自費リハビリ|保険適用との違い・効果・料金・注意点など徹底解説
機能訓練
2024/11/28
機能訓練
その他
更新日:2024/11/06
デイサービスをはじめとした介護施設では、個別のリハビリプログラムのほかに複数名の利用者で行う「集団リハビリ」という形態があります。個別のリハビリとは違うメリットがあり、人手不足を補う施策としても期待されるリハビリ形態です。この記事では、集団リハビリのメリットから進め方、具体的な事例まで詳しくご紹介します。
この記事の目次
集団リハビリとは、その名前の通り複数人の利用者と一緒に行うリハビリのことです。
通常のリハビリはリハビリスタッフとマンツーマンで行うものですが、場合によっては集団で実施するケースもあります。
とくに介護業界では、集団リハビリを中心に行っている事業所も多い傾向にあります。
集団リハビリのメリットとしては、以下があげられます。
1回で多数の利用者にリハビリを提供できるのが、集団リハビリの強みです。
リハビリ専門職が少ない事業所でも、集団リハビリを組み合わせれば多くの利用者にリハビリの提供が可能です。
また集団でリハビリをするので、利用者も参加しやすく、モチベーションの維持につながります。このように、集団リハビリにはさまざまなメリットがあります。
集団リハビリは多くの利用者に対して行うものなので、マンツーマンでのリハビリよりも注意すべきポイントは多いといえます。
ここでは集団リハビリを成功させるためのポイントについて解説します。
集団リハビリの内容にあわせて、参加する利用者とスタッフの人数を調整しましょう。
たとえば、立った状態での運動を中心としたリハビリの場合、立位がある程度安定している利用者を選定する必要があります。
立つのが難しい利用者を参加させると、うまくリハビリができず疎外感を与えてしまう恐れがあります。
また、転倒やふらつきが懸念される集団リハビリを行うときは、スタッフが1人だけでは対応できないこともあるでしょう。
実施するリハビリの難易度をもとに、スタッフが何人いれば安全に行えるのかを考えることも大切です。
利用者が楽しく運動できるように、リハビリ内容のバリエーションを増やしておきましょう。効果を重視して同じようなリハビリを繰り返し実施していると、利用者が運動に飽きてしまうこともあります。
いくつかの種類のリハビリをローテーションで行うことで、利用者が飽きずに運動を継続できるでしょう。
たとえば、足の運動をしてもらいたい場合、単純に動かすだけでなく「ボール蹴り」や「ゴムバンドを使用した運動」などの内容が考えられます。
このように、「利用者に何をしてもらいたいのか」を中心に考えれば、さまざまなアプローチ方法が見つかるでしょう。
リハビリプログラム例は他の記事でもたくさん紹介しています。バリエーションのひとつとして加えてください。
▶【理学療法士監修】器具なしでできるバランストレーニング|高齢者のバランス能力の維持・向上に役立つ運動17選
同じようなレベルにあわせて集団リハビリを実施したとしても、細かな身体機能は利用者によって異なります。
利用者ごとの身体機能を考慮して、実施内容を微調整することも大切です。
たとえば、交代で歩行訓練を実施する場合は、利用者によって歩行距離を変更するとリハビリ効果が高まりやすくなります。
足の運動がなかなかできない利用者であれば、スタッフがサポートしながら行うのも1つの方法です。このような微調整はある程度のアドリブ力が求められるので、集団リハビリを繰り返し行って慣れておきましょう。
ここでは、集団リハビリの効果を最大化するための進め方についてみていきましょう。
どのような目標にすべきかを設定したうえで、集団リハビリのプログラムを考えましょう。目標が不明瞭のままプログラムを作成すると、まとまりのない内容となる恐れがあります。
目標の設定は利用者のモチベーション維持にも大きく関わります。複数の利用者と一緒にリハビリする関係上、マンツーマンよりも目標設定は難しいかもしれません。
しかし、利用者一人ひとりの状況を把握しておけば、達成すべき目標が明確となるでしょう。
リハビリの基本的な考え方を知っておくと役に立ちます。以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
▶介護リハビリの全て|リハビリテーションの定義や重要性・機能訓練との違いなどリハビリの全てを解説
集団リハビリの効果を高めるためには、多人数の利用者とうまくコミュニケーションをとる必要があります。
マンツーマンのリハビリであれば、指示通りに運動を行ってもらうのは容易でしょう。
しかし、集団リハビリの場合はそう簡単にいきません。耳の遠い方もいれば、運動の仕方がわからなくなる方もいます。
そのような利用者をまとめながらリハビリを行うには、わかりやすく的確に指示を出せるようなスキルが求められます。
どのような利用者が参加しているのかを把握しつつ、全員がしっかりとリハビリを実施できるような声かけを心がけましょう。
集団リハビリに参加する利用者の安全と、健康状態の管理も忘れないようにしましょう。集団リハビリの途中で転倒や体調不良などの予期せぬ事態が起こると、対応が遅れることもあります。
集団リハビリを行う際は、事前に利用者のバイタルを確認したり、声をかけて調子を聞いたりしておくことが大切です。
また、リハビリの内容からどのようなリスクがあるのか、どの利用者を気にかければ良いのかを考えておきましょう。
このようなリスク管理をしておけば、万が一の事態が起きてもスムーズに対応しやすくなります。
ここでは、デイサービスでの集団リハビリによる成功事例についてご紹介します。
利用者のAさんは運動に対して消極的で、個別のリハビリではやる気を出してくれませんでした。しかし、集団リハビリにAさんを誘ったところ、個別でのリハビリよりも積極的に行ってくれました。
Aさんは「みんなで盛り上がりながら運動するのが楽しい」とのことだったので、今後も集団リハビリへの参加を促すことに。
その結果、運動のモチベーションが高まり、個別のリハビリでも積極的に行えるようになりました。
あるデイサービスでは、スタッフ不足によって利用者に十分な運動を提供できない問題点を抱えていました。
その問題を解決するために、集団リハビリの導入を決定。集団リハビリを取り入れたことで、少ないスタッフ数でも多くの利用者に運動を提供できるようになりました。
スタッフ不足が解消された後も個別と集団でのリハビリを組み合わせて、利用者にバリエーション豊かな運動を提供しています。
集団リハビリを成功させるためには、さまざまな課題を解消する必要があります。ここでは集団リハビリを行う際の課題点とその対策について解説します。
集団リハビリは個別のプログラムではないため、利用者ごとのニーズの対応が困難です。そのため、利用者の満足度が低下することもあります。
集団リハビリである以上、個々のニーズにすべて対応するのは不可能です。
しかし、集団リハビリに参加する利用者にはどんなニーズがあるのかを把握し、なるべくその希望に寄せた内容にすることは可能です。
利用者から集団リハビリに不満を持っている、満足度が低いなどの意見が出た際は、一度参加者のニーズを洗い出してみましょう。
リハビリ意欲を維持するために、利用者とのコミュニケーションスキルやサポート力を磨いておくのが良いでしょう。以下の記事をぜひ参考にしてください。
▶リハビリ意欲アップ!やる気を引き出す7つのポイント・現場の成功事例
集団リハビリは、毎回同じスタッフが行うとは限りません。担当者が定期的に変わる場合、スタッフによって集団リハビリの質が変動することもあります。
どのスタッフが集団リハビリを行っても、同じような質を保つためには、マニュアルの作成がおすすめです。
実施内容はもちろん、声掛けの仕方や注意点などをマニュアルで把握できれば、一定の質を保てるでしょう。
スタッフによって質に大きな差が生まれている場合、ぜひマニュアルを用意してみてください。
利用者のなかには、他の利用者とのコミュニケーションをとるのが苦手で集団リハビリへの参加を拒む方もいます。
そのような方に無理に参加を促そうとすると、関係性が悪くなる恐れがあります。集団リハビリに積極的ではない方がいる場合、その利用者の趣味やニーズを確認してみましょう。
集団リハビリは運動だけでなく、場合によっては計算や趣味活動などの内容を取り入れることも大切です。
運動の集団リハビリを拒否したとしても、別の内容であれば受け入れてくれる可能性があります。まずはどんなことに興味があるのかを把握したうえで、その内容に近い集団リハビリへの参加を促してみましょう。
高齢者の増加によって専門職を効果的に配置することが必要になると考えると、今後も集団リハビリの重要性は高まると考えられます。
集団リハビリは身体機能の維持・改善だけでなく、利用者同士のコミュニケーションを促す効果も期待できます。
交流機会を増やすことで利用者の心理的なサポートにつながり、孤独感の軽減や社会参加のきっかけとなるでしょう。
また、集団リハビリはニーズにあわせて柔軟に内容を変化させることが可能です。
身体的なリハビリ以外にも認知機能の向上、精神面のサポートなど、さまざまなプログラムを提供できれば、多くの利用者のニーズに対応できるでしょう。
集団リハビリは、一度に多くの利用者にリハビリを提供できる点や、スタッフが少なくても対応しやすいなどのメリットがあります。
その一方で、集団リハビリは一人ひとりのニーズにあわせにくく、スタッフによって内容の質が変動しやすい課題点もあります。
集団リハビリをうまく活用するためには、参加者のニーズの細かい調査やスタッフ指導、マニュアル作成などの対策が重要です。
集団リハビリは今後も重要な取り組みとなると考えられるので、ぜひバリエーション豊かなプログラムを作成してみましょう。
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