介護のリスクマネジメント・事故防止【勉強会・研修会資料用】
運営ノウハウ
2024/10/31
運営ノウハウ
経営
更新日:2024/10/21
介護施設で働く人ならば、「自助・互助・共助・公助」という言葉を聞いたことがあるでしょう。厚生労働省が推進している「地域包括ケアシステム」の中に出てくる考え方であり、地域包括ケアシステムを効果的に機能させるために欠かせない要素です。ここでは、これら4つの考え方と地域包括ケアシステムについて解説しています。
この記事の目次
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出典:地域包括ケアシステムの5つの構成要素と「自助・互助・共助・公助」(2024年3月5日確認)
地域包括ケアシステムとは、住み慣れた場所で自分らしく生活できるように、その地域で支援する体制のことです。
この地域包括ケアシステムを支えるための考え方として、「自助・互助・共助・公助」があります。
それぞれの考え方の概要は以下のとおりです。
これらの「4つの助」によって、生活で生じるさまざまな課題の解決を目指します。
また、地域包括ケアシステムは以下の5つの構成に分かれています。
生活の基盤として「住まい」があり、そこから「生活支援」や「介護・医療・予防」などのサービスと連携して在宅を支えています。
5つの要素で構成されている地域包括システムを成り立たせるためには、4つの助の視点を取り入れることが大切です。
参考:板橋区|「自助・互助・共助・公助」からみた地域包括ケアシステム(2024年2月25日確認)
参考:厚生労働省|地域包括ケアシステムの5つの構成要素と「自助・互助・共助・公助」(2024年2月25日確認)
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地域包括ケアシステムをうまく機能させるために「4つの助」が推進されている理由として、高齢者人口の増加にともない、要介護認定を受ける人も増えている一方、既存の介護保険サービスだけでは高齢者を支え切れない状況になっていることがあげられます。
サービスでは支えきれない分を地域住民たちがサポートすることで、住みやすい町を形成できます。そのためには、「自助」を基盤としながら、家族や周囲のサポートによる「互助」で地域を支えることが重要です。
互助による支援では課題が解決できない場合は、保険を用いた「共助」を活用します。共助によるサポートとして、訪問看護やデイサービスなどのサービスがあげられます。
そして、最終的なセーフティーネットとして「公助」による支援がなされるのです。このように、地域包括ケアシステムの機能を維持するには、この4つの助をうまく連携させる必要があります。
出典:地域包括ケアシステムの5つの構成要素と「自助・互助・共助・公助」(2024年3月5日確認)
4つの助はグラデーションになっており、完全に独立しているわけではありません。それぞれが関係しあう形で成り立っています。
ここでは、「自助・互助・共助・公助」の意味と役割、地域包括ケアシステムとの関係について詳しく解説します。
地域包括ケアシステムについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
▶地域包括ケアシステムとは|概要やメリット・構成要素・事例などわかりやすく解説
自助とは、自分のことを自分で助けることです。住み慣れた地域で暮らすには、自分で生活する力が求められます。
自助を実践する例としては、以下のようなものがあります。
このように、個人の努力で生活し、安全に過ごせるようにすることが自助の基本です。
互助とは、家族や友人などと助け合い、お互いの協力で問題を解決する力です。個人の努力である自助が成り立ったら、次は近隣の住民を支えます。
互助の実践例は以下のとおりです。
組織をともなった活動だけでなく、交流のある方に対するちょっとした気遣いも互助に含まれます。
共助とは、年金や介護保険、社会保険などの保険によるサービスのことです。互助は地域住民による自発的な助け合いである一方、共助は困っている方に対して制度でサポートします。
互助による助け合いに限界が生じたときに、この共助が活用されます。制度によるサービスを介入することで、地域住民の「自助」をサポートし、同時に「互助」の負担軽減が可能です。
また制度だけでなく、「自主防災組織」のような災害時に備えて活動する地域コミュニティも共助に含まれます。
公助とは、「自助・互助・共助」では対応できない問題を解決するための社会福祉制度のことです。
公助に該当する例として、以下があげられます。
このように、第三者の介入が難しく、命の危険性がともなうような状況で公助が活用されます。公助を頼る場合の手続き先は、おもに消防や警察などの行政機関です。
参考:板橋区|「自助・互助・共助・公助」からみた地域包括ケアシステム(2024年2月25日確認)
参考:福井市|Q60 自助・互助・共助・公助とは何ですか。(2024年2月25日確認)
「自助・互助・共助・公助」は、地域包括ケアシステムを機能させるための大切な考え方です。地域包括ケアシステムを推進していくためには、4つの助を意識した取り組みが必要です。
行政は、地域住民のニーズを把握し、必要な支援(公助)を提供するための体制を整備する必要があります。また医療・介護関係者は、高齢者の多様なニーズに対応できる質の高いサービスを提供する(共助)ことが求められます。
そして地域住民は、高齢者への理解を深め、互助の精神に基づいて支え合っていくことが大切です。4つの助を地域全体で共有し、協働していくことで、高齢者が自分らしく生きられる地域社会を作っていきましょう。
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