デイサービスの人員基準とは|最低人数・介護職員の計算方法・設備基準・運営基準を解説

介護保険法

基本報酬

更新日:2024/05/13

通所介護(デイサービス)を運営していくためには、管理者、生活指導員、看護職員、機能訓練職員、介護職員などの人員基準を満たす必要があります。さらに、設備基準、運営基準も満たす必要がある指定基準です。今回は人員基準を中心に、設備基準、運営基準も併せて基礎知識をご紹介します。

通所介護には人員基準と設備基準、運営基準など守るべき基準が多くあります。特に気をつけたいのが、人員基準です。

通所介護では、常勤1名の管理者や生活相談員を事業所1カ所に1人以上配置することなど細則があります。看護職員は、利用定員10名以上において1名以上配置すること、介護職員は利用者15名までは1名、利用者が5名増すごとに1名の配置です。また、機能訓練指導員の場合は利用定員には関係なく、どの通所介護にも1名以上配置します。

このような人員基準は、厚生労働省により厳格に定められています。ここでは設備基準と運営基準も合わせて紹介します。ぜひ参考にしてください。

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通所介護の人員基準と最低人数

通所介護の運営をするためには、人員基準を守る必要があります。人員基準は通所介護のサービスを提供するための最低限の人数なので、欠勤者が出た場合にもサービス提供が滞りなくできるような体制を整えることが求められています。

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管理者

通所介護の管理者は、運営基準を始めさまざまな基準・法令を遵守して事業運営を管理する人のことを指します。

施設全体の統括管理者です。そのため、原則として専従の常勤者を置かなければなりません。人員基準を満たしていれば、同一敷地内の他の事業所の職種と兼務することもできます。

令和6年度介護報酬改定では、管理者の責務及び兼務範囲の明確化がなされました。

具体的には、提供する介護サービスの質を担保しつつ、介護サービス事業所を効率的に運営する観点から、管理者の責務について、利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を行うことである旨を明確化しています。さらに、管理者が兼務できる事業所の範囲について、管理者がその責務を果たせる場合には、同一敷地内における他の事業所、施設等ではなくても差し支えない旨も明確化しました。

参考:令和6年度介護報酬改定における改定事項について(2024年5月13日確認)

また、介護事業所等の管理者は、当該介護事業所等の管理上支障が生じない範囲内におい て、テレワークを行うことが可能となりました。以前に比べると柔軟な働き方ができるようになっています。

参考:情報通信機器を活用した介護サービス事業所・施設等における管理者の業務の実施に関する留意事項について(介護保険最新情報Vol.1169令和5年9月5日厚生労働省老健局)(2024年5月13日確認)

管理者については以下の記事で詳しく解説しています。

デイサービス(通所介護)の管理者の仕事内容と兼務内容とは

生活相談員

生活相談員は、利用者や利用者の家族が介護に関して抱える悩みについて相談に乗り、必要であれば介護の専門的なアドバイスをする役職です。生活相談員は、社会福祉士・社会福祉などの資格を持つ人が務められます。

事業所1カ所に1人以上配置することが定められており、一定の実務経験により条件を満たすなど、自治体により生活相談員の職種に従事できる資格・条件は異なるため、事前に確認するようにしましょう。

生活相談員の資格要件や配置基準について、さらに詳しい解説は以下の記事に記載しています。

デイサービスにおける生活相談員の資格要件と配置基準

介護職員

通所介護の介護職員として働く際は、介護職員初任者研修修了者などの資格は必要ありませんが、認知症介護基礎研修修了者であることが必要です。また、事業所によっては利用者の送迎なども仕事内容に含まれる場合もあります。

介護職員は、利用者数が15名の事業所では1名以上の配置が必要です。また、利用者数が16名以上の事業所の場合 「単位ごとに確保すべき勤務延時間数=((利用者数-15)÷5+1)×平均提供時間数」 という計算式で算出できます。

たとえば、利用者が20名の場合「(20名-15名)÷5+1」となりますので、必要な介護職員は2名以上です。

看護職員

准看護師を含む看護職員は、利用者の服薬管理やバイタルチェック、事業所によっては入浴介助などの業務を担います。

利用定員10名以上のデイサービス事業所では1名以上配置することが定められており、常勤である必要はありません。

しかし、利用定員10名以下の地域密着型通所介護(小規模デイサービス) の場合、「看護職員又は介護職員のいずれか1名の配置で可」と人員基準で定められています。この場合、看護職員を配置しないことが認められます。

看護職員の配置基準や仕事内容については、以下の記事で詳しく解説しています。

デイサービスにおける看護職員の配置基準・仕事内容・実施可能な医療行為とは

機能訓練指導員

機能訓練指導員は日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を担う職種で、専従で1人以上の配置が必要です。

個別機能訓練加算の算定有無に関わらず配置が必要で、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師のうち、いずれかの有資格者であることが求められています。

個別機能訓練加算を算定する場合には、届出を行い、算定要件に沿って評価や計画作成、機能訓練の実施、記録等を行うことが必要です。

機能訓練指導員に関して、詳しい解説は以下をご覧ください。

機能訓練指導員とは?必要な資格や仕事内容・加算による配置基準・機能訓練士との違い

利用定員が10名を超える場合

通所介護の利用定員が10名を超える場合は、以下のような人員基準を守る必要があります。

  • 管理者:1名(常勤) 
  • 生活相談員:1名以上 
  • 看護職員:1名以上 
  • 介護職員:1名以上 
  • 機能訓練指導員:1名以上

管理者は、常勤である必要があり1名以上を配置しなくてはいけません。また家族や利用者へ介護のアドバイスを担う生活相談員は、社会福祉主事や社会福祉士などの資格を持つ者を事業所1カ所に1人以上配置することが定められています。

准看護師を含む看護師は、1名以上の配置が必要なものの常勤である必要はありません。また、機能訓練指導員は常勤で1名以上の配置が必要となり、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士のほか、柔道整復師や看護師、あん摩マッサージ指圧師などの有資格者であることが求められます。

利用定員が10名以下の場合

通所介護の定員が10名以下の場合は、下記のような人員基準になります。

  • 管理者:1名(常勤) 
  • 生活相談員:1名以上 
  • 看護職員、又は介護職員:1名以上 
  • 機能訓練指導員:1名以上

管理者は常勤で1名必要なことは利用定員が10名を超える場合と違いありません。また、生活相談員は1名以上配置なものの、常勤でなくとも問題はありません。

利用定員が10名以上の場合のときの人員基準と大きな違いは、「看護職員または介護職員を、いずれかが1名以上配置すれば良い」という部分です。ただし、機能訓練指導員においては、利用定員にかかわらず、指定された資格のいずれかを持った人を1名以上配置する必要があります。

生活相談員が不在の場合は人員基準違反になる?

1人以上の配置が定められている生活相談員が欠員した場合は、通所介護は通常営業ができない状態です。このような場合は、介護報酬を請求する要件を満たせていない状態であり、人員基準違反となります。

通所介護の人員配置では、誰かが休みのときに代わりができるような工夫が必要です。介護職員と生活相談員の兼務や管理者と生活相談員の兼務をするなど、2つの役職を兼ねておくのが理想的といえます。

社会的に介護人員の不足が深刻化していますから、急な欠員が出たときに交代で補えるような人員配置を意識しておくとよいでしょう。

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設備基準について

通所介護を開設・運営するためには、最低限の設備を整えておかなければなりません。ここではその「設備基準」についてまとめました。

  • 食堂・機能訓練を行う場所
    食堂と機能訓練室は兼用することができます。合計面積が、利用者1人当たり3平方メートル以上あることが必要です。通路などの共有スペースは面積に含めることはできません。
  • 事務室
    個人情報が管理できる書庫や備品が収容できる程度の広さと、専用区画が必要です。広さの規定はなく、専用区画であればパーテーションでの仕切理も認められています。
  • 相談室
    プライバシーが守られるように個室が望ましいですが、パーテーションで仕切ることも可能です。広さの規定はなく、机やいすが置ける広さであれば相談室と認められます。
  • 静養室
    体調不良時などに休憩できるように専用のベッドを配置した部屋が必要です。
  • トイレ
    設備基準上設置が明記されているわけではありませんが、サービス提供する上で車椅子でも使用できる広さを確保したトイレが複数必要です。
  • 浴室
    設備基準上設置が明記されているわけではありませんが、入浴サービスを行う場合は、浴室の設置が必要です。

運営基準について

通所介護では、そのサービス提供を行う際にどのようなケアを提供するのかの方針をまとめた通所介護計画書が必要です。

また、人員配置を守るためにも従業員の勤務表を作成し、その日に出勤する職員を明らかにする必要があります。

利用申込者があった際は、運営規程の概要や職員の勤務体制、苦情処理体制や事故発生時又は緊急時の対応などについてを文章にして、説明する責任があります。このとき、利用者本人またはご家族に同意を得た上で書面にサインいただいた上でサービスを提供しましょう。

また、通常のサービス提供を超えてサービスを提供する場合(送迎費、長時間又は超過時間のサービス費用、食材又はおむつの費用、その他日常生活の為の物品費用)は、その料金についても定めがあります。

運営基準に関しては、この他にも必要な提出書類があります。さらに詳しく運営基準について知りたい場合は「通所介護(デイサービス)の運営基準と実地指導対策」をご覧いただき、管轄の指定機関窓口にお問い合せしてください。

人員基準は安定的な運営の基本となる

人員基準では、デイサービスに必要な職員である管理者、生活相談員、介護職員、看護職員、機能訓練指導員について、必要な人数が定められています。通所介護の利用定員によっても配置人数は変わるため、この細則をきちんと確認しておきましょう。

人員基準を満たしていない状態で監査が入った場合、事業所の指定取り消し、減算、サービス停止(期限付き)などの厳しい処分を受けることがあります。

また、設備基準や運営基準においても確認しておき、安定した通所介護事業の運営をできるように心掛けましょう。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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