介していきます。
大腿筋膜張筋は足の安定性を高める働きがあるとされています。そのため、不安定な状態を作り出すことで効果的に筋トレを行うことができます。山本ら(1997)によると大腿筋膜張筋の筋活動が最も高い姿勢は、片足ブリッジともいわれています。
【運動の注意点】
股関節や膝に痛みがある方、バランスに不安がある方は無理をしないようにします。
【目標回数】
左右共に10秒×3セットを目安に行いましょう。
参照:山本宏茂, 市橋則明, and 吉田正樹. “大腿筋膜張筋の筋活動: 股関節肢位および各種動作における検討.” 理学療法学 24.5 (1997): 270-273.(平成29年7月7日アクセス)
こちらの運動は、お尻の横に付着する中臀筋がメインのトレーニングです。足をやや前方に出しながら(股関節を屈曲)外に広げることで大腿筋膜張筋を効果的に鍛えることができます。
【目標回数】
左右共に10回×3セットを目安に行いましょう。
こちらの運動は、サイドブリッジと呼ばれる筋力トレーニングです。主にお尻に付着する中臀筋を中心に体幹を鍛える運動ですが、太ももの外側に位置する大腿筋膜張筋にも効果が期待できます。
【運動の注意点】
体が一直線になるように意識して行ってください。
【推奨回数】
20秒保持×3〜5セットを目安に行いましょう。
こちらの運動は、股関節の外転運動を行うことで中臀筋や大腿筋膜張筋を鍛えることができます。バランスに不安がある方は、椅子や壁を支持してトレーニングしてきましょう。
【運動の注意点】
足を広げた際に、身体が側方へ倒れないように注意しましょう。
【目標回数】
左右共に10回×2〜3セットを目安に行いましょう。
こちらの運動は、セラバンドを使用した大腿筋膜張筋のトレーニングです。股関節の外転運動は、主に中臀筋や大腿筋膜張筋を鍛えることができます。セラバンドを活用することが負荷を高めたエクササイズを行うことができます。運動の際は、体幹軸を中心に保つように意識しましょう。
【運動の注意点】
体が左右に傾かないように注意しましょう。
【推奨回数】
左右共に10回×2セットを目安に行いましょう。
下半身の引き締めや筋力アップに効果が期待できるセラバンドを活用したトレーニングについて知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。
▶︎セラバンドの筋トレ特集|下半身の効果的な鍛え方【12選】
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