腰方形筋の鍛え方|姿勢別のストレッチ・トレーニング全8種

機能訓練

下肢

更新日:2024/11/05

腰方形筋とは体幹筋郡の1つで、呼気の呼吸補助筋として働きます。日常生活では床から物を拾う動作、スポーツではゴルフや野球、テニスなどのスイング動作時に腰方形筋の筋力が重要になります。今回は、そんな「腰方形筋」に関して改めて役割を整理し、姿勢別で行えるトレーニングをご紹介していきます。

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腰方形筋とは

腰方形筋のトレーニング方法をご紹介する前に改めてその役割や作用を解説します!

腰方形筋は、体幹筋の1つで脊椎の深層部に左右対称に付着しています。主な作用としては、一側の収縮で体幹の側屈させ、両側の収縮では腰椎の伸展(身体を反らす)の働きがあります。


腰方形筋は、脊柱の安定性に重要な役割があり、左右どちらかの腰方形筋が強く働いたり、逆に弱くなっていると骨盤の高さに左右差が生じて痛みを発生させることがあります。


また、呼吸補助筋として息を吐く力として働くためご高齢者の呼吸機能を高めるためにも重要な部位です。


スポーツでは、ゴルフのスイング動作や野球のバッティング動作のような腰をひねる動作で腰方形筋が働きます。このようなスポーツでは同じ方向へのスイングが増えるため、反対側の腰方形筋のトレーニングも行うこともオススメです。


かっこいい体づくりを目指すフィットネス愛好家の方には、お腹の正面だけでなく腰の横に付着する腰方形筋や腹斜筋も鍛えることで、さらに引き締まったお腹周りを手に入れることができます。

参照:三橋彩乃, et al. “有効な腰方形筋エクササイズの検討.” 日本理学療法学術大会 Vol. 42 Suppl. No. 2 (第 50 回日本理学療法学術大会 抄録集). 公益社団法人 日本理学療法士協会, 2015.(平成29年4月4日アクセス)

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腰方形筋と歩行の関係性とは

マニアックな話になりますが、歩行時に腰方形筋は体幹の前屈を制御します。合わせて、反対側の中臀筋は骨盤の左右への傾きを調節します。

そのため、中臀筋がストレスを抱えて働きにくくなっていれば反対側の腰方形筋に過剰な負担がかかる可能性があります。


このように腰方形筋と中臀筋は相互に働き、釣り合うことで体幹や骨盤の前後・左右のブレを制御しています。

腰方形筋のトレーニングを行う場合は、反対側の中臀筋(お尻)とのバランスをチェックしておくこともポイントです!

参照:安藤 徳彦 日本義肢装具学会誌 Vol. 15 (1999) 「下肢筋の機能解剖と歩行」(平成28年11月4日アクセス)

「腰方形筋」の痛みの原因や、ストレッチ・トレーニングについて知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎腰方形筋の痛みと原因|姿勢別ストレッチを紹介

腰方形筋トレーニング|仰向け編

こちらの運動は、寝ながらでできる腰方形筋のトレーニングです。
横っ腹に付着する「腰方形筋」は骨盤を引き上げ、「腹斜筋」は体幹の側屈時に働きます。腰方形筋のトレーニングする際は、骨盤を引き上げるように意識してエクササイズを行うと良いでしょう。

【運動のポイント】
骨盤に手を添えて、腰を引き上げるように意識しましょう。

【推奨回数】
左右交互に10回×3セットを目安に行いましょう。

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腰方形筋トレーニング|長座位編

こちらの運動は「長座位」でできる腰方形筋のトレーニングです。
お尻歩きは、医療現場でもスタッフの補助のもとに実施することが多くあります。股関節疾患で中臀筋の筋活動が弱化している場合などに腰方形筋のトレーニングも導入してみてはいかがでしょうか。

【運動のポイント】
一方のお尻に体重を移動する際に骨盤を引き上げるように意識しましょう。

【推奨回数】
前方に10歩を目安に行いましょう。

腰方形筋トレーニング|座位編


次に、こちらの運動は「座位」でできる腰方形筋のトレーニングです。
座った姿勢で骨盤を引き上げるように運動することで腰方形筋の筋力アップに効果が期待できます。

【運動のポイント】
一方のお尻に体重を移動する際に骨盤を引き上げるように意識しましょう。

【推奨回数】
左右交互に10回×3セットを目安に行いましょう。

座位でできる体操について知りたい方は、下記の記事をご一読ください。
▶︎デイサービス体操 全21種|高齢者が椅子に座ってできる運動方法のご紹介

腰方形筋トレーニング|サイドベント編


次に、こちらの運動も「座位」でできる腰方形筋のトレーニングです。
体幹を側屈させる「サイドベント」は、腹斜筋や腰方形筋のトレーニングに効果が期待できます。ダンベルやペットボトルを活用するとさらに効果的です。

【運動のポイント】
体を真横に倒した姿勢から反対側の腰を意識して上半身を起こしましょう。

【推奨回数】
10回を目安に行いましょう。

腰方形筋トレーニング|膝立ち編


こちらの運動は「膝立ち」でできる腰方形筋のトレーニングです。
立位よりも支持基底面も大きくなり安定性が高くなる膝立ちですが、膝に痛みのある方などの処方には十分注意して行います

【運動のポイント】
背筋を伸ばし、背中が丸まらないように意識しましょう。

【推奨回数】
左右交互に10回×3セットを目安に行いましょう。

腰方形筋トレーニング|立位編


こちらの運動は「立位」でできる腰方形筋のトレーニングです。運動の際は、息を吐きながら、お腹から腰の筋肉を縮めるイメージで上半身を正面に戻すようにしましょう。ダンベルを活用するとさらに負荷を加えることができます。

【運動のポイント
側上半身を捻らないように意識して行きましょう。

【推奨回数】
左右交互に10回×3セットを目安に行いましょう。

腰方形筋トレーニング|側臥位×サイドプランク


こちらの運動は、サイドプランクと呼ばれる腰方形筋のトレーニングです。
サイドプランクは腰方形筋を鍛えるためのトレーニングとして非常に効果的です。体のラインを一直線上に保つことが重要です。腰方形筋だけでなく腹斜筋や中臀筋も鍛えることができます。膝の伸ばしたり、手をあげることで難易度を調整することもできます。

【運動のポイント】
姿勢は一直線上を意識し、上半身に捻りが入らないように注意しましょう。

【推奨回数】
トップの位置で20秒×5回を目安に行いましょう。

デイサービス・機能訓練指導員が活用できる「リハビリ体操・運動」関連の記事を一挙にまとめました。状況に合わせてうまく活用していただけたら嬉しく思います。記事が増えていけば随時更新していきます。

→→ 【完全保存版】デイサービス・機能訓練指導員が活用できる高齢者のためのリハビリ体操・運動まとめ|随時更新​

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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