地域密着型通所介護の単位数一覧表【令和6年改定対応】
介護報酬改定
2024/11/06
介護報酬改定
更新日:2024/09/13
令和6年度(2024年度)の介護報酬改定では、アウトカム評価指標に重きをおいた加算が重視される可能性が高いです。この記事ではアウトカムに関する説明や、最新動向などをお伝えします。令和6年介護報酬改定について気になる方はぜひご参考ください。
この記事の目次
介護報酬改定は、介護報酬の適正化を図るため、国の財政やその時々の社会情勢・環境の変化、介護サービスの事情などを踏まえて、3年に一度のサイクルで行われる見直しのことです。
収益の大部分を介護給付で賄っている介護サービス事業所が多いため、介護報酬改定は決して他人事ではありません。基本報酬の減額で収益減につながる恐れがあり、その反対に新しい加算の創設によって収益増となることも見込めます。
新しいサービス区分の創設や廃止によって施設運営に大きな影響があるため、早めに情報収集し対応策を考えておくことが大切です。
介護分野における介護報酬と同じく定期的に見直しされている社会制度の中に、医療分野の診療報酬があります。介護報酬改定は3年ごと、診療報酬改定は2年ごとに行われているため、2つの報酬改定が重なる「ダブル改定」が6年ごとに訪れます。
介護報酬・医療報酬ともに被保険者からの保険料徴収と税金を財源としており、その財源をもとに介護保険制度では介護サービスの給付、医療保険制度では治療・投薬等の医療サービスが給付されています。
医療保険制度・医療保険制度は全く別々のものではなく、連携体制のもとサービス提供されていると考えて良いでしょう。ダブル改定は連携強化のための大切な機会ととらえて間違いなさそうです。
平成30年度(2018年)のテーマは「医療と介護の連携」でした。医療・介護は施設から在宅や地域でケアしていく、という方針が色濃く出た改訂だったといえるでしょう。
平成30年度(2018年)の介護報酬改定は2017年4月26日から介護給付費分科会で議論が開始され、2018年4月より改定となっています。改定率は介護サービス全体で+0.54%となり、2015年の-2.27%を大きく上回っています。具体的な内容は以下の通りです。
令和6年度(2024年)の改定では、より医療・介護の連携が強化されることが予想されます。介護報酬改定で焦点となるのは以下の項目です。
【緩和・推進される項目】
居宅のケアマネも総合事業(要支援)のプランを扱えるようになる
医療情報と合わせた情報のデータ共有に向けた新しいプラットフォームの推進、各種申請書類の電子化を含むICT化の推進
地域包括支援センターの有資格者配置要件の緩和
【慎重な議論・議論延長されている項目】
要介護認定の有効期間拡大
「介護助手」の法制度上の明確化
特養の要介護1・2受け入れ幅拡大
老健・介護医療院の多床室の室料負担(前向きだが議論延長)
その他給付と負担全体の見直し(議論延長)
令和6年の介護報酬改定の現在決まっているスケジュールは以下の通りです。
【令和5年】
※地方自治体における条例の制定・改正に要する期間を踏まえて、基準に関しては先行してとりまとめを行う。
↓
令和6年度政府予算編成
↓
【令和6年】
過去の介護報酬改定においても同じようなスケジュールで進められており、令和6年においても大幅な流れの変更はないでしょう。
介護報酬改定の全体像が見えてくるのは令和5年の12月ごろになりそうです。
参考:令和6年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)
ここでは、令和6年度の介護報酬改定に置ける方向性についてご説明します。
令和6年度の介護報酬改定では、令和3年度の介護報酬改定で打ち出された科学的介護の推進が引き継がれ、科学的介護の取り組みがさらに加速します。自立支援介護に向けてケアプランやケアマネジメントの質を向上させるのが大きな狙いです。
居宅介護支援事業所においても、ケアプランの情報を利活用させるためにLIFEの提出が必要になってきます。ケアマネジャーは経験則ではなく、データベースやガイドラインに基づいたケアプランの作成、提出を求められます。
そのためには、他職種が連携してADLを評価するBarthel Index(BI:バーセルインデックス)や認知症の周辺症状を評価するDBD13、口腔・栄養や褥瘡などさまざまな評価を定期的に実施する必要があるでしょう。
また、LIFEへのデータ提出も必須になると考えて間違いなさそうです。利用者の適切なアセスメントと担当者間の共有、フィードバックというPDCAサイクルを循環させるためにも、LIFEの活用は欠かせないといえます。
令和3年の介護報酬改定では、アウトカムを重視した改定が行われました。ここではアウトカム評価についておさらいしておきます。
アウトカム評価とは、アメリカのアベティス・ドナベディアンが提唱した3つの評価視点のうちのひとつです。介護報酬における3つの視点は以下のように位置づけられています。
このように、介護における「アウトカム」とは介護を利用した結果、利用者がどのような状態になったのかを指しています。
「アウトカム評価」が重視される理由は、利用者の状態改善から評価し、より効果的なサービスにつなげたいという狙いがあるからです。
前述した「ストラクチャー評価」「プロセス評価」の2つは結果にとらわれることなく体制やサービス内容を客観的に評価できるというメリットがあります。
その一方、利用者の状態改善効果が上がりづらいというデメリットがあったため、平成18年度の「事業所評価加算」の加算から導入されたのがこの「アウトカム評価」です。
2025年には団塊の世代が75歳以上となり、超高齢化社会が加速していきます。そんな中でも利用者が効果的に状態改善できる介護サービスを継続するため、介護サービスを提供する事業所はアウトカム評価の視点を持つことが求められているといえるでしょう。
介護事業者連盟による『第225回社会保障審議会介護給付費分科会 令和6年度介護報酬改定に関する関係団体ヒアリング』によると、アウトカムに関して以下のような意見が出されています。
出典:社会保障審議会介護給付費分科会 令和6年度介護報酬改定に関する関係団体ヒアリング
アウトカム評価における意見のポイントは以下の3つです。
・高齢者のQOL向上に向けた取組みとなることを前提としたアウトカム評価の更なる拡充
・口腔・栄養に関する状態像に基づく評価、更にはADL・口腔・栄養の一体的なアウトカム加算の創設の検討(LIFEで収集している高齢者の状態像の中で)
・LIFE以外の項目に基づくアウトカム加算の更なる拡充・評価や新加算の創設
令和5年10月11日に開かれた第227回社会保障審議会介護給付費分科会で、令和6年度介護報酬改定に向けて基本的な視点(案)が出ました。
出典:令和6年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)概要 資料2-1(社保審-介護給付費分科会 第227回)
基本的には、多様化する介護ニーズや地域特性に合わせた地域包括ケアシステムの深化・推進、令和3年介護報酬改定から推進されてきた自立支援・重度化防止に資するサービスの提供を引き続き推進していくこと、などが主軸と言えるでしょう。
また、良質なサービス提供と人材確保のため働きやすい職場環境づくりや柔軟なサービス提供の取組みにも言及されています。
現役世代の急速な減少や介護分野からの人材流出がみられる中、総合的な人材確保の取組みは喫緊の課題として考えられているようです。
令和5年11月1日に開かれた財政制度分科会(財務省)では、これまでの介護報酬改定の総括と、これから(令和6年度以降)の提言がなされました。
出典:財務省 財政制度分科会参考資料(令和5年11月1日開催)
財政制度分科会では、介護報酬改定については主に下記3つについての提言がされています。
この中でも特に通所介護に関係の深いところは「担い手の確保」の部分です。
介護現場の生産性向上と業務効率化は、業界全体の喫緊の課題であり、ICT機器・介護ロボットの利活用の上での人員基準の緩和も検討されているところです。
また他の産業に比べ、介護業界においてソフトウェア投資額の伸びが小さいことにも言及されており、業界全体をあげて業務効率化のために取組みたい考えが示されています。
財務省からの提言なので、コストパフォーマンスを最大限に高めるのが重要とされています。これからはこの提言を踏まえた上で介護報酬改定の議論が進んでいくと思われます。
加算については、制度開始から種類が増加し体系が複雑化されたことが課題とされています。算定率ゼロ・算定率の低い加算については前回に引き続き加算の整理が行われる可能性があるでしょう。
また、加算の改革方向性については「質の高い介護サービスの推進に向けて、自立度や要介護度の維持・改善など、アウトカム指標を重視した真に有効な加算へ重点化すべき」と提案されています。
利用者がどのような状態になったのかを図る「アウトカム」を評価し、より効果が期待できる介護サービスを重点化したいという意思の表れと言えるでしょう。
ここでは、令和6年度介護報酬改定の最新動向をお伝えします。
出典:財政各論③:こども・高齢化等」資料2(財務省2023年5月11日)
アウトカム評価について主に下記3点について提言がされています。
現在の介護保険法では、要介護度が進むにつれて報酬が高くなる制度になっています。
具体的な例を見ると、ケアマネジメントでは労働投入時間がそれほど高くならない割に基本報酬が高く設定されていることがわかります。
【基本報酬】
・要介護3・4・5の基本報酬(約13,980円/月) ⇒ 要支援1・2(約4,380円/月)の3.2倍
【労働投入時間/利用者1人当たり・1か月間】
・要介護3(114.8分) ⇒ 要支援1(89.2分)の1.3倍程度
このように、現在の介護保険法は要介護3・4・5への評価が手厚い制度です。さらに特定事業所加算の要件に「要介護3・4・5の利用者の割合が4割以上」が含まれるなど、利用者の要介護度に評価が偏っていることが指摘されています。
自立支援・重度化防止に係る取組への評価が不十分であるため、介護保険法の趣旨である「要介護者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう介護サービスを行う」という内容に照らして、自立度や要介護度の維持・改善など、アウトカム指標を重視した枠組みとすることが求められています。
令和5年10月11日に開かれた第227回社会保障審議会介護給付費分科会では、介護報酬改定の施行時期が令和6年度4月から6月になるという議題も出ています。
すでに診療報酬の改定は6月1日からということになっています。それに合わせるのか、介護報酬は4月にするのかは今後待たれる議論です。
参考:介護報酬改定の施行時期について 資料3(社会保障審議会 介護給付費分科会 第227回)
引き続き続報をお待ちください。
令和6年度の介護報酬改定に関するその他の記事は以下です。こちらもぜひご参考ください。
日々の加算算定業務や記録業務などで苦労されている人も多いのではないでしょうか?科学的介護ソフト「Rehab Cloud」であれば、現場で抱えがちなお悩みを解決に導くことができます。
例えば、加算算定業務であれば、計画書作成や評価のタイミングなど、算定要件に沿ってご案内。初めての加算算定でも安心して取り組めます。さらに、個別性の高い計画書は最短3分で作成できます。
記録した内容は各種帳票へ自動で連携するため、何度も同じ内容を転記することがなくなります。また、文章作成が苦手な方でも、定型文から文章を作成できるので、簡単に連絡帳が作成できるなど、日々の記録や書類業務を楽にする機能が備わっています。
介護報酬改定
2024/11/06
介護報酬改定
2024/11/06
介護報酬改定
2024/11/05
介護報酬改定
2024/10/09
介護報酬改定
2024/10/02
介護報酬改定
2024/09/13