LIFE(科学的介護情報システム)をわかりやすく解説!メリットやLIFE活用加算

運営ノウハウ

科学的介護

更新日:2024/11/05

LIFE(科学的介護情報システム)とは、2021年の介護報酬改定で導入されたシステムです。ここでは、LIFEを理解してから活用したいという介護事業者の方のために、国がLIFEを導入した目的やその運用方法を詳しく解説していきます。   

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LIFE(科学的介護情報システム)とは?

科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence; LIFE ライフ)とは、全国の介護施設・事業所において記録されている利用者の状態やケアの計画・内容についてのデータを収集し、蓄積したデータに基づいてフィードバックを行う情報システムです。

厚生労働省老健局老人保健課において、以下のように述べられています。

  • 「介護サービス利用者の状態や、介護施設・事業所で行っているケアの計画・内容などを一定の様式で入力すると、インターネットを通じて厚生労働省へ送信され、入力内容が分析されて、当該施設等にフィードバックされる情報システム」
  • 「介護事業所においてPDCAサイクルを回すために活用するためのツール」 

介護事業所では利用者へケアを提供するにあたり、利用者の状態や実施するケアの計画・内容について、定期的に評価し記録を行っています。これらの情報を様式に基づいてLIFEに提出することで、全国の利用者の状態やケアの計画・内容に関わるデータを蓄積することができます。

LIFEでは蓄積したデータに基づいて、介護事業所へフィードバックとして情報を提供します。

フィードバックの情報は、事業所毎のフィードバックと利用者毎のフィードバックの2種類があります。

  • 事業所毎のフィードバック:全国の同じサービスを提供する施設・事業所における相対的な「位置」を確認することができます。
  • 利用者毎のフィードバック:自施設や事業所での利用者様の状態の「変化」を確認することができます。

LIFEによるフィードバックは、各施設や事業所で記録している他の情報と組み合わせて有効に利用することで、質の高いケアを提供できます。

また、LIFEは蓄積されたデータをもとに、研究にも活用されます。全国の事業所や利用者のデータによって、介護分野における新たな発見やフィードバックの充実につながることが期待されています。

LIFEが開始される以前、厚生労働省では2017年度に通所・訪問リハビリテーション事業所を対象としてVISITが運用されました。2018年度には介護報酬での評価が始まり、リハビリテーションに係るデータの収集・分析が行われていました。

また、2020年度にはCHASEの運用を開始し、リハビリテーションに限らず全ての介護サービスを対象として、高齢者の状態やケアの内容などの情報収集を開始しました。

VISITとCHASEが一体となり開始されたのが「科学的介護情報システム(LIFE)」です。LIFEは2021年度の介護報酬改定により新たな加算が創設され、介護事業所におけるPDCAサイクルを回すために活用されています。

参照:科学的介護情報システム(LIFE)について(厚生労働省)

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LIFE導入の目的と役割

LIFEは、データに基づくPDCAサイクルを推進する役割があります。PDCAサイクルとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返すことです。

PDCAサイクルを回すことで、ケアの質の向上につながると考えられています。

介護の現場においても、データに基づくPDCAサイクルを活用することによって、わかりやすく目標を設定でき、関わるスタッフが同じ認識を持ちやすくなります。

ただし、LIFEからのフィードバックを活用する際には数値だけで判断せず、内容を解釈する必要があるでしょう。

フィードバックに含まれる指標値は、各介護事業所で実施された取り組みや利用者の状況などの様々な要因が複合的に影響しています。そのため、指標値がケアの良し悪しを直接的に反映するものではないことに注意が必要です。

以下にPDCAサイクルを活かしてケアの質を高める方法を記載します。

  • P(Plan):提供するケアの目標設定や計画書の作成(データ活用の例:他施設・事業所や利用者を比較することで現状が把握する、過去からの推移を確認することで変化の傾向が予測する)
  • D(Do):計画書に基づくケアの提供
  • C(Check):利用者の状態やケアの評価と記録、LIFEへのデータ提出 (データ活用の例:目標に対してどの程度近づいているかを客観的に把握する)
  • A(Action):LIFEからのフィードバックに基づいたケアの見直しや計画書の改善(データ活用の例:取り組みの成果を数値で確認し、どの項目を見直す必要があるか把握する)

参照:ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)の利活用のための自治体職員向け手引き(令和5年3月 厚生労働省)

科学的介護とは?

科学的介護とは、エビデンスに基づく介護のことを指します。

エビデンスは「根拠」「裏付け」といった意味をもつ言葉です。医療分野では「科学的根拠に基づいた医療(Evidence-Based Medicine::EBM)」を提供することが重要とされています。

EBMとは、文献などを吟味した上で患者への適応や価値観・意向を考慮して専門的な医療行為を行うことです。

それに対して、介護分野における「科学的介護」では、以下の1から3を繰り返します。

  1. 科学的裏付け(エビデンス)に基づいた介護の実践
  2. 科学的に妥当性のある指標などを現場から収集、蓄積し、分析する
  3. 分析の成果を現場にフィードバックし、更なる科学的介護を推進する

介護分野では、医療分野とは異なり、研究による論文などによる科学的根拠の蓄積ではなく、事業所ごとの利用者様のデータを蓄積して活用します。

蓄積されたデータをもとに科学的介護を実施することで、質の高いケアの提供や利用者の重症化予防にも役立つことが期待されます。

参照:科学的介護情報システム(LIFE)による科学的介護の推進について(令和3年4月 厚生労働省)

LIFEの利用状況

令和3年度の介護報酬改定に関するアンケート調査をもとに、LIFEの利用状況や今後の課題について解説します。

LIFEは各介護サービスにおいて、初年度から意欲的に利用されました。

LIFEの利用状況について「データ登録まで終えている」から「利用申請予定」の回答までを含めると以下のようになります。

  • 特別養護老人ホーム:88.2%
  • 通所介護:78.1%
  • 認知症対応型通所介護:78.2%
  • 老人保健施設:93.1%
  • 通所リハビリ:91.0%
  • 介護医療病院:82.8%

LIFEの利用に対して積極的な事業所が多いという結果が示されています。

一方、どのサービスにおいても約1〜3割が「利用申請する予定はない」と回答していました。

その理由として「システムへのデータ登録が負担」「システム全体への理解が負担」といった回答が上位を占めており、LIFEの利用自体が負担となっている施設や事業所もあることがわかります。

また、LIFEへのデータ提出を要件とする加算がいくつか新設されました。その中で、特に「科学的介護推進体制加算」は積極的に算定されています。

科学的介護推進体制加算の算定状況は「加算(Ⅰ)を算定」「加算(Ⅱ)を算定」「算定予定」までを含めると以下のようになりました。

  • 特別養護老人ホーム:70.6%
  • 通所介護:57.9%
  • 認知症対応型通所介護:55.5%
  • 老人保健施設:84.4%
  • 通所リハビリ:76.4%
  • 介護医療病院:65.5%

どのサービスにおいても算定状況は5割を超える見込みであり、LIFEの利用申請から関連加算の取得に向けてのデータ提出など、多くの事業者が初年度から意欲的に取り組んでいる状況がわかります。

さらに、今回の改訂ではアウトカム評価を要件とした加算が新設されました。しかし、ADL維持等加算・自立支援促進加算・排せつ支援加算を算定している事業所が少ないという課題もみられています。

たとえば、ADL維持等加算という通所介護に設けられていた加算が特別養護老人ホームにも適用が拡大されました。しかし、86.9%が「算定する予定はない」と回答しています。

理由としては「かかるコスト・手間が加算額に見合わない」が最も多く挙げられていました。

その他、自立支援促進加算や排せつ支援加算は共通して医師が算定要件に関わる必要があります。そのため、医師の業務体制がとれず、算定が難しい施設が多いようです。

LIFE利用状況から考えられる今後の課題としては、ほとんどの事業所で算定されておらず、収集しにくいデータをどう集めて現場に活かすかという点。

また、算定しにくい加算については現場の実情から算定すること自体が難しい可能性も考えられるため、今後の科学的介護の発展のためにも現場に寄り添った加算取得条件の設定なども挙げられるでしょう。

参照:2021 年度(令和 3 年度)介護報酬改定に関するアンケート調査(前編) 令和3年11月

従来のLIFEと新LIFEの変更点

「自立支援」を目的に作られた従来のLIFEですが、様々な課題がありました。

具体的にはフィードバック票がわかりづらい、アウトカムが適正に評価されない、データ提出のタイミングが複雑、評価・入力項目に重複が多いなどの課題が挙げられていました。

以下、令和6年度の報酬改定で新LIFEになったことによる変更点を紹介します。

フィードバック項目見直し

これまでのLIFEは、フィードバック票のデータの粒度が粗く「データ活用がしづらい」「計画書への反映の仕方がわからない」ことが課題視されていました。「介護に活かせるフィードバックデータ」を提供するために、以下のような見直しが実施されました。

  • Excel形式での提供ではなく、ブラウザ上で操作を可能とすることで、操作性・視認性を向上
  • 複数時点での時系列変化を参照することが可能
  • 全国値を様々な要素で絞り込み、類似した状況の介護施設・事業所や利用者と比較することが可能
  • 全国値に対する自施設・事業所の位置を参照することが可能

注意点としてLIFEフィードバックを活用しないと運営指導の対象になる可能性が出てきました。

ADL維持等加算の改善

ADL維持改善の取り組み評価の充実化や利得計算がわかりやすくなりました。

従来のADL維持等加算は

  • ADLの維持・改善の取組評価が不十分
  • ADL利得計算方法が複雑で、算定する上での障壁になっていた

という課題がありました。

改善後のADL維持等加算は

  • ADL維持等加算(II)におけるADL利得値を「2以上」から「3以上」へ変更
  • 利得計算のやり方自体をわかりやすくした

のように変更されました。

データ提出タイミングの見直し

データ提出のタイミングを「3ヶ月に一回」に統一することで、一括してデータ提出できるようにし、管理の簡略化に繋げました。しかし、ADL維持等加算は従来の提出頻度から変更されておらず、3ヶ月に統一されていません。

LIFEの運用方法・使い方

LIFEを使用する場合、あらかじめWebサイトから新規の利用申請手続きをした上で、ログインのID設定やユーザー登録を行う必要があります。パソコンとインターネット環境があれば、どこでも無料で利用可能です。

ここでは、LIFEの運用方法と使い方について紹介します。

LIFEの初回利用時のみ以下の項目を実施する必要があります。

まずは国保連から電子請求受付システムのID・パスワードをもらいます。
※自治体によって対応スピードが異なるため注意が必要です

新LIFEの新規利用の手続きをする

  • 新LIFEのログイン画面を開き、新規登録をクリックする
  • LIFEにログインする
  • 管理者情報更新画面を開く
  • 新LIFEログイン画面を開く
  • 起動アイコンをダウンロードする
  • ダウンロードした起動アイコンをデスクトップに表示する
  • 起動アイコンからログイン画面を開く

その後は、加算の算定要件に応じた頻度で「利用者情報・様式情報の登録」と「フィードバックのダウンロード」を実施します。

以下に介護事業者のデータ提出とLIFEへのデータ提出方法、フィードバックの活用について解説します。

▶︎LIFEホームページへのリンク

介護事業者のデータ提出

介護事業者がLIFEへ提出するデータは、利用者の状態やケアの計画・内容、評価についての記録であり、加算毎に定められています。

例えば、科学的介護推進体制加算の場合は以下の項目があります。

  • 評価日
  • 前回評価日
  • 障害高齢者の日常生活自立度
  • 認知症高齢者の日常生活自立度
  •  総論
  • 口腔・栄養
  • 認知症

算定する加算によって重複するデータもあるため事前に確認が必要です。また、LIFEへのデータ提出の頻度も加算によって異なります。

たとえば、科学的介護推進体制加算・ADL維持等加算・自宅支援促進加算は6ヵ月に1回の提出ペースですが、個別機能加算・リハビリテーションマネジメント加算・褥瘡対策指導管理加算・排せつ支援加算などは3ヵ月に1回のペースで提出が必要になります。

さらに、LIFEへのデータ提出は期限が定められており、データの提出は毎月10日までに提出する必要があります。10日の締め切りを過ぎると当該月の加算が得られなくなる可能性があるため注意しましょう。

施設・事業所ごとに算定する加算を確認した上で、評価や記録、LIFEへ提出するデータの準備が大切です。

参照:ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)の利活用のための自治体職員向け手引き(令和5年3月 厚生労働省)

LIFEへのデータ提出方法

LIFEへのデータ提出方法について解説します。提出方法は、以下の2つです。

  1. LIFEへの直接入力
  2. CSVファイルの取り込み

1つ目のLIFEへの直接入力は、LIFEの画面上の入力フォーマットから手入力により登録する方法です。この方法は、介護記録ソフトの使用状況に関わらず、インターネットの接続があれば全ての介護事業所で利用することが可能です。

2つ目のCSVファイルの取り込みは、LIFEに対応した介護記録ソフトを用いている場合のみ可能です。介護記録ソフトなどで記録している情報をCSVファイル形式で出力し、LIFEへの取り込みを行う方法です。

これにより、データを何度も入力する必要なく、少ない負担でLIFEへのデータ提出が行えます。ただし、この方法は介護ソフトがLIFEのフォーマットでのCSVファイル出力に対応しているか確認が必要です。

一般的には、介護ソフトを用いることで書類時間の短縮や書類確認などの業務負担の軽減が可能です。

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フィードバックの活用

LIFEから介護事業所へのフィードバックの内容と活用方法について解説します。

表(1)

出典:科学的介護情報システム(LIFE)による科学的介護の推進について(令和3年4月 厚生労働省)

LIFEの役割はフィードバックデータをもとに、科学的介護に則った質の高いケアを提供することです。そのため、フィードバックを活用することが重要です。

LIFEのフィードバックは、トップ画面から「フィードバックダウンロード」を選び、ダウンロードするファイルを選択することで手に入れられます。

LIFEのフィードバックの種類は、以下の通りになります。

  • 事業所単位:全国の同じサービスの施設・事業所における相対的な「位置」。自分の施設や事業所のデータが、全国の同じサービスのデータと並んで表示され、全国との比較ができる。
  • 利用者単位:各利用者の直近と過去の状態と、それらに基づく「変化」。利用者様の直近と過去のデータが並んで表示され、比較することで変化を把握できる。

当初、事業所単位のデータしか手に入れることができませんが、2023年6月30日より利用者別、加算別フィードバック票の提供が始まりました。

事業所単位と利用者単位のフィードバックを他の評価情報と組み合わせて解釈することで、事業所全体のケアの改善や利用者のケアプラン改善に活用できます。

ケアの改善に活かす方法として、フィードバックをもとにPDCAサイクル(表1)を回すことが必要になります。

具体的には、P(計画)で施設や利用者様への改善計画を立て、D(実行)で作成した計画を実行します。そして、C(評価)で実行した後の利用者様の状態やケアの実績を評価・記録します。また、フィードバック結果から全国平均と差のある項目をピックアップしながら、Pで作成した目標が達成しているか振り返りをします。

A(改善)では、Cでピックアップした項目について「解決すべき課題」であるかを検討し、Pの計画を見直します。

フィードバックを活用してPDCAサイクルを回し、継続的にケアの改善を続けることが、介護事業所・利用者ごとのケアの質を高めることにつながります。

LIFEの活用が要件に含まれる加算

ここでは、LIFEの活用が要件に含まれる加算について紹介します。

通所・居住サービスにおけるLIFEの活用が要件に含まれる主要な加算には以下があります。

参照:令和3年度介護報酬改定における改定事項について(厚生労働省)

個別機能訓練加算(Ⅱ)

  • 利用者の自立支援等に向けて個別機能訓練の提供を促進するための加算
  • 対象は個別機能訓練加算(Ⅰ)イ56単位/日あるいは個別機能加算(Ⅰ)ロ76単位/日を算定している利用者
  • 個別機能訓練加算(Ⅰ)に上乗せして算定可能
  • 単位数は20単位/月
  • 個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件は、個別機能訓練計画の内容等をLIFEに提出し、機能訓練の実施のためフィードバックを適切かつ有効に活用すること
  • 3ヶ月に1回以上評価し、利用者の居宅を訪問した上で、利用者様やご家族様に個別機能訓練計画を説明、必要に応じて計画の見直しなどを行う

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ADL維持等加算 (Ⅰ)・(Ⅱ)

  • 自立支援や重症化防止に向けた取り組みを推進するための加算
  • ADL維持等加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の併用算定は不可
  • ADL維持等加算(Ⅰ)は30単位/月、ADL維持等加算(Ⅱ)は60単位/月
  • ADL維持等加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の算定要件は、以下を満たすことである
  1. 評価対象利用期間が6ヵ月を超える利用者の総数が10名以上
  2. 利用者全員に、利用開始月と開始月の翌月から6ヵ月目にBarthel Indexを評価できる者がADLを測定してLIFEに提出する
  3. 調整済みADL利得が利用者の上位と下位の1割を除外した者を評価対象として、ADL維持等加算(Ⅰ)の要件は調整済みADL利得の平均が「1以上」、ADL維持等加算(Ⅱ)の要件は調整済みADL利得の平均が「3以上」であること

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栄養アセスメント加算 

  • 栄養改善が必要な利用者を把握し、管理栄養士と介護職などが連携した栄養アセスメントの取り組みを推進するための加算
  • 単位数は50単位/月
  • 算定要件は、以下を満たすことである
  1. 事業所の従業者として、または外部との連携により管理栄養士を1名以上配置していること
  2. 利用者ごとに、管理栄養士、看護職員、介護職員など多職種が共同して栄養アセスメントを実施し、利用者またはご家族様に対して説明、必要に応じて対応すること
  3. 利用者ごとの栄養状態等の情報をLIFEに提出し、栄養管理の適切かつ有用な実施のためにフィードバックを活用すること

▶︎栄養アセスメント加算とは?算定要件・単位数など徹底解説

口腔機能向上加算(Ⅱ)

  • 利用者の口腔機能低下を早期に確認し、適切な管理により口腔機能の低下予防や維持、回復につなげるための加算
  • 原則として、3ヵ月以内、月2回を上限
  • 口腔機能向上加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の同時算定は不可
  • 口腔機能向上加算(Ⅱ)は160単位/回
  • 算定要件は、口腔機能向上加算(Ⅰ)を満たし、口腔機能改善管理指導計画等の情報をLIFEへ提出し、口腔衛生管理を適切かつ有効に実施するためにフィードバックを活用すること

口腔機能向上加算とは|(Ⅰ)(Ⅱ)の違い・算定要件・計画書について

科学的介護推進体制加算(Ⅰ)・(Ⅱ)

  • LIFEから得られたフィードバックを活用し、利用者のケアプランや実施、事業所単位でのPDCAサイクルを推進によってケアの質を高めるための加算
  • 科学的介護推進体制加算(Ⅰ)は40単位/月、科学的介護推進体制加算(Ⅱ)は60単位/月
  • 科学的介護推進体制加算(Ⅱ)において、服薬情報の提供を求めない、特養と地域密着特養に関しては50単位/月
  • 科学介護推進体制加算(Ⅰ)の算定要件は、以下を満たすことである
  1. 利用者ごとのADL、栄養状態、口腔機能、そのほかの心身状況などに係る基本的な情報をLIFEに提出していること
  2. 必要に応じてサービス計画を見直すなど、サービスの提供にあたって、適切かつ有用な実施のためにフィードバックを活用すること
  • 科学的介護推進体制加算(Ⅱ)では、1の項目に加えて、疾病の状況や服薬情報等の情報を提出することで算定が可能となります。
  • LIFEへのデータ提出頻度は、少なくとも「3月に1回」必要です

科学的介護推進体制加算の算定要件とは?LIFEへの提出頻度や記入例

褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)・(Ⅱ)

  • 褥瘡管理のプロセスへの評価や発生予防、状態改善等について、介護の質の向上を推進ための加算
  • 褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)は3単位/月、褥瘡マネジメント(Ⅱ)は13単位/月
  • 褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)の算定要件は以下を満たすこと
  1. 褥瘡の発生と関連のあるリスクについて、施設入所時と少なくとも3ヵ月に1回は評価を行い、その評価結果をLIFEに提出し、褥瘡管理を適切かつ有効に実施するためにフィードバックを活用する
  2. 褥瘡評価の結果、褥瘡の発生リスクがある入所者に対して、医師、看護師、管理栄養士、介護職員、そのほかの職種が共同して、褥瘡ケア計画を作成すること
  3. 褥瘡ケア計画に従って褥瘡管理を実施し、その管理内容や入所者の状態について定期的に記録すること
  4. 褥瘡評価に基づき、少なくとも3ヵ月に1回、入所者ごとに褥瘡ケア計画を見直しすること
  • 褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)の算定要件は、褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)の算定要件に加えて、施設入所時等の評価結果で褥瘡が発生するリスクがあるとされた入所者等について、褥瘡の発生がないこと

※デイサービス(通所介護)では算定できません

排せつ支援促進加算(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)

  • 排せつ状態の改善が期待できる入所者を支援し、定期的な評価の実施により介護の質の向上を推進するための加算
  • 排せつ支援加算(Ⅰ)は10単位/月、排せつ支援加算(Ⅱ)は15単位/月、排せつ支援加算(Ⅲ)は20単位/月
  • 排せつ支援加算(Ⅰ)の算定要件は、以下を満たすこと
  1. 排せつに介護を要する入所者に対して、要介護状態の軽減の見込みについて、医師や医師と連携した看護師が施設入所時と少なくとも6ヵ月に1回、評価を行う。その評価結果をLIFEに提出し、排せつ支援を適切かつ有効に実施するためにフィードバックを活用する。
  2. 医師、看護師、介護支援専門員などが共同して、排せつに介護を要する原因を分析し、支援計画を作成、支援を継続して実施すること
  3. 排せつの評価に基づき、支援計画を少なくとも3ヵ月に1回は見直すこと
  • 排せつ支援加算(Ⅱ)の算定要件は、排せつ支援加算(Ⅰ)の要件を満たしている施設において、施設入所時等と比べ、排尿や排便の少なくとも一方が改善し、いずれにも悪化がない。または、オムツ使用有から無に改善していること。
  • 排せつ支援加算(Ⅲ)の算定要件は、排せつ支援加算(Ⅰ) の要件を満たしている施設において、入所時等と比べ、排尿や排便の少なくとも一方が改善し、いずれにも悪化がない。さらに、オムツ使用有から無に改善していること。

※デイサービス(通所介護)では算定できません

自立支援促進加算

  • 施設系サービスにおける自立支援や重症化予防、廃用や寝たきり防止等の観点から、医学的評価に基づくアセスメントやケアを推進するための加算
  • 自立支援促進加算は300単位/月
  • 算定要件は、以下を満たすことである
  1. 医師が入所者ごとに、入所時と少なくとも6ヵ月に1回、自立支援のために必要な医学的評価を実施し、支援計画等の策定などに参加していること
  2. 医師、看護師、介護職員、そのほかの多職種が共同して自立支援に係る支援計画の策定と支援計画に従ったケアを実施すること
  3. 少なくとも3ヵ月に1回、支援計画を見直すこと
  4. 医師が行った自立支援の評価結果をLIFEに提出し、自立支援促進の適切かつ有効な実施のためにフィードバックを活用すること

※デイサービス(通所介護)では算定できません

栄養マネジメント強化加算

  • 介護施設における栄養ケアやマネジメントの取り組み強化を推進するための加算
  • 栄養マネジメント強化加算は、11単位/日
  • 算定要件は、以下を満たすことである
  1. 常勤の管理栄養士を、入所者の数を50(1名以上配置し、給食管理を行っている場合は70)で割った値よりも配置していること
  2. 低栄養リスクが高い入所者に対して、医師、管理栄養士、看護師等が共同して作成した栄養ケア計画に従い、食事観察を週3回以上行い、食事調整等を実施すること
  3. 低栄養リスクの低い入所者に対して、食事の変化を把握し、問題がある場合は早期に対応すること
  4. 入所者ごとの栄養状態等の情報をLIFEに提出し、継続的な栄養管理の適切かつ有効な実施のためにフィードバックを活用すること

※デイサービス(通所介護)では算定できません

口腔衛生管理加算(Ⅰ)・(Ⅱ)

  • 施設系サービスにおいて、口腔衛生管理体制を充実させ、入所者ごとの状態に応じた口腔衛生の管理を推進するための加算
  • 口腔衛生管理加算(Ⅰ)は90単位/月、口腔衛生管理加算(Ⅱ)は110単位/月
  • 口腔衛生管理加算(Ⅱ)の算定要件は、口腔衛生管理加算(Ⅰ)の要件に加えて、口腔衛生等の管理に係る情報をLIFEに提出し、口腔衛生等の適切かつ有効な管理と実施のためにフィードバックを活用すること

※デイサービス(通所介護)では算定できません

LIFEを算定している事業所の事例

LIFEの算定を行う際にICTを活用している事業所を紹介します。

ICTを有効に活用することでLIFEに関連した書類業務を効率化できる可能性があり、業務負担の軽減や時間の短縮が図れます。

合同会社 Kーダッシュ「リハビリデイサービス ポジリハ那覇店」様

LIFEによる書類作成と提出は、日々の業務負担が増え、利用者様と向き合う時間が減るという問題がありました。業務量の軽減を図るために導入したのがRehab Cloud リハプランでした。

リハプランは、各種加算に必要な計画書など共通したデータを転帰することが可能で、入力漏れがあれば表示できる機能もあります。

リハプランを活用することで、作業量が多いLIFEへの提出も短時間で実施できるようになり、書類不備のチェックも負担が減りました。

結果、業務負担を軽減することができ、利用者様と向き合う時間を確保しやすくなりました。

社会福祉法人元気村「栗橋翔裕園デイサービスセンター」様

LIFEの算定を開始した当初、LIFEへの提出データ作成は業務記録から手入力で行っていました。そのため、時間がかかる上に、作業が複雑で、LIFE提出業務の引継ぎも難しいのではないかと懸念する状態でした。

しかし、Rehab Cloud リハプランを導入することでこの問題を解決することができました。リハプランは出力したCSVファイルをそのままLIFEに取り込み、提出することができます。また、操作の説明もあり誰でも理解しやすいようになっています。

導入後はLIFE提出業務が簡略化し、他職員にもLIFE提出業務を引き継ぐことができるようになりました。業務の簡略化だけでなく、業務の分担や引継ぎも容易となるため事業所に有益です。

加算算定、書類業務でお困りならRehab Cloudがおすすめ

日々の加算算定業務や記録業務などで苦労されている人も多いのではないでしょうか?科学的介護ソフト「Rehab Cloud」であれば、現場で抱えがちなお悩みを解決に導くことができます。

例えば、加算算定業務であれば、計画書作成や評価のタイミングなど、算定要件に沿ってご案内。初めての加算算定でも安心して取り組めます。さらに、個別性の高い計画書は最短3分で作成できます。

記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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