【令和6年介護報酬改定】個別機能訓練加算の動向|都度更新

介護報酬改定

更新日:2024/04/02

令和6年度(2024年度)介護報酬改定で個別機能訓練加算はどうなるのでしょうか。最新動向がわかり次第、この記事を更新していきます。令和6年介護報酬改定について気になる方はぜひご参考ください。    

介護報酬改定(介護保険制度改正)とは

介護報酬改定は、介護報酬の適正化を図るため、国の財政やその時々の社会情勢・環境の変化、介護サービスの事情などを踏まえて、3年に一度のサイクルで行われる見直しのことです。

収益の大部分を介護給付で賄っている介護サービス事業所が多いため、介護報酬改定は決して他人事ではありません。基本報酬の減額で収益減につながる恐れがあり、その反対に新しい加算の創設によって収益増となることも見込めます。

新しいサービス区分の創設や廃止によって施設運営に大きな影響があるため、早めに情報収集し対応策を考えておくことが大切です。

介護・医療のダブル改定は6年ごと

介護分野における介護報酬と同じく定期的に見直しされている社会制度の中に、医療分野の診療報酬があります。介護報酬改定は3年ごと、診療報酬改定は2年ごとに行われているため、2つの報酬改定が重なる「ダブル改定」が6年ごとに訪れます。

介護報酬・医療報酬ともに被保険者からの保険料徴収と税金を財源としており、その財源をもとに介護保険制度では介護サービスの給付、医療保険制度では治療・投薬等の医療サービスが給付されています。

医療保険制度・医療保険制度は全く別々のものではなく、連携体制のもとサービス提供されていると考えて良いでしょう。ダブル改定は連携強化のための大切な機会ととらえて間違いなさそうです。

平成30年度(2018年)のダブル改定のポイント

平成30年度(2018年)のテーマは「医療と介護の連携」でした。医療・介護は施設から在宅や地域でケアしていく、という方針が色濃く出た改訂だったといえるでしょう。

平成30年度(2018年)の介護報酬改定は2017年4月26日から介護給付費分科会で議論が開始され、2018年4月より改定となっています。改定率は介護サービス全体で+0.54%となり、2015年の-2.27%を大きく上回っています。具体的な内容は以下の通りです。

  • 地域包括ケアシステムの推進
    住む地域に関係なく適切な医療・介護サービスを受けらえる体制の構築
  • 自立支援・重度化防止のための質の高い介護サービスの実現
    適切なリハビリテーションの提供・ADLの維持・改善に重点を置いた加算の創設
  • 制度の安定性・持続可能性の確保のための介護サービスの適正化・重点化
    福祉用具貸与の上限設定・訪問看護評価の見直し等による現役世代の負担軽減など
  • 多様な人材の確保・生産性向上
    介護業界の大きな課題である人材確保と生産性向上に向けた業務分担の見直しと効率化改善

令和6年度(2024年)のダブル改定のポイント

令和6年度(2024年)の改定では、より医療・介護の連携が強化されることが予想されます。介護報酬改定で焦点となるのは以下の項目です。

  • 訪問介護と通所介護を組み合わせて使える「複合型サービス」の創設
    最も注目度が高いのがこの「複合型サービス」の創設です。12年ぶりの新サービスとなり、多様化するニーズにこたえるための介護サービス拡充になります。月額の「包括報酬」であり、宿泊機能のない小規模多機能型居宅介護のようなサービスとなると予想されています。
  • アウトカム評価の強化
    令和3年の介護報酬改定では、ストラクチャー(構造)、プロセス(過程)、アウトカム(成果)のうち、アウトカムを重視した評価が強化されてきました。令和6年の介護報酬改定でも、LIFEのより一層の浸透と科学的介護の推進により、アウトカム評価が強化される見込みです。
  • 財務状況の明確化
    いままでは社会福祉法人のみ財務状況の提出・公表が義務化されていましたが、令和6年の改定ではその他の法人格(医療法人・株式会社等)についても同様のものが求められます。

【緩和・推進される項目】
居宅のケアマネも総合事業(要支援)のプランを扱えるようになる
医療情報と合わせた情報のデータ共有に向けた新しいプラットフォームの推進、各種申請書類の電子化を含むICT化の推進
地域包括支援センターの有資格者配置要件の緩和

【慎重な議論・議論延長されている項目】
要介護認定の有効期間拡大
「介護助手」の法制度上の明確化
特養の要介護1・2受け入れ幅拡大
老健・介護医療院の多床室の室料負担(前向きだが議論延長)
その他給付と負担全体の見直し(議論延長)

法改正までの流れ・スケジュール概要

令和6年の介護報酬改定の現在決まっているスケジュールは以下の通りです。

【令和5年】

  • 6月~夏頃 :主な論点について議論
  • 9月頃 : 事業者団体等からのヒアリング
  • 10~12月頃 :具体的な方向性について議論
  • 12月中 :報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・とりまとめ

※地方自治体における条例の制定・改正に要する期間を踏まえて、基準に関しては先行してとりまとめを行う。

令和6年度政府予算編成

【令和6年】

  • 1月頃 介護報酬改定案 諮問・答申

過去の介護報酬改定においても同じようなスケジュールで進められており、令和6年においても大幅な流れの変更はないでしょう。

介護報酬改定の全体像が見えてくるのは令和5年の12月ごろになりそうです。

参考:令和6年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)

令和6年度の介護報酬改定について

ここでは、令和6年度の介護報酬改定に置ける個別機能訓練加算の位置づけや、介護報酬改定の方向性についてご説明します。

令和6年度の介護報酬改定では、令和3年度の介護報酬改定で打ち出された科学的介護の推進が引き継がれ、科学的介護の推進が加速します。自立支援介護に向けてケアプランやケアマネジメントの質を向上させるのが大きな狙いです。

居宅介護支援事業所においても、ケアプランの情報を利活用させるためにLIFEの提出が必要になってきます。ケアマネジャーは経験則ではなく、データベースやガイドラインに基づいたケアプランの作成、提出を求められます。

そのためには、他職種が連携してADLを評価するBI(バーセルインデックス)や認知症の周辺症状を評価するDBD13、口腔・栄養や褥瘡などさまざまな評価を定期的に実施する必要があるでしょう。
また、LIFEへのデータ提出も必須になると考えて間違いなさそうです。利用者の適切なアセスメントと担当者間の共有、フィードバックというPDCAサイクルを循環させるためにも、LIFEの活用は欠かせないといえます。

個別機能訓練加算に関する令和3年度介護報酬改定のおさらい

この記事では、介護報酬改定における個別機能訓練加算に関する情報をお伝えしていきます。

見直し内容

通所介護・地域密着型通所介護の個別機能訓練加算は、令和3年度の介護報酬改定時に利用者の自立支援をより促進する目的で変更されました。

令和3年度以前の個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)は統合され、個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロの2つになっています。

令和3年時の改訂前と対象や算定要件、機能訓練項目などは同じです。異なるのは単位数と機能訓練指導員の配置基準になります。イ・ロともに個別の機能訓練についての算定要件です。イ・ロ大きな違いとしては、人員配置になります。

イは、常勤・専従の機能訓練指導員を1名以上配置しなければなりません。 配置時間の定めはありません。ロは、配置時間の定めのない機能訓練指導員1名に加えて、サービス提供時間帯を通じて専従の機能訓練指導員を1名以上配置する必要があります。

また、新たにLIFEへの情報提出が要件となる個別機能訓練加算(Ⅱ)が新設されました。人員配置や訓練内容に関する算定要件はありません。個別機能訓練加算(Ⅰ)で実施した内容をLIFEへ提出することが要件になり、LIFEからのフィードバックを個別機能訓練加算(Ⅰ)で活かすことが求められます。

単位数の変化

令和3年時の改訂前と改定後の単位数がどう変更されたかも振り返っておきましょう。

個別機能訓練加算(Ⅰ)

単位数 

【改定前】46単位/日 

【改定後】イ:56単位/日 ロ:85単位/日

個別機能訓練加算(Ⅱ)新設

単位数 

【改定後】20単位/月

個別機能訓練加算の算定要件

それでは現在(令和3年報酬改定)の個別機能訓練加算(Ⅰ)(Ⅱ)の簡単な算定要件を紹介します。

個別機能訓練加算(Ⅰ)

 個別機能訓練加算(Ⅰ)イ個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ
単位56単位85単位
機能訓練指導員の配置基準常勤・専従を1名以上配置 (配置時間の定めはなし)配置時間の定めのない機能訓練指導員1名
+専従1名以上(サービス提供時間帯を通じて)

※令和3年時の改訂前と対象や算定要件、機能訓練項目などは同じです

「個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロの算定要件【2021年介護報酬改定】」の詳細については、こちらでも詳しく紹介しております。

個別機能訓練加算(Ⅱ)

個別機能訓練加算(Ⅱ)
単位数 20単位/月 (Ⅰ)算定に加えて算定する
対象者 要介護、個別機能訓練加算(Ⅰ)を算定している者
算定要件
  • 個別機能訓練加算(Ⅰ)イまたは個別機能訓練加算(Ⅰ)ロを算定していること
  • (Ⅰ)の取り組みに加えて、厚生労働省に個別機能訓練計画の情報を提出・フィードバックを受けること(LIFEの活用)
  • 利用者の状態に応じて個別機能訓練計画の作成、計画に基づいた訓練の実施、評価、評価結果を踏まえた計画の見直しや改善の一連のサイクルによりサービスの質の管理を行う

「個別機能訓練加算(Ⅱ)」についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件・単位数とLIFEへの提出方法

算定状況

令和4年3月サービス提供分の個別機能訓練加算(Ⅰ)(Ⅱ)の通所介護事業所の算定率は以下になっています。

通所介護の算定状況

  個別機能訓練加算(Ⅰ)イ * 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ * 個別機能訓練加算(Ⅱ)
単位数

56

 85

 20

算定事業所数

10,426

6,427

 5,605

算定率(事業所ベース

42.7%

26.3%

 23.0%

算定回数・日数 (単位:千回・千日)

 2,957.5

2,939.7

298.3

算定率 (回数・日数ベース)

23.9%

23.8%

2.4%

算定単位数(単位:千単位)

165,594

249,878

 6,001

※ *は日数を算定 ※ 算定事業所数:介護保険総合データベースについて任意集計を実施。 ※ 算定率(事業所ベース):各加算算定事業所数/通所介護算定事業所数
※ 算定回数・日数:介護給付費実態統計(月報・第9表/令和4年3月サービス提供分) ※ 算定率(回数・日数ベース):各加算算定回数・日数/通所介護算定総回数

令和4年3月サービス提供分の個別機能訓練加算(Ⅰ)(Ⅱ)の地域密着型通所介護事業所の算定率は以下になっています。

地域密着型通所介護の算定状況

  個別機能訓練加算(Ⅰ)イ * 個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ * 個別機能訓練加算(Ⅱ)
単位数

56

85

20

算定事業所数

6,555

2,335

2,738

算定率(事業所ベース

34.8%

12.4%

14.5%

算定回数・日数 (単位:千回・千日)

1,022.1

514.5

81.9

算定率 (回数・日数ベース)

26.0%

13.1%

2.1%

算定単位数(単位:千単位)

57,238

43,734

1,657

※ *は日数を算定 ※ 算定事業所数:介護保険総合データベースについて任意集計を実施。 ※ 算定率(事業所ベース):各加算算定事業所数/地域密着型通所介護算定事業所数 
※ 算定回数・日数:介護給付費実態統計(月報・第9表/令和4年3月サービス提供分) ※ 算定率(回数・日数ベース):各加算算定回数・日数/地域密着型通所介護算定総回数

参照:社会保障審議会 介護給付費分科会(第219回)

現状と課題・論点

個別機能訓練については、以下の現状が厚生労働省より言及されています。

◼通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護における各サービスは、利用者に必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うこ とにより、利用者の①社会的孤立感の解消及び②心身の機能の維持並びに③利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減(レスパイトケア)を図るものである。

引用:社会保障審議会 介護給付費分科会(第219回)(令和5年7月10日)

論点については、以下が厚生労働省より言及されています。

■通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護について、利用者に必要な日常生活上の 機能向上並びに自立支援につながる質の高いサービスを提供する観点などから、どのような方策が考えられるか。

引用:社会保障審議会 介護給付費分科会(第219回)(令和5年7月10日)

論点について拡大解釈すると、科学的介護の推進が加速することが予想され、LIFEの重要性が増すのではないでしょうか。また、アウトカムの評価が盛り上がっていくのではないかと推察されます。

令和6年度介護報酬改定に関する関係団体ヒアリング内容

全国介護事業者連盟の『令和6年度介護報酬改定に関する意見』によると、個別機能訓練加算について以下のような意見が出されています。

◯リハビリテーション・機能訓練・口腔・栄養の 一体的取組みの更なる評価(P11)
自立支援・重度化防止を推進する上で、リハビリテーション・機能訓練・口腔・栄養の一体的取組みの更なる評価をお願いいたします。また、関連する個々の加算の統廃合や、一体的な取組みによる自立支援・重度化防止を推進する包摂的な加算創設を検討くださいますようお願いいたします。

◯個別機能訓練加算・生活機能向上連携加算の算定要件の見直し(P12)
施設や通所サービスにおける「個別機能訓練加算」について、効果的な活用に対する更なる評価を頂くとともに、口腔・栄養との一体的な取組みの評価、LIFE関連加算の更なる拡充を検討くださいますようお願いいたします。 「生活機能向上連携加算」については、調査結果の内容等も踏まえてより効果的な活 用を推進するため、医療提供施設の専門職との連携と定められている要件について、 医療提供施設に限定せずに、外部専門職との連携において算定可能な要件に見直して頂きますよう強く要望いたします。

◯通所サービスにおける個別機能訓練加算の見直し(P23)
通所サービスにおける個別機能訓練加算は、前回改定においてⅠとⅡが統合され、 新たなⅠがイとロに分かれています。イとロについては、統合を含めた検討が必要ですが、人員配置体制への考慮や、LIFEとの連動となるⅡの単位拡充及びアウトカム評価 の更なる拡充と合わせた検討をお願いいたします。 また、3カ月に1度の自宅訪問が必要なルールについては、利用者の状態の変化や、自宅環境の変化が生じた際の訪問への見直しを検討頂くことを強く要望いたします。

引用:『令和6年度介護報酬改定に関する意見』全国介護事業者連盟

細かい加算を統一し口腔・栄養との一体的な取り組み評価軸を設けてほしいという要望が出ている様子がわかります。

加算が増えたことによる作業負荷の軽減と、リハビリや口腔ケアなどを包括的に評価する加算が求められていると言えるでしょう。

個別機能訓練加算に関しては、令和3年介護報酬改定で2つに分けられた(Ⅰ)イ・ロの統合や、3ヵ月に1度の訪問ルールの見直しなど、加算の統一・算定要件の簡素化が求められています。

また、LIFE利用やアウトカム指標が強化されることを踏まえ、そこに関する単位拡充も合わせて求められているようです。

令和6年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)

令和5年10月11日に開かれた第227回社会保障審議会介護給付費分科会で、令和6年度介護報酬改定に向けて基本的な視点(案)が出ました。

出典:令和6年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)概要 資料2-1(社保審-介護給付費分科会 第227回)

基本的には、多様化する介護ニーズや地域特性に合わせた地域包括ケアシステムの深化・推進、令和3年介護報酬改定から推進されてきた自立支援・重度化防止に資するサービスの提供を引き続き推進していくこと、などが主軸と言えるでしょう。

また、良質なサービス提供と人材確保のため働きやすい職場環境づくりや柔軟なサービス提供の取組みにも言及されています。

現役世代の急速な減少や介護分野からの人材流出がみられる中、総合的な人材確保の取組みは喫緊の課題として考えられているようです。

財務省によるこれからの介護報酬改定への提言

令和5年11月1日に開かれた財政制度分科会(財務省)では、これまでの介護報酬改定の総括と、これから(令和6年度以降)の提言がなされました。

出典:財務省 財政制度分科会参考資料(令和5年11月1日開催)

財政制度分科会では、介護報酬改定については主に下記3つについての提言がされています。

  • 担い手の確保
  • 給付の適正化
  • 保険制度の持続性を確保するための改革

この中でも特に通所介護に関係の深いところは「担い手の確保」の部分です。

介護現場の生産性向上と業務効率化は、業界全体の喫緊の課題であり、ICT機器・介護ロボットの利活用の上での人員基準の緩和も検討されているところです。

また他の産業に比べ、介護業界においてソフトウェア投資額の伸びが小さいことにも言及されており、業界全体をあげて業務効率化のために取組みたい考えが示されています。

財務省からの提言なので、コストパフォーマンスを最大限に高めるのが重要とされています。これからはこの提言を踏まえた上で介護報酬改定の議論が進んでいくと思われます。

加算については、制度開始から種類が増加し体系が複雑化されたことが課題とされています。算定率ゼロ・算定率の低い加算については前回に引き続き加算の整理が行われる可能性があるでしょう。

個別機能訓練加算の単位について

令和6年1月22日の介護給付費分科会において、個別機能訓練加算の単位について以下の通り議論されています。

(Ⅰ)ロの加算要件が緩和された結果、単位数は引き下げられた格好です。
非常勤の複数の機能訓練指導が在籍するデイサービスでは加算取得しやすくなったとも言えます。

【個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ】
加算要件が緩和され、常勤の機能訓練指導員がいなくても、複数の機能訓練指導員が勤務していれば(Ⅰ)ロの算定が可能となったが、単位数は76単位(←85単位)となり9単位ダウン

出典:社保審-介護給付費分科会第239回(R6.1.22)参考資料2-1

令和6年度介護報酬改定の最新動向

ここでは、令和6年度介護報酬改定の最新動向をお伝えします。

取りまとめに向け介護報酬改定審議報告(案)を提示

令和5年12月11日に開かれた第235回社会保障審議会介護給付費分科会では、取りまとめに向け令和6年度介護報酬改定審議報告(案)が提示されました。

以下は個別機能訓練加算に関する項目を抜粋しています。別途、運動器機能向上加算に関する項目も取り上げています。
※【】内は対象サービス

通所介護、地域密着型通所介護における個別機能訓練加算の人員配置要件の緩和及び評価の見直し
【通所介護、地域密着型通所介護】

通所介護、地域密着型通所介護における個別機能訓練加算について、機能訓練を行う人材の有効活用を図る観点から、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいて、現行、機能訓練指導員を通所介護等を行う時間帯を通じて 1 名以上配置しなければならない、としている要件を緩和するとともに、評価の見直しを行う。

運動器機能向上加算の基本報酬への包括化
【介護予防通所リハビリテーション】

予防通所リハビリテーションにおける身体機能評価を更に推進するとともに、報酬体系の簡素化を行う観点から、以下の見直しを行う。

ア 運動器機能向上加算を廃止し、基本報酬への包括化を行う。
イ 運動器機能向上加算・栄養改善加算・口腔機能向上加算のうち、複数の加算を組み合わせて算定していることを評価する選択的サービス複数実施加算について見直しを行う。

引用:令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(案)資料2(社保審-介護給付費分科会第 235 回)

個別機能訓練加算の適正化に関する議論

令和5年10月26日に開かれた第229回社会保障審議会 介護給付費分科会では、個別機能訓練加算の適正化に関する議論が行われました。個別機能訓練加算については以下のような適正化案が出ています。

出典:通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護(改定の方向性)資料1(社会保障審議会介護給付費分科会第229回)

個別機能訓練加算においては、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの機能訓練指導員の配置要件の緩和が改定案として出されています。

利用者への個別機能訓練に係る平均実施時間と人材の有効活用の観点から、以下のようなルールが提案されています。

【今までのルール】
提供時間を通じて機能訓練指導員1名+別の機能訓練指導員1名がいれば2名の機能訓練指導員がいる時間帯は個別機能訓練加算Ⅰロが算定できる

【改定案】
配置時間の定めがなくなり2名の機能訓練指導員がいる時間帯は、個別機能訓練加算Ⅰロが算定できる

このように、機能訓練指導員の人員基準が緩和される可能性があります。複数の機能訓練指導員を抱えているのにも関わらず、1名の機能訓練指導員を提供時間を通じて配置するのが困難だった事業所にとってはこの変更が有利に働くかもしれません。改定案が採用された場合、図のように機能訓練指導員は他の事業所で資格を活かしたり、配置時間以外の時間を別の業務にあてたりできるようになります。

これにより個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの算定率が改善し、機能訓練指導員という人材の有効活用も行えることになり、介護業界全体の機能訓練の環境がよりよくなることが期待できそうです。

介護報酬改定の施行6月案も

令和5年10月11日に開かれた第227回社会保障審議会介護給付費分科会では、介護報酬改定の施行時期が令和6年度4月から6月になるという議題も出ています。

すでに診療報酬の改定は6月1日からということになっています。それに合わせるのか、介護報酬は4月にするのかは今後待たれる議論です。

参考:介護報酬改定の施行時期について 資料3(社会保障審議会 介護給付費分科会 第227回)

引き続き続報をお待ちください。

令和6年度の介護報酬改定に関するその他の記事は以下です。こちらもぜひご参考ください。

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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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