高齢者のタオルストレッチ|肩甲骨・背中・股関節に効く体操【全12種】

機能訓練

全身

更新日:2024/03/15

高齢者様向けのストレッチを始めたいけど、どんな運動から取り組んだらいいのかわからない介護事業所の方はいらっしゃいませんか?今回は、そんな方にオススメなタオルを使った、首から背中、肩甲骨、お尻、太ももなど部位別のストレッチをご紹介します。

タオルストレッチが高齢者におすすめの理由

タオルストレッチは、タオルを活用することでテコの原理が働き、少ない力で目的の筋をストレッチすることができます。そのため柔軟性を高めたい場合に効果的な道具の1つと言えます。

柔軟性を高めたい場合は、過剰な力(力み)が入らないように深呼吸などを意識してもらいますが、運動習慣がない方はどうしても力みが出てしまいます。

そんな方にオススメなのが寝たままできるタオルストレッチです。仰向けの姿勢は、背中や腹筋群などの力みを抑えることができるので運動初心者でも簡単にストレッチ効果を高めることができます。

ご自身だけでなく、運動習慣のない両親やご高齢者の方にもタオル体操を提案してみてはいかがでしょうか?
 

タオルストレッチの効果とは

タオルストレッチの主な効果は、上半身や肩周りの柔軟性を高めることです。

この部位の柔軟性を高めることで「肩こり」や「猫背」などに効果が期待できます。デスクワーカーやご年配の方は、特に日常生活で体を動かす機会が減ってしまいます。そのためタオルを使ったストレッチに取り組み、体の柔軟性を高めていきましょう!

【タオルストレッチの効果】

  • 肩こり、首こりの予防
  • 猫背などの姿勢の改善
  • 肩甲骨や肩の柔軟性アップ
  • 下半身の柔軟性アップ
  • 全身のリラックス効果
  • 全身の血流の改善
  • 筋肉の疲労の回復

タオルを使った「首」のストレッチ


こちらの運動は、タオルを使用して首を牽引するストレッチです。肩こりや首コリがある方は、牽引を行うことで首〜肩周囲の筋肉の過緊張を緩和してくれる効果が期待できます。首や肩こり改善を目的として取り組んでいきましょう。運動の際は、両手でゆっくりとタオルを引っ張りましょう。

【回数】
牽引を10秒間×6回を目安に行いましょう

【ストレッチのポイント】
首は非常にデリケートな部位ですので、決して勢いよく引っ張らず痛みがない範囲で行いましょう。

タオルを使った「背中」のストレッチ


こちらの運動は、胸や脇腹の柔軟性を高めることができるタオルストレッチです。年を経るにつれて円背や猫背など胸が丸くなった姿勢が気になる方も多いのではないでしょうか?こちらの運動では、胸や肩甲骨周囲の筋肉をストレッチできるので猫背の改善や肩こりの予防にも効果が期待できます。

【回数】
10回を目安に行いましょう。

【ストレッチのポイント】
肩甲骨が床に付いたまま運動を行うようにしましょう。

タオルを使った「脇腹」のストレッチ


こちらのタオルストレッチは、脇腹に付着する筋肉の柔軟性を高める効果が期待できます。脇腹は日常生活の中では、なかなかストレッチする機会がない部位の1つです。猫背の方は、特にこの脇腹の筋肉が凝り固まっていることがあります。脇の下から脇腹を意識してストレッチしていくことをおすすめします。

【回数】
左右ともに30〜60秒×3回を目安に行いましょう。

【ストレッチのポイント】
運動の際に息を吸いながら体を倒すように意識しましょう。

タオルを使った「肩甲骨」のストレッチ


こちらの運動は、タオルの両端を握ったまま腕を水平に倒すことで肩や肩甲骨をストレッチすることができます。肩は加齢ともない動かしにくくなったり、痛みが出てきやすい部位の1つです。五十肩や四十肩、肩関節周囲炎の予防として取り組んでいきましょう。

【回数】
左右共に30秒×3回を目安に行いましょう。

【ストレッチのポイント】
肩が床から離れるようにしっかりと伸ばしましょう。

タオルを使った「お尻」のストレッチ


こちらのタオルストレッチは、膝にかけたタオルを引っ張り、膝を胸に引き寄せることでお尻の柔軟性を高めることができます。お尻に付着する「大臀筋」や太ももに付着する「大腿四頭筋」の筋肉をストレッチすることができるので、腰痛や膝痛の予防としてオススメです。また、ご自分で膝を抱えることのできない方には特にオススメです。

【回数】
10秒×5セットを目安に行いましょう。

【ストレッチのポイント】
人工股関節置換術後などの禁忌肢位がある方や痛みがある方は運動を控えてください。

タオルを使った「太もも」のストレッチ


こちらの運動は、太ももの裏に付着する「ハムストリング」をストレッチすることができます。ハムストリングスが硬くなると腰痛や膝痛を引き起こす可能性があるので、柔軟性を高めておきましょう。足先にかける体操となるため、タオルはバスタオルのような大きいものを準備することをおすすめします。

【回数】
左右の足を30秒×3回ずつ行いましょう。

【ストレッチのポイント】
膝がしっかりと伸びていることを確認しながら運動を行いましょう。

運動初心者からスポーツをされている方まで取り組める姿勢別のハムストリングスのストレッチについて知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。
▶︎姿勢別のハムストリングスストレッチ 全18種について

タオルを使った「内もも」のストレッチ


こちらの運動は、内ももに付着する「内転筋」をストレッチすることができます。特に女性の方は産後より骨盤が開いてしまう影響もあり、年をとると骨盤や股関節にストレスが溜まりやすくなります。特に、太ももの内側の筋肉がこわばってしまうためタオルを活用して柔軟性を高めていきましょう。

【回数】
左右の足を30秒×3回ずつ行いましょう。

【ストレッチのポイント】
膝がしっかりと伸びていることを確認しながら運動を行いましょう。
難易度が高くなるので腰や股関節に痛みがある方は無理をしないようにしましょう。

タオルを使った「腰」のストレッチ


こちらの運動は、主に腰やお腹周りの筋肉をストレッチすることができます。腰の下に丸めたタオルを固定し、できる限り背伸びをすることで柔軟性アップが期待できます。普段、椅子に座っている時間が長い方にお勧めです。

【回数】
10秒×5セットを目安に行いましょう。

【ストレッチの注意点】
椎間板ヘルニアや腰痛がある方は無理をしないようにしましょう。

タオルを使った「胸・背中」のストレッチ


こちらの運動は、主に胸や背中の筋肉をストレッチすることができます。こちらは丸めたタオルを「胸の下または肩甲骨の下」に固定し、大きく背伸びをしていきます。猫背の姿勢が気になる方にお勧めの体操です。寝る前の体操として取り組んでみてはいかがでしょうか?

【回数】
10秒×5セットを目安に行いましょう。

【ストレッチのポイント】
床はできるだけ硬い場所で取り組みましょう。
肩や腰に痛みが出る場合は無理をしないようにしましょう。

タオルを使った「鼠径部」のストレッチ


こちらの運動は、足の重さを利用した鼠径部のストレッチです。長時間の椅子に座っているようなデスクワークや加齢に伴い、この鼠径部に付着する腸腰筋は萎縮します。ベッドを使用してしっかりと伸ばしていきましょう。お尻が落ちないように骨盤の下に丸めたタオルを固定するようにしましょう。


【回数】
左右共に10秒以上×5セットを目安にストレッチしましょう。

【ストレッチのポイント】
腰の下にタオルを置くことで骨盤を固定しましょう。
下ろした足はできるだけ力を抜くようにリラックスしましょう。

タオルを使った「ふくらはぎ」のストレッチ


こちらの運動は、タオルを活用したふくらはぎのストレッチです。ストレッチが苦手な方でもタオルを足先にかけて、膝を伸ばすだけでふくらはぎの柔軟性を高めることができます。できるだけタオルを引っ張り、足首を反らせるとより効果的にストレッチすることができます。

【回数】
10秒間×6回を目安にストレッチしましょう。

【ストレッチのポイント】
タオルはバスタオルのような長いものを準備しましょう。

タオルを使った「ハムストリングス」のストレッチ


こちらの運動は、タオルを活用したふくらはぎと太ももの裏のストレッチです。タオルを足先にかけ、膝を伸ばしたまま足を上げていくことでハムストリングスをより効果的にストレッチすることができます。タオルを引っ張り足首を反らせることを意識して行いましょう。

【回数】
10秒間×6回を目安にストレッチしましょう。

【ストレッチのポイント】
タオルはバスタオルのような長いものを準備しましょう

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→→ 【完全保存版】デイサービス・機能訓練指導員が活用できる高齢者のためのリハビリ体操・運動まとめ|随時更新​

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この記事の著者

作業療法士  大屋 祐貴

作業療法士として、回復期リハビリテーション病院や救急病院、訪問リハビリに勤務し、医療・介護現場の幅広い分野を経験。現場のリハビリテーション技術を高めるために研修会の立ち上げ等を行う。

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