「介護×ICT」で現場はどう変わる?メリットと導入事例・今後の展望

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更新日:2024/04/18

介護現場ではここ数年、ICT導入の動きが活発になってきています。人手不足や介護の質向上に役立つといわれているICTですが、具体的にどんな機器を導入すればよいのでしょうか。ここでは、ICT導入を考えている介護施設の方に向けて、ICTの基礎知識や導入事例を紹介しています。

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介護業界におけるICTの推進・活用

介護業界におけるICTとは、介護事業所での業務や情報共有などを支援するソフトウェアのことです。介護現場へのICT導入は、書類業務の負担削減、介護専門職とのやりとりの円滑化などの効果が期待できます。

厚生労働省では、この介護現場におけるICT化が進められています。介護現場にICTを積極的に導入することで、働きやすい環境作りだけでなく、質の高い介護サービスの提供が可能です。

また、介護分野へ参入する人材の促進につなげることも、介護ICTの導入を進める狙いの1つとされています。

参考:厚生労働省|介護現場におけるICTの利用促進(2024年3月3日確認)

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IT・ICT・IOTの違い

「IT」「ICT」「IOT」の3つの用語の意味は、それぞれ以下のとおりです。

IT:コンピューターとインターネットを駆使する技術

ICT:インターネットを活用したコミュニケーション技術

IoT:さまざまなモノをインターネットに接続する技術

IT・ICT・IoTはいずれもよく使われる言葉ですが、上記のようにほとんど同じものを意味します。「介護のICT化」は、介護現場にICT技術を活用した機器を導入することです。なお本記事では、現場に導入する機器を「ICT機器」、機器導入で業務改善を図ることを「ICT化」と呼びます。

IOTに関しては以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
【介護×IoT】導入で何が変わる?メリット・具体的な導入事例・今後の展開とは

介護業界でICT化が進む理由

介護業界でICT化が進んでいるおもな理由が、「介護スタッフの人材不足」です。介護現場では人材不足が大きな問題となっており、今後もさらに介護スタッフが少なくなると考えられています。

厚生労働省によると、令和元年の介護職員数が約211万人とした場合、2040年には69万人の介護職員が不足すると言われています。介護職員の必要数は年々増加するとされているので、いかに人材不足なのかがわかるでしょう。

この問題を解消するために注目されているのが、介護現場へのICTの導入です。ICTの導入によって業務効率を高められれば、介護現場の負担軽減につながり、働きやすい環境を作りやすくなります。

参考:厚生労働省|第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について(2024年3月3日確認)

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介護×ICTのメリットと注意点

介護現場へのICTの導入によって、事業所はさまざまなメリットを得られます。その一方で、導入にあたって注意点もいくつかあります。

ここではICTのメリットと注意点について、それぞれ詳しくみていきましょう。

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ICT導入によるメリット

ICT導入によるメリットは、以下のとおりです。

  • 業務の効率化
  • 残業時間の削減
  • 人的ミスの削減
  • サービスの質向上
  • 離職率の低下
  • 顧客満足度の向上

このように、ICTは業務の効率を高めるだけでなく、それ以外にも多くのメリットがあります。業務効率化によってスタッフの負担が軽減されることで、利用者へのケアに専念しやすくなります。

またスタッフの負担軽減は、離職率の低下にもつながるでしょう。

ICT導入にともなう注意点とその対策

ICTの導入にともなって注意しておきたいポイントは、「導入後の操作」や「初期費用」についてです。ICTを導入したとしても、スタッフがうまく操作できないと効率は高まりません。

ICTの操作方法がわからない状態で運用すると、かえって業務時間が増える恐れもあります。この問題を解消するためには、サポート体制が充実しているサービスを選択する、操作マニュアルを作成するなどの対策が必要です。

また、ICTを導入するうえで初期費用が気になる事業所もいるでしょう。コストをおさえながらICTを導入したい事業所は、補助金の支援がないか確認してみましょう。

政府は介護現場でもICTの活用を推奨しているので、導入に関する補助が実施されています。都道府県のホームページから、どのような補助がされているのか確認してみましょう。

ICT導入により期待できる変化とは

ICTの導入で期待できる変化とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。ここではICTによる変化について詳しく解説します。

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情報共有を効率化できる

ICTの導入によって、情報共有の効率化が期待できます。ICT技術を利用した機器で活用されやすいのが、タブレットやスマートフォンです。

持ち運びやすいデバイスに搭載されたチャットツールを利用することで、どこでもスムーズに情報共有ができます。テキスト形式だけでなく画像も添付すれば、より細かいやり取りが可能です。

また、デバイスの導入によって紙の使用量が軽減されるため、コスト削減にもつながります。

以下の記事では情報共有に関して詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
介護における情報共有の大切さ|スムーズに共有する方法・効率化するツール

間接業務の時間削減につながる

ICTは、書類業務をはじめとした間接業務の時間削減にもつながります。間接業務の効率化が期待できるICTには、「勤怠管理システム」や「給与計算システム」などがあげられます。

勤怠管理システムを導入すれば、タイムカードの打刻をスマートフォンから行うことも可能です。タイムカードの打刻ミスが減少するだけでなく、打刻忘れで事務所に戻る必要もなくなります。

また給与計算システムの導入によって、月々の労働時間に応じた給与計算にかかる負担を軽減できます。

業務改善に関しては以下の記事でも詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
介護業界の業務改善のアイデア|具体的な業務改善ステップ・現場のストレスを減らすポイント

ケアの品質を向上できる

介護サービスのケアの質向上も期待できます。ICTの導入によって利用者の情報を細かく記録することで、適切なケアが可能です。

利用者の行動も把握しやすくなるので、先回りしたケアができるでしょう。

遠隔で利用者を管理できる「見守り支援システム」の導入もおすすめです。直接確認しなくても利用者の状態を管理できるため、介護の質を落とさずにスタッフの負担軽減につながります。

また、利用者のデータを分析することで、急変や排泄の予兆にいち早く気付けます。

スタッフ同士や利用者とのコミュニケーションが円滑になる

ICTの導入は、スタッフ同士や利用者とのコミュニケーションを円滑にできます。

タブレットやスマートフォンでの情報共有が活発化されれば、他スタッフに対する心理的不担が軽減されます。そのため、職場内でのチームワーク向上につながるでしょう。

また、利用者の情報も把握しやすくなることで、会話を増やすきっかけにもなります。

介護のコミュニケーションに関しては以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
介護現場のコミュニケーションのコツ|高齢者との意思疎通の効果と重要性

介護現場におけるICT機器の導入事例

介護現場にICT機器を導入した通所介護事業所の事例について、以下の3例をご紹介します。

  • 有限会社ケアオフィス
  • 社会福祉法人 元気村
  • 株式会社ハビリスケア

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有限会社ケアオフィス

2004年に開業された宮城県富谷市の有限会社ケアオフィス「デイサービスけあふる」は、定員数35名の地域密着型の通所介護事業所です。日常生活動作の維持向上を重視し個別機能訓練に取り組んでおられます。エクセルでの計画書、モニタリング報告書作成などに苦労しておられ、特に抜け漏れや管理に課題があったそうです。打開策として書類作成業務の効率化が可能な「Rehab Cloud(リハブクラウド)」を導入しました。

書類管理が一括できるようになったことで職員同士の連携もスムーズになり、アラート機能による記入項目の抜け漏れや更新忘れを防げるようになったことで、業務効率化を実現しました。担当者は「もうエクセルでの作業には戻れません」と語っておられます。

▶︎導入事例:脱エクセル!書類の一括管理でスタッフ共有がスムーズに

社会福祉法人 元気村

1995年に開設された「栗橋翔裕園デイサービスセンター」は、定員数35名の通所介護事業所です。地域に根ざした事業所で、栗橋エリア近隣の方々を中心に利用されています。LIFEの提出内容や提出方法が複雑なため、業務の増加や属人化などの課題があったそうです。その打開策として、LIFE提出の効率化が可能な「Rehab Cloud(リハブクラウド)」を導入しました。

LIFE提出をIT化することにより、LIFE関連の作業時間が半分になり、相当の業務効率化が実現できました。リハビリ職員からも、「作成・管理がわかりやすくなった」と好評のようです。

▶︎導入事例:LIFE提出作業を脱属人化!「驚くほど簡単に引き継げた」

株式会社ハビリスケア

和歌山県海南市の「株式会社ハビリスケア」は、リハビリ特化型の通所介護事業所を運営しています。定員数は半日コース20名・1日コース25名で、歩行困難な方や介護度の高い方でも無理なく介護リハビリが受けられることが特徴です。しかし、計画書作成が長時間化して、職員の負担が非常に大きいという課題があったそうです。その打開策として、短時間で計画書が作成できる「Rehab Cloud(リハブクラウド)」を導入しました。

Rehab Cloudの導入により、残業時間を従来の5分の1に削減できました。職員の業務負担が減ったことで、利用者とより向き合えるようになりました。さらに、介護スタッフの機能訓練に対する意識や、ケアマネからの評価が変化したこともポイントです。

▶︎導入事例:残業時間が従来の5分の1に削減。仕事が楽しくなった。

ICTのメリットを理解したうえで導入の検討を

介護現場におけるICTの導入には、業務効率化や介護サービスの質向上などのさまざまなメリットがあります。厚生労働省も人材不足解消の目的として、介護現場のICTの導入を推奨しています。

ICTはメリットがある反面、操作に慣れないと十分な効果を得られない点や、初期費用がかかる点などの課題点も少なくありません。

しかし、サポート体制が充実しているサービスの利用、都道府県が提供している補助の活用などをすれば、その問題も解消できるでしょう。

ICTによってどのような変化がみられるのかを理解したうえで、ぜひ導入の検討をしてみましょう。

以下の記事ではITに関して詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
介護現場のIT化のメリット|改善可能な業務・導入手順・課題とは

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科学的介護ソフト「Rehab Cloud(リハブクラウド) 」』なら、そういった状況を変えることができます!

ぜひ、これまでの介護ソフトとの違いをご覧頂ければと思います。



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この記事の著者

Rehab Cloud編集部   

記事内容については、理学療法士や作業療法士といった専門職や、デイサービスでの勤務経験がある管理職や機能訓練指導員など専門的な知識のあるメンバーが最終確認をして公開しております。

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