整容動作の機能訓練とリハビリ:訓練手順と目的・必要な機能とは
機能訓練
2024/11/06
機能訓練
全身
更新日:2024/11/05
施設で提供されるトレーニングの中で、体幹や筋肉を鍛えやすい「バランストレーニング」はとても需要の高い運動のひとつです。体全体を支える筋肉とバランス感覚が鍛えられる運動ですので、ぜひ利用者に取り組んでもらいましょう。ここでは、特別な器具がなくてもできるバランストレーニングを紹介しています。
この記事の目次
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バランストレーニングとは、不安定な状態のなかでの動作でバランス能力を鍛えるトレーニングのことです。姿勢を保つためのバランス能力には、以下のようなさまざまな情報が関わっています。
体性感覚とは、関節の動きや足裏からの触覚・圧覚などの感覚を総称したものです。前庭感覚とは、身体の平衡感覚やスピードを感じる感覚のことで、耳のなかにある「三半規管」によって感知しています。
これらの情報を処理したうえで筋肉が働き、身体がふらつかないようにバランスを保っているのです。しかし、加齢とともに筋力や感覚などの機能が衰えると、それにともないバランス能力が低下します。
その結果、身体がふらつきやすくなり、転倒やケガを引き起こす原因となります。ふらつきによる転倒やケガを防ぐためには、バランス能力に役立つ筋力トレーニングを日頃から行うことが重要です。
参考:厚生労働省|バランス運動の効果と実際 – e-ヘルスネット(2024年3月24日確認)
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身体機能が衰えやすい高齢者がバランストレーニングを継続することで、筋力や感覚などが向上し、バランス能力の改善が期待できます。
バランス能力が良くなれば、立つ・歩くなどの日常生活における動作を安定して行えるようになるでしょう。そしてふらつきにくい身体になることで、転倒によるケガ予防になるのです。
立位では座位や臥位よりも姿勢が安定しにくい分、バランストレーニングとして最適な姿勢といえるでしょう。ここでは、立位の状態で行うバランストレーニングの内容についてご紹介します。
トレーニングのなかには、イスを支えにして行う内容もあります。その際、なるべく安定性の高いイスを使用して転倒しないように気をつけましょう。
足を前方に振り出すことで、前後の動きをコントロールするトレーニングです。イスや手すりに強くつかまりすぎるとバランストレーニングの効果が弱まるので、できるだけ軽く添える程度にとどめておきましょう。
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左右の動きをコントロールするトレーニングです。片足を内側に交差させるときは、軸足にぶつからないように気をつけましょう。
肩の痛みがある方は、無理のない範囲で上げましょう。左右にふらつきやすい方は、イスや手すりなどを支えにしながら行ってください。
振り向き動作での重心をコントロールするトレーニングです。手がぶつからないように、周囲に気をつけながら行ってください。周囲が狭い場合は手を下げた状態で行ってもかまいません。
足を前に出す際は、できるだけ後ろの足と一直線に近づけるようにするとバランストレーニングの効果が高まります。腕を振る際は周囲のものや人にぶつからないように注意してください。
座位でのトレーニングは、立位よりも体幹筋を意識しやすいでしょう。体幹筋を鍛えることで上半身の安定性が高まり、バランス能力の向上につながります。
ここでは、座位でできるバランストレーニングについてみていきましょう。
上体を起こして腹筋を鍛えるトレーニングです。上半身を起こす際は、重心を後ろから前方に動かすように意識してみましょう。
背筋を伸ばし続けることで、背筋のトレーニングにもなります。背もたれに寄りかかる際にイスからずり落ちないように気をつけましょう。
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腹筋全体を鍛えるトレーニングです。上半身をねじる際は腹筋を意識して行ってみましょう。トレーニング中は、周囲のものや人にぶつからないように気をつけてください。
横腹についている腹斜筋を鍛えるトレーニングです。肩に痛みがある方は可能な範囲で手をあげましょう。
両手を上げて背筋を鍛えるトレーニングです。肩が痛い方は、可能な範囲で手を上げましょう。腰が痛い方は、前傾位にならずにまっすぐとした姿勢で行ってもかまいません。
腕や肩と同時に、体幹筋も鍛えられるトレーニングです。肩が痛む方や、なかなか曲げ伸ばしできない方は、ペットボトルを使用せずに行ってみましょう。トレーニング中は背筋を伸ばしながら行ってください。
体幹の複合的な運動によって背筋や腹筋を鍛えられます。手順がやや複雑なので、ゆっくりと一つひとつ動作を丁寧に行いましょう。
バランスディスクを利用したトレーニングもおすすめです。座位でもできるので少しずつ取り組んでいきましょう。
▶バランスディスクを使用した高齢者のリハビリ|体幹・バランストレーニング
臥位でのバランストレーニングは、立位や座位と比べると安全に行いやすいのがメリットです。ここでは臥位でできるバランストレーニングをご紹介します。
股関節を曲げる筋肉の腸腰筋と、腹筋を鍛えられるトレーニングです。腸腰筋や腹筋を鍛えることで、立位時の安定性が高まりやすくなります。
また、足を上げる際に上半身や骨盤が傾きやすくなる(右足だとしたら右方向に)ので、姿勢はまっすぐ保つように意識してください。足は可能な範囲で上げるようにしましょう。
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腸腰筋と腹筋を鍛えるトレーニングです。トレーニング中はお腹の上に手を乗せて、腹筋が効いているかを感じながら行いましょう。
腹式呼吸でインナーマッスルを鍛えられるトレーニングです。身体を大きく動かす運動ではないので、腰痛のある方でも行いやすいです。背中の下にタオルを置いて行うと、床に押しつけるイメージが湧きやすくなります。
首を動かすだけなので、腹筋が弱い方でも行いやすいトレーニングです。首を上げる際は息を止めず、吐きながら行ってください。
首を上げるトレーニングよりも腹筋に効くメニューです。腰の下に手を置くのではなく、タオルで代用してもかまいません。
体幹全体を鍛えられるトレーニングです。上半身はなるべく固定することを意識して行いましょう。腰痛がある方は無理のない範囲で行ってください。
臥位でできるトレーニングをさらに以下の記事で紹介しました。バリエーションを増やして毎日の体操に組み込んでいきましょう。
▶腹臥位の体幹トレーニング|介護・看護で提供できる腹臥位のリハビリ5選
高齢者にとって、バランス能力は転倒を予防するための重要な機能です。加齢によってバランス能力が低下すると、転倒やケガが起きやすくなり、さらなる身体機能の衰えにつながります。
バランストレーニングを行うことで、そのようなリスクの軽減が期待できるでしょう。今回の記事では、立位・座位・臥位でできるバランストレーニングの方法をご紹介しました。
ぜひデイサービスでバランストレーニングを取り入れて、利用者の転倒予防を進めていきましょう。
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