地域密着型通所介護の単位数一覧表【令和6年改定対応】
介護報酬改定
2024/11/06
介護報酬改定
更新日:2024/11/05
令和6年度(2024年度)の介護報酬改定でLIFE(科学的介護情報システム)の推進はどうなるのでしょうか。最新動向がわかり次第、この記事を更新していきます。令和6年度介護報酬改定について気になる方はぜひご参考ください。
この記事の目次
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介護報酬改定は、介護報酬の適正化を図るため、国の財政やその時々の社会情勢・環境の変化、介護サービスの事情などを踏まえて、3年に一度のサイクルで行われる見直しのことです。
収益の大部分を介護給付で賄っている介護サービス事業所が多いため、介護報酬改定は決して他人事ではありません。基本報酬の減額で収益減につながる恐れがあり、その反対に新しい加算の創設によって収益増となることも見込めます。
新しいサービス区分の創設や廃止によって施設運営に大きな影響があるため、早めに情報収集し対応策を考えておくことが大切です。
介護分野における介護報酬と同じく定期的に見直しされている社会制度の中に、医療分野の診療報酬があります。介護報酬改定は3年ごと、診療報酬改定は2年ごとに行われているため、2つの報酬改定が重なる「ダブル改定」が6年ごとに訪れます。
介護報酬・医療報酬ともに被保険者からの保険料徴収と税金を財源としており、その財源をもとに介護保険制度では介護サービスの給付、医療保険制度では治療・投薬等の医療サービスが給付されています。
医療保険制度・医療保険制度は全く別々のものではなく、連携体制のもとサービス提供されていると考えて良いでしょう。ダブル改定は連携強化のための大切な機会ととらえて間違いなさそうです。
平成30年度(2018年)のテーマは「医療と介護の連携」でした。医療・介護は施設から在宅や地域でケアしていく、という方針が色濃く出た改訂だったといえるでしょう。
平成30年度(2018年)の介護報酬改定は2017年4月26日から介護給付費分科会で議論が開始され、2018年4月より改定となっています。改定率は介護サービス全体で+0.54%となり、2015年の-2.27%を大きく上回っています。具体的な内容は以下の通りです。
令和6年度(2024年)の改定では、より医療・介護の連携が強化されることが予想されます。介護報酬改定で焦点となるのは以下の項目です。
【緩和・推進される項目】
居宅のケアマネも総合事業(要支援)のプランを扱えるようになる
医療情報と合わせた情報のデータ共有に向けた新しいプラットフォームの推進、各種申請書類の電子化を含むICT化の推進
地域包括支援センターの有資格者配置要件の緩和
【慎重な議論・議論延長されている項目】
要介護認定の有効期間拡大
「介護助手」の法制度上の明確化
特養の要介護1・2受け入れ幅拡大
老健・介護医療院の多床室の室料負担(前向きだが議論延長)
その他給付と負担全体の見直し(議論延長)
ICT化について知りたい方は、以下の記事をご一読ください。
▶︎「介護×ICT」で現場はどう変わる?メリットと導入事例・今後の展望
令和6年の介護報酬改定の現在決まっているスケジュールは以下の通りです。
【令和5年】
※地方自治体における条例の制定・改正に要する期間を踏まえて、基準に関しては先行してとりまとめを行う。
↓
令和6年度政府予算編成
↓
【令和6年】
過去の介護報酬改定においても同じようなスケジュールで進められており、令和6年においても大幅な流れの変更はないでしょう。
介護報酬改定の全体像が見えてくるのは令和5年の12月ごろになりそうです。
参考:令和6年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)
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ここでは、令和6年度の介護報酬改定に置けるLIFEの位置づけや、介護報酬改定の方向性についてご説明します。
令和6年度の介護報酬改定では、令和3年度の介護報酬改定で打ち出された科学的介護の推進が引き継がれ、科学的介護の推進が加速します。自立支援介護に向けてケアプランやケアマネジメントの質を向上させるのが大きな狙いです。
居宅介護支援事業所においても、ケアプランの情報を利活用させるためにLIFEの提出が必要になってきます。ケアマネジャーは経験則ではなく、データベースやガイドラインに基づいたケアプランの作成、提出を求められます。
そのためには、他職種が連携してADLを評価するBI(バーセルインデックス)や認知症の周辺症状を評価するDBD13、口腔・栄養や褥瘡などさまざまな評価を定期的に実施する必要があるでしょう。
また、LIFEへのデータ提出も必須になると考えて間違いなさそうです。利用者の適切なアセスメントと担当者間の共有、フィードバックというPDCAサイクルを循環させるためにも、LIFEの活用は欠かせないといえます。
科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence; LIFE ライフ)とは、全国の介護施設・事業所において記録されている利用者の状態やケアの計画・内容についてのデータを収集し、蓄積したデータに基づいてフィードバックを行う情報システムです。
2017年にVISIT(通所・訪問リハビリテーションデータ収集システム)として活用されたのが始まりです。VISITはリハビリサービスに関するデータを収集するためのデータベースとして運用が開始されました。
その後、VISITはリハビリに関するデータ収集・分析を開始。さらに2020年度から開始されたCHASEでは、すべての介護サービスを対象として高齢者の状態やケアの内容等の情報を収集するようになりました。
このVISITとCHASEを統合する形で令和3年度から運用を開始したのがLIFEです。
厚生労働省の資料では、LIFEからのフィードバックイメージとして上記のような図が示されています。
事業所へのフィードバックでは自施設の状況と全国の状況を比較し、利用者別フィードバックでは、同一利用者の過去からのデータ変化を比較し、自施設における取組を見直すための材料となるデータが活用されています。
LIFE関連加算を算定している事業所の割合で見ると、介護保険老人施設が最も多く80%弱、次に介護老人福祉施設が70%弱と、入居系の施設の割合が上位を占めています。
通所系で最も多いのが通所リハビリテーションで50%強、通所介護は50%弱の利用にとどまっています。
通所介護のLIFE関連加算の算定が進まないのは、LIFE導入が進んでいないことに加え、加算の算定条件の複雑さやデータ提出の作業負担と単位数(の低さ)のバランスが悪いことなどが原因と考えられそうです。
令和3年度の介護報酬改定において、通所介護でLIFEへのデータ提出が要件となっている加算と単位数をご紹介します。
⇒LIFEへの報告様式を自動作成!LIFE提出が手間なくカンタンに!資料を見てみる
単位数:40単位
科学的介護情報システム(LIFE・ライフ)へのデータ提出を評価する加算です。利用者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、その他の心身の状況等に係る基本的な情報を提出し、さらにそのフィードバックを活用することが求められます。
▶︎科学的介護推進体制加算の算定要件とは?LIFEへの提出頻度や記入例
単位数:20単位
個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定要件である「利用者ごとの身体機能及び生活機能の向上を目的とする機能訓練項目の設定・機能訓練の実施」等に加え、計画等の情報を厚生労働省に提出し、フィードバックを活用することが求められます。
▶︎個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件・単位数とLIFEへの提出方法
単位数:50単位
栄養改善が必要な利用者を的確に把握し、アセスメントを実施したことを評価する加算です。管理栄養士の配置や栄養アセスメント、LIFEへのデータ提出が求められます。
単位数:160単位
口腔機能向上加算(Ⅰ)の算定要件である「口腔機能の低下、またはその恐れがある利用者に対し、口腔機能向上の取り組みの実施」等に加え、口腔機能向上サービスに関する計画書の内容等の情報をLIFEへ提出することが求められます。
▶︎口腔機能向上加算とは|(Ⅰ)(Ⅱ)の違い・算定要件・計画書について
単位数:30単位/60単位
日常生活動作(ADL)を評価する取り組みを推進するための加算です。利用者の人数が10人以上であることに加え、すべての利用者のADLを測定し、そのデータをLIFEで提出することなどが求められます。
▶︎ADL維持等加算とは?算定要件をわかりやすく解説【2021年介護報酬改定】
厚生労働省の資料によると、LIFEの現状は以下のように示されています。
■令和3年度より運用を開始したLIFEについては、令和5年4月時点において53,370事業所が関連する加算を算定しており、運用開始以降、算定事業所数は増加傾向にある。
また、令和3年度介護報酬改定において、LIFE関連加算が創設された。サービス種別により、算定率は差があるものの上昇傾向にある。
■ LIFEの導入後、ADLや認知症の状態等について評価する事業所の割合が増加した。また、LIFEの活用により、利用者の状態を多角的に把握できるようになったことや、データを参考に多職種で話し合う場を設け、計画の見直しを行うようになったなどの効果があった。
LIFE導入は増加傾向であり、LIFEによる加算算定も上昇傾向です。また、LIFEのフィードバックの活用により、計画の見直しも行えるようになってきており、LIFEの活用は少しずつ浸透してきているといえるでしょう。
一方で以下のような課題も示されています。
■令和4年度の調査ではデータ提出について、約76%の事業所が負担と感じており、中でも、疾病状況及び服薬情報について正確に把握することが難しいと回答した事業所が約2~3割であった。さらに、LIFE関連加算で入力を求めている項目について、複数の加算で項目が重複していることや、選択肢が不足したり定義が曖昧であるなどの課題も指摘されている。
加算の提出項目が重複していることなどが原因でLIFEへのデータ提出が負担となっていることが課題と言えそうです。
また、職員への研修が行き届かないこと、フィードバックや収集した情報を活用したサービスの見直しが難しいなど、全体的にマンパワーの不足からLIFEを活用できないという課題も見えてきています。
また、近年重点を置かれているアウトカムについては、以下のような指摘もされています。
■各加算におけるアウトカムの設定について、アウトカムとしてどのようなことが望ましいかの判断が難しいなど、アウトカム評価の難しさも指摘されており、こうした新たなエビデンスの創出に向けてLIFEの入力項目等を見直す必要がある。
望ましいアウトカムの判断にはまだぶれがあり、各事業所で苦慮している様子がうかがえます。新たなエビデンス創出のために、さらなるLIFEの浸透と情報収集が必要と言えそうです。
今後のLIFEの論点として、以下のように示されています。
■LIFEを活用した介護事業所におけるPDCAサイクル推進に向けた取組を推進するため、質の高いフィードバックに資する情報収集及びLIFEへの入力負担の軽減を図る観点から、どのような方策が考えられるか。
■自立支援・重度化防止に資するサービスの提供を推進していく観点から、アウトカムの視点も含めた評価のあり方、対象となるサービスの範囲についてどう考えるか。
介護の質をさらに高めるための情報収集と入力負担軽減、各事業所で「判断が難しい」とされているアウトカム指標のあり方などが主な論点となっています。
今後も自立支援・重度化防止を重視した質の高い介護サービスの推進のため、各事業所でLIFEを活用しやすくなるよう議論が交わされていくでしょう。
全国介護事業者連盟の『令和6年度介護報酬改定に関する意見』によると、LIFE(科学的介護情報システム)について以下のような意見が出されています。
◯LIFE関連加算の更なる評価・拡充とシステムの操作性の改善(P12)
自立支援・重度化防止を重視した質の高い介護の推進のためには、科学的介護の推進が不可欠であり、LIFEの更なる拡充が必須です。LIFE関連加算の対象となるサービス種別の拡大(居宅介護支援・訪問介護・訪問看護など)、新たなLIFE関連加算の創設や評価・拡充とともに、介護現場の事務作業負担の軽減に向けて、システムの操作性の改善など強力な支援を検討くださいますようお願いいたします。
◯アウトカム評価の更なる拡充(P13)
自立支援・重度化防止を重視した質の高い介護サービスの推進に向けて、高齢者のQOL向上に向けた取組みとなることを前提としたアウトカム評価の更なる拡充を検討くださいますようお願いいたします。LIFEで収集している高齢者の状態像の中で、口腔・栄養に関する状態像に基づく評価、更にはADL・口腔・栄養の一体的なアウトカム加算の創設の検討を要望いたします。 加えて、LIFE以外の項目に基づくアウトカム加算の更なる拡充・評価や新加算の創設も検討くださいますようお願いいたします。
引用:『令和6年度介護報酬改定に関する意見』全国介護事業者連盟
LIFE関連加算の対象サービス種別の拡充、LIFEのシステム操作性の改善が要望としてあげられています。
科学的介護推進のため、よりスムーズに多くの介護施設でLIFEを利用できるようにしたいという思いがくみ取れます。
ADL・口腔・栄養に関しては、現状ではアウトカム評価が不十分と考えられているようです。
科学的介護とLIFEのさらなる浸透、いままで不十分だったアウトカムを評価する加算の創設が望まれているといえるでしょう。
令和5年10月11日に開かれた第227回社会保障審議会介護給付費分科会で、令和6年度介護報酬改定に向けて基本的な視点(案)が出ました。
出典:令和6年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)概要 資料2-1(社保審-介護給付費分科会 第227回)
基本的には、多様化する介護ニーズや地域特性に合わせた地域包括ケアシステムの深化・推進、令和3年介護報酬改定から推進されてきた自立支援・重度化防止に資するサービスの提供を引き続き推進していくこと、などが主軸と言えるでしょう。
また、良質なサービス提供と人材確保のため働きやすい職場環境づくりや柔軟なサービス提供の取組みにも言及されています。
現役世代の急速な減少や介護分野からの人材流出がみられる中、総合的な人材確保の取組みは喫緊の課題として考えられているようです。
令和5年11月1日に開かれた財政制度分科会(財務省)では、これまでの介護報酬改定の総括と、これから(令和6年度以降)の提言がなされました。
出典:財務省 財政制度分科会参考資料(令和5年11月1日開催)
財政制度分科会では、介護報酬改定については主に下記3つについての提言がされています。
この中でも特に通所介護に関係の深いところは「担い手の確保」の部分です。
介護現場の生産性向上と業務効率化は、業界全体の喫緊の課題であり、ICT機器・介護ロボットの利活用の上での人員基準の緩和も検討されているところです。
また他の産業に比べ、介護業界においてソフトウェア投資額の伸びが小さいことにも言及されており、業界全体をあげて業務効率化のために取組みたい考えが示されています。
財務省からの提言なので、コストパフォーマンスを最大限に高めるのが重要とされています。これからはこの提言を踏まえた上で介護報酬改定の議論が進んでいくと思われます。
加算については、制度開始から種類が増加し体系が複雑化されたことが課題とされています。算定率ゼロ・算定率の低い加算については前回に引き続き加算の整理が行われる可能性があるでしょう。
ここでは、令和6年度介護報酬改定の最新動向をお伝えします。
LIFEの改定の方向性については、令和5年11月27日の介護給付費分科会で方向性が出されました。
兼ねてより課題となっていた「LIFE入力に関する事務負担」について、次回の介護報酬改定で修正が入りそうです。入力項目を見直したり、データ提出頻度が3ヵ月に1度になったり、負担軽減の方向で検討されています。
LIFEの利用を前提とした科学的介護の推進は今後も続きますが、具体的な方法や手順に関しては修正が入ると考えていてよいでしょう。
出典:社会保障審議会介護給付費分科会(第232回)令和5年11月27日 資料4
令和5年10月11日に開かれた第227回社会保障審議会介護給付費分科会では、介護報酬改定の施行時期が令和6年度4月から6月になるという議題も出ています。
すでに診療報酬の改定は6月1日からということになっています。それに合わせるのか、介護報酬は4月にするのかは今後待たれる議論です。
参考:介護報酬改定の施行時期について 資料3(社会保障審議会 介護給付費分科会 第227回)
引き続き続報をお待ちください。
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