ADLとIADLの違いとは |介護における定義・項目・アセスメント・評価の違い
現場ノウハウ
2024/11/06
現場ノウハウ
評価
更新日:2024/11/01
FRT(ファンクショナルリーチテスト)とは、立位で前方へリーチできる最大距離を測定することで、転倒リスクやバランス能力を評価するテストのことです。このFRTの評価は、リハビリの専門家が使用することが多いですが、デイサービスでの体力測定など介護現場の簡易評価としても使用されています。今回は介護現場でファンクショナルリーチテストを行う方のために、目的ややり方・平均値、先行文献から条件毎に採用されているカットオフ値についてまとめて解説します。
この記事の目次
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ファンクショナルリーチテスト(Functional Reach Test)は、Duncanらにより開発されたバランス測定のための評価方法です。医療や介護現場などでは、その頭文字から「FRT」と呼ばれることもあります。
FRT(ファンクショナルリーチテスト)の評価方法は、腕を90°上げた状態でできるだけ前方に手を伸ばしていくだけです。
測定者は、その時の最大移動距離を測定します。この評価によって、その場でバランスを崩さないように姿勢の調整ができるのかというバランス能力を評価することができます。
FRT(ファンクショナルリーチテスト)は、バランス検査として日本理学療法士協会の診療ガイドラインから「推奨グレードA」として指定されており、信頼性・妥当性も高く評価されています。
評価の簡単さや信頼性・妥当性の高さからデイサービスやデイケアなどの介護の現場、介護予防分野においても、高齢者の体力測定や機能訓練のためのアセスメント項目などにこのFRT評価が活用されることも多くなっています。
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ファンクショナルリーチテストは、立位のバランスを測定するもので、自らバランスを崩す動きをしてどこまで対応できるかという機能的なバランスを評価しています。
ファンクショナルリーチテストの測定値の目安としては、20cm未満だと非常にバランスを崩しやすく危険な状態、20〜25cmで転倒リスクあり、測定値の平均値としては25〜30cm、30cm以上リーチできていると転倒リスクが低いという値が目安となります。
項目 | 転倒しやすさ | |||
非常に危険 | 転倒リスクあり | 平均 | 転倒リスク低い | |
距離 (FRT:cm) | ~20 | 20~25 | 25~30 | 30~ |
FRTの評価基準と合わせて、バランス能力と転倒リスクの関連性などを研究した先行文献により、年齢や疾患に応じたカットオフ値が算出されていますので参考にしてください。
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FRT(ファンクショナルリーチテスト)は、転倒リスクやバランス能力を測定するための評価方法ですが、これらを判断するための指標となるカットオフ値はご存知でしょうか。以下にいくつかのカットオフ値をご紹介します。
【FRT評価のカットオフ値】
転倒リスクを評価する方法をもっと詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
▶︎高齢者のリハビリにおけるバランス評価の種類・測定方法の基礎知識
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では、実際にFRT(ファンクショナルリーチテスト)の測定方法をご紹介します。
【FRT評価の測定方法】
【測定時間】
約5分程度
▼ファンクショナルリーチテストの測定方法について動画でチェックしたい方はこちらをご覧ください。
【関連動画】
How to do the Functional Reach Test
FRT(ファンクショナルリーチテスト)を実施する場合は、以下の物品を準備することですぐに検査を始めることができます。
【FRT評価で準備するもの】
FRT(ファンクショナルリーチテスト)は、その場に立って測定する評価方法ですが、もっと安全に測定する方法はあるのでしょうか?
その1つに、森尾ら(2004)が考案したModified Functional Reach Test (MFRT) があります。この評価は、ファンクショナルリーチテストの測定方法を改良したもので椅子に座って座位で測定するため立位が不安定な方や重度の障害の方にも適応できるリーチテストです。MFRTでは、歩行が安定して可能な方を以下のカットオフ値として示しています。
【MFRTのカットオフ値】
歩行自立:26.0cm
参照:森尾裕志 2007「高齢患者における歩行自立度に対する下肢筋力と前方リーチ距離との関連についての検討」(2007平成29年9月20日アクセス)
FRT(ファンクショナルリーチテスト)やMFRT以外に、高齢者の転倒リスクを判断する方法は知っていますか?以下に、転倒リスクやバランス能力を評価する方法をご紹介します。
【転倒リスク・バランスの評価】
片脚立位の評価とは、その名の通り片脚立ちで足をあげれている時間を測定する簡易な検査で主にバランス検査として活用されています。
【カットオフ値】
(1)片脚立位
(2)Functional Reachテスト
測定方法は、足を肩幅に揃えて腕を肩関節90度挙げます。足を前に出すことなく、中指を目安に最大限にリーチした距離を測定します。3回テストを行い、最後の2回の平均値を求めます。
【カットオフ値】
(3)継ぎ足歩行テスト
測定方法は、腕を胸の前に組んだ状態で3.6m継ぎ足歩行をし最大10歩までの歩数を計測して4段階で評価します。【カットオフ値】
3(正常):ふらつきなしに10歩可能
2(軽度バランス障害):7~9歩可能
1(中等度バランス障害):4~7歩可能
0(重度バランス障害):3歩以下
(4)TUGテスト(timed up&go test)
TUGテスト(タイムアップアンドゴーテスト)は、歩行能力や動的バランス、敏捷性(びんしょうせい)などを総合的に判断するテストです。【カットオフ値】▶︎13.5秒以上:転倒リスクが予測される
▶︎30秒以上:起居動作や日常生活動作に介助を要す
詳しくは「TUGテストのカットオフ値とは|初めて評価する方のための基礎知識と測定方法」をご確認ください。
転倒リスクを判断するバランス評価について詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
▶︎高齢者のリハビリにおけるバランス評価の種類・測定方法の基礎知識
ファンクショナルリーチテスト (FRT) は、立って立位の状態で測定するため重度の機能障害を持たれた方には用いにくいのかもしれませんが、他のバランス評価方法に比べても特別な準備品も少なく簡易にバランスを評価することができます。
特に高齢者に対しての評価としては、日本理学療法士協会の診療ガイドラインでも身体的虚弱の高齢者様への評価として推奨グレードAと指定されており、信頼性・妥当性も高く評価されています。
そのため、介護現場の皆さんもファンクショナルリーチテスト(FRT)の評価方法を覚えてぜひ定期的な評価測定として活用していくことをお勧めします。
参照:「理学療法診療ガイドライン第1版(2011)身体的虚弱(高齢者)」(平成29年10月7日アクセス)
デイサービス運営において必要な「評価・測定」について、一挙にまとめていますので、必要に応じて活用していただければと思います。
→→ 【完全保存版】デイサービスで活用できる評価・測定に関する記事まとめ|随時更新
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