整容動作の機能訓練とリハビリ:訓練手順と目的・必要な機能とは
機能訓練
2024/11/06
機能訓練
体幹(胴体・腰)
更新日:2024/08/21
腰方形筋は、体幹筋郡の1つで呼気の呼吸補助や骨盤を正しい位置に保つ役割があります。理学療法士などのリハビリスタッフはこの「腰方形筋」をターゲットマッスルとしてアプローチしていくことも多いのではないでしょうか?そこで今回は、「腰方形筋」のストレッチ・トレーニングをご紹介していきます。
この記事の目次
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腰方形筋は、脊柱の安定性に重要な役割があり、姿勢保持に大きく影響する筋肉の1つです。腰方形筋は左右の対象に付着する筋肉のため、どちらかの筋肉が硬くなったり(筋硬結)筋肉の弱くなる(弱化)と、骨盤の左右の高さの差が生じてしまい、骨盤の傾きを引き起こし、腰痛などの原因になることがあります。
また、腰方形筋の筋力低下や萎縮が起こると、骨・関節・椎間板への影響をきたすことも報告されています。
【腰方形筋の起始・停止】
長方形の形状をしており、骨盤と腰椎、肋骨にかけて付着しています
起始:腸骨稜、腸腰靭帯に付着
停止:第12肋骨、L1~L4の椎体の肋骨突起に付着
【腰方形筋の神経支配】
胸神経(T12)
腰神経(L1~L3)
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腰方形筋の働きは、主に体幹の側屈です。体幹の側屈は、脊椎の伸展と回旋を含みます。従って、両方の腰方形筋が作用した場合は腰椎を伸展方向に働きます。
【腰方形筋の主な働き】
さらに腰方形筋は下部肋骨を下制させるなど、呼吸補助筋としても働いています。日常生活では、床に置いてある荷物を持ち上げたり、スポーツにおいては、ゴルフや野球でのスイングなどの身体を回旋する際に活躍します。
【腰方形筋の主な作用】
腰方形筋は機能・解剖学上、下部肋骨と骨盤を繋ぐ筋肉のため、腰部へのストレスが高くなりやすい部位です。
腰方形筋の痛みは、日頃から同じ方向に脚を組む癖がある方やゴルフ・野球などの同一方向へのスイングをされている方に起こりやすくなります。日常的に同じ方向へ脚を組んでしまうと、腰方形筋の筋肉が短縮を起こしてしまい、筋スパズムを引き起こす可能性があります。
また、腰方形筋の柔軟性が保てないままゴルフなどのスイングを行うことで、筋繊維が損傷して痛みを発生させる原因になります。
さらに、これらの疾患の方は腰方形筋に問題が発生する可能性が高くなります。
例)股関節術後
全人工股関節置換術(THA)や人工骨頭置換術(BHA)、骨切り手術 (RAO、CPO、AAO)によって臀筋の筋肉が一時的に弱化したり、脚長差が起こります。その影響により骨盤の挙上などの代償が出現し、腰方形筋の過緊張によるスパズムが起こる場合があります。
例)呼吸不全
腰方形筋を含め、腹直筋・腹斜筋・下後鋸筋・腹横筋などは呼気の呼吸補助筋です。その中でも腰方形筋と腹直筋・外腹斜筋が過剰に働いたり、過緊張の状態が続くと、痛みが生じたり、下部肋骨が開き難いため、呼吸をしにくくなる場合があります。
このような方々の痛みを予防していくためにも腰方形筋のストレッチは重要となります!
歩行時の腰方形筋の働きを解説します。
歩行時に「中臀筋」は骨盤の左右への傾きを調節し、「腰方形筋」は体幹の前屈を制御して、前後左右への重心移動のコントロールを行っています。
腰方形筋と中臀筋は密接な関係があるため、中臀筋の機能不全があれば反対側の腰方形筋に過剰な負担がかかる可能性があります。
このようなことから腰方形筋を鍛える場合は、中臀筋との協調性やバランスをチェックして行うことが良いでしょう。
参照:安藤 徳彦 日本義肢装具学会誌 Vol. 15 (1999) 「下肢筋の機能解剖と歩行」(平成29年4月9日アクセス)
それでは腰方形筋のストレッチを姿勢別でご紹介していきます。
まず、こちらの運動は「座位」でできる腰方形筋のストレッチです。腰方形筋は肋骨の下部に付着しています。そのため、「腕を広げる」ことで腰方形筋をより効果的にストレッチすることができます。
【回数】
片側に10秒間×5〜6回を目安にゆっくりと行いましょう。
【関連記事】
腰方形筋ストレッチ|明日から実践できる8種の方法とは
体幹筋の1つである「腰方形筋」の機能や役割、姿勢別のストレッチ方法をご紹介します。
こちらの運動は「立位」でできる腰方形筋のストレッチです。タオルを両手で把持することで肋間が広がり、腰方形筋を効果的にストレッチすることができます。さらに、足を交差すると、大腿筋膜張筋や中臀筋などにもストレッチの効果が期待できます。
猫背や円背など姿勢が曲がった方は、肋間筋や腹斜筋、腰方形筋の柔軟性が低下し、呼吸機能が落ちてしまう可能性があります。しっかりとストレッチしていきましょう。
【回数】
片側に10秒間×5回を目安にゆっくりと行いましょう。
こちらの運動は、ストレッチポールを使用した「側臥位」でできる腰方形筋のストレッチです。ストレッチポールを活用するこちらのストレッチは、下方の腰方形筋と上方の腰方形筋の柔軟性を高めます。しかし、不安定性も高くなるので、無理のない範囲で実施しましょう。
【回数】
両手をあげた状態で10秒×5〜6回を目安にゆっくりと行いましょう。
こちらの運動は「四つ這い」でできる腰方形筋のストレッチです。左右の腰方形筋が共に働くと、腰椎の伸展筋として働きます。そのため、背中を丸める運動を行うことで腰方形筋の柔軟性を高める効果が期待できます。運動の際は、しっかりと息を吐きながらお臍をみるように意識しましょう。
【回数】
息を大きく吐き10回を目安にゆっくりと行いましょう。
こちらの運動は「長座位」でできる腰方形筋のストレッチです。主に太ももの裏に付着するハムストリングスの柔軟性を高めることができますが、腰に付着する腰方形筋にもストレッチ効果が期待できます。膝が曲がらないように意識して、息を吐きながら体幹を倒していきましょう。
【回数】
左右共に15〜30秒×3セットを目安に行いましょう。
運動初心者からスポーツをされている方まで取り組める姿勢別のハムストリングスのストレッチについて知りたい方は、ぜひこちらの記事をご一読ください。
▶︎姿勢別のハムストリングスストレッチ 全18種について
こちらの運動は「横坐り」でできる腰方形筋のストレッチです。横坐りの姿勢から上半身を起こすことで、お尻から太ももに付着する腰方形筋や中臀筋、大腿筋膜張筋の柔軟性を高めることができます。日頃から運動習慣がある方やスポーツ愛好家の方の腰痛予防や体幹ストレッチとしてのご活用ください。
【回数】
左右共に15〜30秒×3セットを目安に行いましょう。
続いて腰方形筋のトレーニング法についてご紹介して行きます。
三橋によると”サイドベント、サイドブリッジ、側臥位股関節外転が腰方形筋の促通に有効であり、臨床現場でのエクササイズ処方に有用である”とされています。
そこで、ここからは腰方形筋のトレーニングについて3種類のエクササイズと+αを姿勢別にご紹介していきます。
姿勢別でできる腰方形筋のトレーニングについてこちらの記事でもご紹介しているので、ぜひご一読ください。
▶︎腰方形筋トレーニング 全8種|姿勢別でできる運動方法とは
まずご紹介する腰方形筋トレーニングは座ってできるサイドベントです。体幹を側屈させる「サイドベント」エクササイズは、腹斜筋や腰方形筋のトレーニングに効果が期待できます。腰方形筋は体幹の側屈または骨盤を引き上げるような動作時に筋収縮するため、腕に力は入れず、腰から動かすように意識しましょう。
【回数】
10回を目安に行いましょう。
次に、腰方形筋を鍛えるためのサイドブリッジのトレーニングです。サイドブリッジでは、身体のラインを一直線上に保つことが大切です。姿勢が崩れやすい運動ですので、難易度も高くなります。膝の伸ばしたり、手を挙げることで難易度を調整することもできますよ。
【回数】
姿勢を保持した状態で20秒×5回を目安に行いましょう。
次に、こちらの運動は側臥位での股関節の外転運動を行うことで腰方形筋を鍛えることができます。一般的に股関節の外転運動は、中臀筋のトレーニングです。しかし、腰方形筋は腹横筋と共に体幹の深層部筋であり、股関節の外転時に先行して筋肉が活動していると考えられています。
【回数】
10回を目安に行いましょう。
こちらの運動は「立位」でできる腰方形筋のトレーニングです。こちらの運動ではペットボトルを使用していますが、ダンベルを活用することでさらに負荷を加えることができます。
トレーニングでは、身体を捻らないように注意していきましょう。
【回数】
左右共に10回×2セットを目安に行いましょう。
こちらの運動は「長座位」でできる腰方形筋のトレーニングです。お尻歩きは、股関節疾患などの中臀筋の筋活動が低下している場合などに取り組まれることがありますが、腰方形筋のトレーニングとしても活用することができます。
【回数】
前方に10歩×3セットを目安に行いましょう。
こちらの運動は、「寝ながら」できる腰方形筋のトレーニングです。下部肋骨と骨盤に付着する腰方形筋は、骨盤を引き上げる作用や体幹の側屈の作用があります。骨盤をしっかりと引き上げるように意識してエクササイズしていきましょう。
【回数】
10回×2セットを目安に行いましょう。
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このことは決して介護事業所が悪いわけではありません。
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